表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

164/386

みんな退避ッ!

「スキルの使用を止めて!」


 アイアンアントは燃え上がり煙が立ちこめている。視界が悪くなり前方が見えなくなったので、様子を見るために攻撃を止めたのだ。


 先ほどまで爆発音が鳴り響いていた巣の内部が静かになった。


 カサカサと音が聞こえるため、アイアンアントが生きているであろうことは『索敵』スキルを使わずともわかる。四人は魔力を回復させつつ様子を見守っていると、死体を乗り越えるアイアンアントの姿が見えた。


「もう一回、遠距離スキルを放って!」


 正人の指示に従って、里香と冷夏がスキルを放った。火球と透明の矢がアイアンアントに衝突。死がいの上に新たな死がいを作って、壁のように高くなっていく。狙い通りアイアンアントの進行が完全に止まった。


 ――短距離瞬間移動。


 周囲に火球を作ってから移動系のスキルを使った正人は、アイアンアントの死がいで作った山の上に立つ。

 眼下にはよじ登ろうとするアイアンアントが見える。ヘッドライトで奥を見ると、ギリギリ最後尾が見えた。


「想像していたより数は少ないね」


 圧倒的な数を前にして正人は笑っていた。

 数多くのスキルを覚え、魔力の総量が上がった今、この程度の数は脅威にならない。


「燃やし尽くす」


 選んだスキルは『ファイヤーボール』。上空に浮かべた極大の火球は、通路の横幅が隙間なくうめる。正人が操作して火球を地面に落とす。ジュッっと蒸発する音が聞こえて、押しつぶされたアイアンアントが消滅した。


 知能の低いアイアンアントでも脅威を感じたようで火球から離れようとするが、後ろがつっかえていて逃げることはできない。


 正人は『ファイヤーボール』を爆発させることなく、形を維持させながら火球を巣の奥へ、地面の上を転がすように進めていく。


 逃げることもできずアイアンアントは火球によって蒸発していく。もし人間だったら、巣全体に悲鳴がこだましただろう。


「大丈夫ですか……?」


 アイアンアントの死がいによって作られた山で奥が見えず、心配そうな顔をした里香が聞いた。


「全滅させたよ」


 地面が赤くなるほどの高温でアイアンアントは焼き尽くされていた。魔石や死がいすら残っていない。圧倒的な魔力量と巧みなスキル操作によって、大量のモンスターを蹂躙したのだ。


 モンスターが地上にあふれ出す前だったら撤退するしかなかった数も、正人の能力があれば容易に乗り越えられた。急速に成長している。このまま成長を続ければ道明寺隼人を超える日も遠くはないだろう。


 アイアンアントの死がいで作られた山から飛び降りると、正人は三人に近づく。


「休憩が必要な人はいる?」


 全員が首を横に振った。スキルを連発して魔力は消費したが休むほどではない。早く依頼を終わらせたという気持ちもあって、一行は巣の奥へ進むことにする。


 先ほど大量のアイアンアントが攻めてきたとは思えないほど、巣の中は静かだ。コツコツと四人分の足音が反響するだけで、『索敵』スキルに反応はない。変化があるとしたらヘッドライトの点滅する回数が増えたことだろうか。新品の電池に取り替えても点滅は止まらなかったので、正人は動作不良を起こしているんじゃないかと考えている。


 不測の事態が起これば一時撤退も視野に入れていたが、ヘッドライトの不調だけで戻るべきなのか、悩む。


 モンスターは出現せず順調に進んでいることもあって、もう少しだけ調査しよう。そんな欲が出ていた。


 ピシッ。


 過去に一度だけ聞いたことのある不吉な音がした。


 正人と里香はとっさに下を見る。地面がひび割れていた。数秒後、アイアンアントの顎の先端が見える。


「みんな退避ッ!」


 本来であれば三人ともすぐに動けただろうが、四人のヘッドライトが完全に消えてしまった。真っ暗になってしまったのだ。不測の事態に驚き、体が固まる。


 逃げ出す前に床が崩壊するには充分な時間だった。


 暗闇の中、突如、浮遊感に襲われる。感覚からして落下していることだけは、かろうじてわかる。


 ――ファイヤーボール。


 光源を確保しようとして正人が火球を生み出した。高さはそれほどなかったようで、すぐに着地できそうだ。


 薄暗いが周囲は見えるようになった四人は、それぞれ体勢を整えると落下に備える。


 足が地面に接した瞬間に衝撃を逃がすために転がると、すぐに立ち上がって正人は脳内に浮かぶマーカーを確認する。味方を現す青は四つ、赤は……一つも無かった。先ほどスキルで出現させた火球を近くに移動させて周囲を確認するが、アイアンアントの姿はない。


「いたたた……」


 声が聞こえたので正人が振り返ると、足首をさすっている里香の姿が見えた。冷夏やヒナタも無傷ではなく、かすり傷や打撲がある。穴に落ちたダメージとしては軽傷とはいえるが、治療はした方が良いだろう。


「あれ、壊れたのかな?」


 状況を確認していた正人の目に、ヒナタがビデオカメラを叩いている姿が入った。


「見せて」


 嫌な予感がしてビデオカメラを受け取った正人は状態を確認する。

 傷はなく、新品同様だ。レンズも割れていないので落下の衝撃で破損した可能性は低いと思われた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
宣伝
【コミック】
202509181433590701CDFC668754E80A2D376104CE3C1FD6C-lg.webp
漫画BANGさんで連載スタートしています!
1話目はこのリンク。

【原作】
jmfa8c6ql2lp6ezuhp5g38qn2vsy_m4q_18g_1z4_1o5xu.jpg
AmazonKindleにて電子書籍版1~7巻が好評販売中です!
経験をスキルに~シリーズ販売サイトはこちら

矛盾点の修正やエピソードの追加、特典SSなどあるので、読んでいただけると大変励みになります!
※KindleUnlimitedユーザーなら無料で読めます!
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ