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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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ユーリがモンスターを地上に開放した犯人だと思っているので?

「上長からの許可が下りたので、ユーリさんの情報は定期的にお渡しできるようになりました。また発見した際は、優先的に捕獲の協力依頼をしたいと思っていますが、よろしいですか?」


 情報を渡すんだからユーリを捕まえるのに協力しろ。

 これが探索協会側から提案内容である。


「はい。問題ありません。必ず捕まえてみせます」


 ユーリの凶行を止めたいと思っている正人にとって、探索協会からのサポートはありがたい。里香たちも同じ気持ちであるため、異論は上がらなかった。


「なぜ、そこまでユーリさんにこだわるんですか?」


 何度か仕事をした関係でしかないのに、こだわりすぎる。疑問に思った谷口は、裏があるんじゃないかと探りを入れた。


「彼が自由に動ける以上、モンスターの被害は出続けるからです」


 これがユーリを止めたい本音だ。彼を救いたいという気持ちなどなく、あくまで家族が安心して住める環境にするため。それが正人の偽りのない気持ちであり、そのためであれば自分が傷ついて死んだとしても良しと考えている。


 使い捨てにされてきた探索者のために行動を起こしたユーリとは、根本的に考え方が違うのだ。


「なるほど。正人さんは、ユーリがモンスターを地上に開放した犯人だと思っているので?」

「可能性は高いと思っています。役員の方が根拠もなく疑うはずがありませんから」

「だから元凶を作り出したと思われるユーリさんにこだわっていたと。納得しました」


 一定の説得力があった。裏でユーリとつながっている線は薄いと、谷口は結論を出す。とはいえ完全に信じたわけではないので、探索協会から派遣された人間に監視はされるだろう。


「それでは、依頼についてご説明します」


 ユーリの話が終わったので、谷口はようやく本来の依頼を説明することにした。


「つい先日、世田谷区のとある豪邸の庭に大穴が空きました。下に降りたところ巨大な空洞があるところまでは確認出来ています」

「それ知ってる! ニュースでやってた!」

「真面目な話をしているんだから静かにしなさいって!」


 谷口の話に、いち早く反応したヒナタが手を上げながら自慢すると、冷夏が注意をした。


 話を中断させられて機嫌が悪くなってしまったのではないかと、不安を抱きながら冷夏は谷口の顔を見る。笑っている姿があった。


「ニュースで見たんですよね?」

「うん! お姉ちゃんや里香ちゃんと一緒にね!」


 年齢はそれほど離れていないのだが、孫と娘のようだと思えるほど穏やかな空気が流れていた。


「正人さんは?」

「知っています。たしか、ダンジョンが発生したのではないかと噂が流れているとか?」

「ええ、その通りですが、調査を進めるとダンジョンではないことがわかりました」


 探索協会は穴を発見した当初から、ダンジョンが発生したという前提で調査を進めていた。


 入り口付近に魔力濃度の計測する機械を設置して確認していたのだが、ダンジョンとは異なる数値結果が返ってきたことにより、ダンジョンではないと判断している。


「普通の地下洞窟を発見しただけなら、私に依頼しないですよね」

「もちろんです」

「では、何があったんですか?」

「わかりません」


 谷口は首を横に振った。


 富裕層が住むエリアの調査に、低レベルの探索者を派遣したとは考えられない。相応の経験を積んだメンバーが派遣され、そして成果が出ていないことに、正人たちは危機感を覚えた。


「調査に向かわせた探索者が戻ってこなかったんです。レベル二のメンバーを揃えたのに。同じレベルの探索者を何度投入しても同じ結果になると思われますから、レベル三にもなってアラクネの討伐実績のある正人さんに調査をお願いしたいのです」


 まさかそこまで状況が悪いとは思わなかった。

 先ほどから説明を続ける谷口の言葉が信じられない。


「情報は全くないんですか?」

「定期的に小規模な振動が発生するぐらいしかありません」

「本当に、何もないんですね」


 ようやく正人も情報が全くない状況を理解した。


 力が抜けて背もたれに寄りかかる。


「アラクネが討伐されて協会への信頼が回復している今、迅速に解決したいと思っています」


 言い分はわかる。安全に暮らせる社会のためと思えばやる気も出てくる。


 探索者であれば仕事なんて危険なのが当たり前だ。正人は依頼を受けても良いと思っているが、パーティーメンバーにも確認を取ることにした。


「皆はどう思う?」

「ワタシは大丈夫です。正人さんの判断に従います」

「里香さんと同じ意見です」

「ヒナタもー!」


 里香、冷夏、ヒナタの三人は迷う素振りすら見せなかった。


 四人であればどんな困難でも乗り越えられる。最悪逃げるぐらいは可能だという自信があるのだ。


 そんな仲間を頼もしいと感じながら、正人は依頼内容を少し変えられないか交渉をする。


「依頼を受ける方向で考えたいのですが、依頼完了の条件を発生原因の特定ではなく、探索者が行方不明になった原因を特定するに変更してもらえませんか?」


 突如、世田谷区に発生した穴。規模や原因はわからず、探索者を飲み込む恐ろしい場所だ。なぜ発生したのか調査をしようとすれば、長時間拘束されることは容易に想像がつく。その間、ダンジョン探索も出来ず、ユーリの居場所が判明しても身動きはとれない。


 であれば、調査の第一弾として探索者が未帰還になった原因の調査に変えた方が、拘束時間は短くなるだろう。また穴を隅々まで調査しなくても済むので、リスクも低いと考えたのだ。


「……慎重な正人さんらしい依頼ですね。これについては許可できますが、次は原因の排除をお願いするかもしれません。その時はまた相談に乗ってください」


 調査が進めば探索協会としては問題ない。谷口は正人の提案を飲み込むことにした。


「私たちの手に負えると思ったなら受けます」

「ありがとうございます。それでは依頼受理の手続きをしましょう」


 お互いに良い落とし所を見つけた。報酬の確認をした後、正人は提示された依頼書を弁護士に送り確認をしてもらう。


 今後も正人を使い倒したいと考えている探索協会が罠をしかけているはずもなく、数日後には何事もなく手続きは完了して正式に契約したのだった。

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