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経験をスキルにする万能な能力を手に入れて、最強の探索者になりました〜JKと一緒にダンジョン探索で成り上がる〜【コミカライズ】  作者: わんた


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よくも正人さんをッッ!!!!

 当初の予定では召喚を使われた場合、誰か一人がアイアンアントクイーンを抑えるはずだった。しかし現実は思い通りにいかない。召喚されたアイアンアントは二十匹ほどであり、正人たちは処理に追われている。


 アイアンアントクイーンを足止めするどころか、逃げ出すこともできない。

 自由に動けるアイアンアントクイーンは、傷をつけた冷夏の近くに移動すると腹部を向ける。

 正人は何をするのか、一瞬で理解した。


「毒霧がくるッ!!」


 アイアンアントクイーンは酸性の毒霧を放つ。距離が二十メートル以上離れていれば肌が溶ける程度で済むが、至近距離になると鉄や骨まで溶かすほどの強力な酸性がある。


 冷夏は戦いながらも自分が狙われていると気づくが、できたのはそこまでだ。逃げようとしてもアイアンアントに囲まれて動けない。


 回避は不可能。この距離で直撃すれば骨すら残らないだろう。


 アイアンアントクイーンの腹部がピクピクと痙攣している。毒霧が放たれる兆候だ。時間はない。


 ――怪力。


 とっさに冷夏はスキルを使ってから薙刀を下から上に振り上げた。目の前にいるアイアンアントの胸部に当たると、アイアンアントクイーンと冷夏の間に吹き飛ぶ。


 ――毒霧。


 紫色の霧が勢いよく放たれた。吹き飛ばされたアイアンアントに直撃すると外殻を溶かして貫通。盾にすらならなかった。


 薙刀を振り上げた状態のまま硬直している冷夏では回避できない。威力は落ちているが、殺傷性は高いままだ。


 ――短距離瞬間移動。


 スキルを使った正人は冷夏に覆い被さる。直後、毒霧が正人の背中を焼いた。身につけていたダンジョン鉄製の鎧は溶けて皮膚を焼く。アイアンアントクイーンは再び毒霧のスキルを使用すると、正人の肉、そして骨までも溶かしていく。


「正人さんッ!!」


 耳元で名前を呼ばれたが、正人の脳にまでは届かなかった。今までに経験したことがないほどの苦痛を感じている。思考は痛みによって奪われ、なにもできない。このままだと死ぬ。そう正人が感じた瞬間に、脳内にメッセージが流れた。


『苦痛耐性:痛みに強くなる。常時発動』


 ようやく僅かだが痛みから解放された正人は、冷夏を守れていることに安堵しながらスキルを使う。


 ――自己回復。


 溶けてしまった骨が再生され、肉も復活するが、毒霧が続いているためまた溶けだしていた。魔力を使いながらスキルの効果を維持して対抗する。一分にも満たない時間だったが、正人の魔力は底をついてしまいそうなほど消費してしまった。


「ハァ、ハァ、ハァ」


 自己回復スキルを使用し続けた影響で魔力は尽きかけ、正人は息切れして動けない。


 毒霧を放ち終わったアイアンアントクイーンが、大顎を開いて正人に噛みつこうとする。同時に残っていた二匹のアイアンアントも襲いかかってきた。


 先ほどとは立場が変わって、正人を守るように冷夏が立ち上がって薙刀を構える。近くにいたアイアンアントの攻撃を防ぐと、


 ――怪力。


 スキルを使って蹴りを放ち、もう一匹のアイアンアントにぶつける。二匹は絡まり合いながら転がっていった。


 入れ替わるようにアイアンアントクイーンが急接近する。冷夏は体勢を立て直す最中で、攻撃には移れない。大顎が体を両断しようと迫り来る。


「よくも正人さんをッッ!!!!」


 里香は目の前のアイアンアントを無視して走り出していた。背中を見せた里香にアイアンアントの前足が突き刺さるが、自己回復のスキルを使って治す。


 足は止めずに、跳躍してアイアンアントクイーンの上に乗ると、冷夏が傷つけた腹部に刀身を滑り込ませる。


「だぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 レベル二になってからも魔力で強化され続けた体を全力で動かし、傷口を広げていく。


 バランスを崩したアイアンアントクイーンは大顎の攻撃を外してしまい、体勢を立て直した冷夏が薙刀を振り下ろして頭部に当てる。怪力スキルとレベル二の力があわさり、アイアンアントクイーンの頭部を縦に割ると同時に、里香の剣が腹部を横に両断した。


「!!!!」


 痛みなど感じないはずのアイアンアントクイーンが、緑の体液をまき散らしながらのたうち回る。背に乗っていた里香は振り落とされてしまったが、持ち前の身体能力を発揮して足から着地。ケガはない。冷夏は動けない正人を脇に抱えて離れた。


「大丈夫!?」


 取り巻きのアイアンアントを倒し終わったヒナタが冷夏に近づいた。


 たった一人で数十匹のアイアンアントを引きつけ、戦い抜いたヒナタは全身がボロボロだ。致命傷こそ負っていないが、防具はかみちぎられていて、腕は半分千切れかけている。頭からも血が流れ出ていて、手当てをしなければ失血死するだろう。


「ヒナタこそ、そんなに傷ついて!!」


 悲鳴に近い声を上げた冷夏のおかげで、正人もヒナタの状態に気づいた。魔力はつきかけているが、回復を待てる状況ではない。


「冷夏さん。ヒナタさんの近くに」

「は、はい!」


 言われたとおり冷夏は慌ててヒナタに近づいた。脇に抱えられたままの正人は、手を伸ばしてヒナタに触る。


 ――復元。


 防具や服まで復元出来るほどの魔力は残っていなかったが、逆再生するように千切れかけていた腕はつながり、全身の傷が一瞬にして治る。これで正人の魔力は完全に尽きた。もう何も出来ないがアイアンアントクイーンは完全に沈黙しているので、戦いは終わっている。これで無事に十階層をクリアしただろうと思っていたが――。


「おいおい、本当に倒しやがったぞ」


 正人たちしかいないはずのボス部屋に、聞き慣れない男性探索者の声が聞こえたのだった。


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