表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
5/15

05 帰宅

「あら、おかえり」

 帰宅すると玄関で母親が革靴を磨いていた。ブロンドの長髪に青い瞳。加えて端整な外人の顔立ちをした恐ろしいくらいの小顔。その美女がすっと立ち上がると、随分と高いところから久志を見下ろした。その美麗な立ち姿を久志がじっと観察していると、母親はきょとんとして尋ねた。

「お母さんの顔、なにかついてる?」

「いいや。あいかわらず綺麗なもんだなって」

「久志ったら。いっとくけどお小遣いなんて増やしてあげないわよ」

 流暢な日本語である。彼女はすっかりと日本の暮らしに馴染んでいる。見た目だけならまだしも、その所帯じみた様子からは、とても貴族令嬢には思えない。やはり、作り話だろうと久志はほくそ笑んだ。

「じゃあ、これから勉強するから。夕飯まで声かけないでね」

「帰ってくるなり、本当に真面目ね。たまにはテレビでも見れば良いのに」

「今年は受験だから、そんなことしてられないよ」

 そうして久志は真っ直ぐに自室へと戻った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ