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竹中半兵衛II

 私は竹中半兵衛重治です。最近は羽柴秀吉様の近習、石田三成くんの相手をする日々です。

三成くんは銃兵隊を編成して訓練に勤しむ日々ですが、それだけではなく、当然内政についても学んでもらわなければいけません。特に私は輜重の運用については彼は才能があると思うので、よく勉強してもらわなければ行けないのです。他にも検知とか年貢の徴収とか、商人との取引とか、仕事はいくらでもあるのです。


「また計算間違えたのですか、三成くん、君の右腕は存在が無意味なようですね。切り落として取り替えましょうか。」

「こんなうねうねした筆で漢数字書いて計算なんてやってられません!ノーパソ持ってきてエクセルでやらせて!せめてHPの関数電卓。カシオの電卓でもいいから!」


…なんかまた三成くんは訳のわからないことを言い出しました。

市松が声をかけます。市松くんは本当に賢くて計算も正確にバリバリこなします。


「三成さん、三成さんが持ち込んだ算盤を使えばいいじゃないですか。」


といって算盤そろばんを取り出します。この算盤、三成くんが持ち込んだのですが、市松くんや虎之助くんのほうがうまく使っているようです。秀吉様の弟君の秀長様も上手に使いますし、前田利家様など算盤の神とか囁かれる様子で使いこなしています。


「ええい、俺は算盤はやり方は知っているけど苦手なのだ。便利なのはすごくよく知っているけど俺の時代はもう電卓かパソコンだったのだ。もう、やってられん。うがーー。」


などと言い出して飛び出していく三成くん。これは職務放棄で後で折檻ですね。


しばらくしたら今までよりはザラザラした紙と、炭を固く焼いたものを紙でぐるぐる巻いたものを持って戻ってきました。すると、なんか横向きに面妖な数字のようなものを書き始めました。


「三成くん、それは?」

「紙と鉛筆の変わりです!数字は西方オスマン帝国あたりのイスラームの商人が(たぶん)使っているアラビア文字です!俺はこっちじゃないと計算頭回りません。」


あなたはイスラームの商人なのでしょうか?いつ海を超えて帰ってきたのでしょう。

数字は面妖で演算記号も(筆算とか言うそうです。)並びも変な向きですが、三成くんは前よりはずっと速く計算をしてくれるようになりました。できるなら最初からやってください。


他にも判断が甘すぎるので、


「君の頭は不要なようだね。」


とか、胆力を鍛えるために完全武装の山賊がこもる穴に三成くんを(武装は持たせてあげましたが)放り込んだりしていたら、いつも三成くんは


「このボンドルド卿がぁ!」


とか叫んでいました。

それを聞いた虎之助くんや市松くんも

「また三成さんがボンドルドされているぜ。」

とか言っています。それを聞いた三成くんは


「なんかボンドルド卿に悪い気がしてきたのでボンドルドとか言うのは止めます。」


と言って、その後は使わなくなっていたのですが、時すでに遅かったようで、ボンドルドする、というのは師が厳しく叱ること、という意味で定着してしまいました。


「また信長様が明智光秀を『この金柑頭がぁ!』とか言ってボンドルドしてたぜ。」


などと使われてしまっているのでした。



…余談だがボンドルドする、が転訛して後の世では、厳しく叱ることをぼんどる、と言うようになった。例えば

「今日宿題を忘れて先生にぼんどられちゃったぜ。」

「マジか。お前いつもぼんどられているな。」

というように。

閑話休題。




こうして過ごしている内に堀久太郎が一つの知らせを持ち込んだ。

武田勝頼、三河に侵入。

長篠城を攻撃中。

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― 新着の感想 ―
[一言] ええい、俺は算盤はやり方は知っているけど苦手なのだ。便利なのはすごくよく知っているけど俺の時代はもう電卓かパソコンだったのだ。もう、やってられん。うがーー ↑ 確かにw 算盤なんてアラフィフ…
[一言] 私が中学の時、理科の先生が流行らせた言葉が「でっちい」でした。凄いという意味です。後年ですが弟に聞いてみたら弟も知っていました。 市立中学ですので赴任される先々で流行らせていたかもしれません…
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