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登竜門

寝落ちしました。すみません。

今現在、ギルドに登録している冒険者は約80万人。これは国1つに匹敵する数だ。


そのうちF~Cランク人口が全体の95%を占めている。Sランクはたったの10人、Aランクも200人しかいない。


冒険者には3つの登竜門があると云われている。


第1の門、Eランク→Dランク


情報の重要性を知り、いかに己の生存率を高められるかどうか


第2の門、Cランク→Bランク


常識はずれの力を所持し、それを扱うに足る倫理観を持ち合わせているか。


第3の門、Aランク→Sランク


人間やめてるかどうか。


Cランクだけに“試験待ち”なんて言葉があるのは、ギルドがそれだけ重要視しているからだ。


試験待ちには2つの意味があり、1つは前言ったように実力があり素行に問題がなくランク上昇依頼が発行されるのを待っていると言う意味。


もう一つは実力はあるが素行に問題がありギルドがランク上昇依頼を発行するのを保留しているという意味。


あくまで統計だが、自称「試験待ちBランク」は後者の場合が多い。


ギルドに厳しく調査され高難易度の試験を経てBランクになった、というのはそれだけで低ランカーの尊敬及び羨望の的なのだ。


慶明はそれに加えこの見た目(だいたい18、9歳に見られる)、周りが驚愕するのも無理はない。


「はっ、あ、すみません。更新手続きしておきますね」


新しいギルドカードが出来るまでの間、そこかしこからひそひそ声が聞こえてくる。


ちらちらとこちらを見てくるので小心者な俺としてはすぐにでもギルドを飛び出したい気分だ。


ちなみに髭面シュナイダーは取り巻き①②が引きずってギルドの外に運び出していた。


◆◆◆


「これが新しいギルドカードになります。不備があった場合、お知らせ下さい」


おぉ紛う事なきゴールド!地球じゃそもそもクレジットカードなんて作れなかったから少し憧れがあったんだよね。


カードはだいたい横9㎝×縦6㎝。表には名前・ランク。右側に隙間があるが固定パーティー登録時、そのパーティーのエンブレムを刻むんだそうだ。


また、下部も2行分空いており二つ名を刻めるそうだ。


裏には幾何学模様が描かれている。これを魔導具で読み取るらしい。


「なんかスッカスカなカードだな」


「Bランカーはすぐに二つ名がつきますからすぐに埋まりますよ」


「あんまりうれしくねぇな」


てか二つ名とか恥ずかしすぎる。


「あっそうでした。整理番号の件何ですけど」


「あ、忘れてた。説明してくれる?」


「はい、整理番号は受付の右端にあるあの魔導具にギルドカードを通すことで番号の書かれた板が出てきます。これはギルドでの混雑を解消するための措置です。空いてる時はそのまま来られても問題ないですが、出来れば整理番号札を取ってきてもらえると助かります」


「了解」


よし、ギルドカードもゲットしたし今は午前十時頃、軽めの依頼でも受けるかな。


「あ、そうだ。ねぇねぇあの二階は誰でも行っていいの?」


「え?あ、あそこはBランク以上の方のみが受注できる依頼が貼り付けてあります。行こうと思ったら誰でもいけますが、Bランク以上ではない皆さんはなぜか階段の途中まで上って降りてくるんですよ」


「へぇ」


Bランク以上ね。行ってみようじゃないか。


その階段へ足先を向けた時、


「ねぇ君、名前は?」


「わ、私ですか?シュテマと言います」


「シュテマね。覚えておく」


それだけ言って、階段へと進む。後ろで少し殺気が膨れあがったがスルーだ。


「へぇこれね?」


一段一段ゆっくりと上っていく。何段目だろうか丁度真ん中辺り。心臓を鷲掴みするような威圧感が俺に襲ってきた。

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