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甲州征伐 前編

週末投稿ためしてみます。よろしくお願いします。

 鳥取城を羽柴秀吉様が落として次なる攻略の準備をしているある日、信長公がついに甲州武田攻めに乗り出す事になった。


「秀吉様。」

「何だ佐吉?」

「甲斐に用があるので行ってまいります。」

「おう。こちらはまだ準備があって出ないから行ってきていいぞ。」


 と岡山城の御殿で先日亡くなった宇喜多直家様の未亡人、福様とじゃれながら応える秀吉様。

このエロ男爵が。秀吉様がストレート専門で俺が女でなくてよかったぜ。

(秀吉注:たとえ石田三成が女でもルックス的に興味ナッシングです。)

お寧様にちくってやる。(身に危険を感じたのでやりませんでした。)


 俺は土鬼隊を少数精鋭で編成すると馬場信春殿を引き連れて、猛スピードで行軍し、木曽谷に布陣している信忠様の所に追いついた。


「石田三成!甲州征伐に参陣お許し願いたく!」

「三成か。お前また誰かさらおうと企んでいるんだろ。」

「そんな人を人さらいみたいに。」


 信忠様が疑う目でじとっと見てくる。


「従軍させていただく代わりに信忠様にはこれを差し上げたくっ!」

「管打銃も大筒もお主の隊がいなくとも十分あるぞ、のう長可。」

「俺的には三成どのがいてくれた方が心強いけどなぁ。」

「いえ、管打銃ではありません。これを!」


 と言って見慣れない銃を信忠様に差し出す。


「こ、これは?」

「水平二連散弾銃にございます。」


 さすがにポンプアクションショットガンは造れなかったのだが、薬莢制作の中途で

「あれ?ショットガンのが構造簡単でできね?」

という訳で出来上がったのだ。装填の手間でスキができると行けないので弾薬と一緒に数丁差し上げる。

「遠方を狙うのには向きませんが乱戦で絶大な効果を発揮いたします。あのぶどう弾のように。」

「おお、大筒のぶどう弾のように、か。楽しみだな。」


 と信忠様が受け取る。


「さらに。」


 と続ける。


「こちらをお使いください。うちのバック・ジョー・ダンが着けている仮面をご覧になって興味をお持ちのようでしたので。炎天下でも眩しくありません。」


 と言ってサングラスを差し出した。


 信忠様はサングラスを付け、ショットガンを構えると


「うむ、あのバック・ダンのようにか。気に入った。従軍を許す。

各方、三成は『敵将生け捕り御免』を父から得ておる。ゆめ下知には逆らうな。」


 はっ!と諸将が応え進軍が始まった。信忠様バック・ダンではヤバいってば。


 木曽義昌の裏切りに対して鳥居峠に進軍した武田信豊率いる武田勢は信忠軍団の濃厚な射撃の洗礼にさらされた。長篠の恐怖が蘇った将兵は我先に逃げ出し、織田軍団は容易に信濃に侵入した。


 そして信濃でも抵抗らしい抵抗をして立てこもっているのは高遠城の武田信玄の五男、仁科盛信だけであった。


 高遠城を包囲した織田信忠様は、もうお馴染みになってきたメガホンでの降伏勧告を始めた。


「たかとぉーじょーのみなさーん。お前らは完全にぃほーいされているー。あきらめて出てきなさーい。」


 しかしいつもと違ってグラサンをかけ、ショットガンを抱えての降伏勧告はなんかすごみがある。


 それを横目に見ながら俺は城の裏手に密かに回った。


 地道に降伏勧告を行っていた織田信忠だったが、城からの反応は芳しくなかった。


「おし、決めた。カチコミじゃあ!」


 と叫ぶとショットガンを大手門に打ち込む。それを合図に発射された大砲の砲弾で大手門が破られた!


「ゴルゥァ!お前ら、覚悟しやがれ!」


 叫びながら大手門の中に突入する信忠様。次々とショットガンを放って敵兵を撃ち殺していく。(装填はお付きの方ね。)


「今だ長可!殲滅作戦伊号!」

「はっ!ヒャッハー!!お前ら手筈通り行くぜぇぇえ!」


 と叫ぶと森長可配下の兵は屋根の上に駆け上り、屋根の上から射撃する。一方的に的になった武田兵が建物に逃げ込むと、今度は屋根をはがして屋内の人間を次々と射殺した。


 こうして高遠城は半日足らずで落城し、信忠と長可は本丸御殿まで進んだけれど、仁科盛信の姿はなかった。


 その夜、信忠様の祝勝会に出た俺を信忠様が不審な目で見る。


「三成よ、その馬場信春の隣りにいる若者は何者じゃ?」

「ああ、これはゴローちゃん、というものです。伊那で道案内に雇った地元のものでして、伊那の垣根の所で雇いましたからイナガキゴローちゃんになりますでしょうか?」

「どこの五郎だ?」

「仁科盛信でしたら信玄の再来、と言われた偉丈夫で堂々たる髭が名物でしたから。

こんな髭なしの貧相な男とは無関係ですよ。アハハハ。」

「そうか無関係か。アハハハ。」


 というわけで俺の配下にゴローちゃんが加わった。

「武田の最後に尽くす!」


と自害しようとしていたのを馬場様が説得したのだ。武田五郎盛信様が生き残っていれば武田は必ず再興できる、と。流石にそのままの見栄えではあまりにも信玄公に似すぎていて迫力があるので、本人に泣きついて自慢の髭は剃り落としてもらったのだ。

ちなみに武田信玄公、有名なのはデップリとして髭も立派な肖像だけど、その絵のモデルの正体は能登の大名畠山義総で、本物は肺病もあって結構痩せ型なのだ。中井貴一の大河が結構リアルに近かった感じ。なのでゴローちゃんも髭を剃り落としたら『あの恐ろしい信玄入道の再来』イメージはなんだか消え失せてしまった、というわけだ。


こうしてゴローちゃんを仲間に加えて土鬼隊は突き進む。まだ任務は終わっていないのだよ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 確か水平二連散弾銃というと、戦国BASARAで若本信長が使ってましたよね? まあノリが西部警察の大門団長ですけどw そういえばいつのだったか大河ドラマで大門団長の渡さん、 信長公を演じてませ…
[一言] 鬼武蔵は何処の世界軸にいっても鬼武蔵なんだなぁ これで茶の湯等の教養もあるというのが… 諏訪四郎君の武田家崩壊タイムアタックはっじまるよー
[一言] いつの間にか西武警察みたくなってる…?
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