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会津に向かってレッツゴー

…家康殿が口を開いた。


「貴殿、これをどう思う?」

「…一応友人のつもりでしたが…これは流石に戦争ですね。」

「じゃろ?貴殿でもそう思うじゃろ?」


家康公はデップリと体格が良く、白い着物をビシッと着て、そして眼鏡を掛けている。我が国で眼鏡を使用した最初期の一人なのだ。この体格、この見栄え、もしかするとあれを言い出すかもと思ったら本当に言った。


「よろしい、ならば戦争だ。」


 七将襲撃は内容が変わったのでちょっと期待していたのだけど、結局会津征伐は発生してしまった。ここから止めるのはいくらなんでも無理そうなので、俺は書状を送りまくった。

 小早川秀秋殿には九州の鎮撫に勤めてなにかあっても畿内には来ず、黒田如水殿や加藤清正殿と行動を共にすることを勧めた。


「亜父様のいう通りにいたします。」


と丁寧な書状が届いた。…亜父様って誰よ?


 大谷吉継殿が急いで来たというので会った。


「三成、急な用事とはどうしたのだ?」

「俺と一緒に会津に行ってくれ。」

「そんな急に言われても…準備もあるし後からゆるりと向かうつもりだったのだ。

貴殿会津に行くつもりなのか?大坂にいなくてよいのか?」


「後からでは駄目なのだ!!」


俺は叫んでしまい、大谷殿は目をむく。


「急いで内府殿と行動を共にすることが大事なのだ。それに大坂や佐和山にいないことが大事なのだ…。」

「しかしなんと言って内府殿に同行するつもりなのだ?」


と大谷殿が聞いてくる。


「俺は以前から直江兼続と仲が良くてな、今回やらかしてしまったとは言っても直接説得してみようと思うのだ。それに大谷殿と家康殿は元々仲が良い、どうか俺の同行を口添えしてもらえないかと思って。この際兵備が十分でなくてもよい。とにかく急ぐのだ。」


 ならば分かった、と答え、大谷吉継殿は急ぎ出立の準備をされた。


 俺は次に長束正家の所に行った。


「この裏切り者めが、何をのこのこ出てきた。」

「いやどうしても聞いていただきたい儀が。今のまま増田長盛殿に従っていても、増田殿の下風に立つだけになる。」

「ではどうしろというのだ?」

「ここは形だけでいいので会津征伐に参加を。いえ、貴殿が会津征伐に反対しているのは承知しています。」

「それはそうであろう。罪もない上杉を討つというのだから。」


あの直江状読んだら罪がない、とは言えないんだけどな、と苦笑いしつつ、


「私は会津に同道して直江殿と交渉して話を穏便にまとめるつもりなのです。

どうか武力行使に否定的な貴殿も参加してもらえれば心強い。

また奥様は中途親族の本多忠勝様のところで久しぶりに家族の交流をしていただくというのはいかがでしょう。

ここで交渉して上杉が戦うことなくことが収まれば、長束様の功績こそが第一になりましょう。」


うーん。戦いを避けられるのか…と言いつつ功績、の言葉に釣られているようだ。


「よし、私も手勢を率いて内府様と共に会津に向かおう。」

よかった。もし関が原が起きてしまったら夫婦ともども無残に殺されるのはちょっとかわいそうだったからな。


 徳川家康殿も長束正家殿と一緒に直接説得を試みたい、という俺の案に賛成していただき、俺は無事会津に同行することができたのだった。


 こうして石田三成が畿内にいなければ、関ヶ原の戦いも起こせないだろうよ、Zガンダム映画版のネオジオンみたいに緩やかにいつの間にか衰退していた、でズルズル家康様の天下にまとまっていけばいいじゃん、と取らぬ狸の皮算用を行いつつ、直江兼続にはどう声をかけようか、と思案していたら下野小山でその伝令が来た。


「宇喜多秀家様、毛利輝元様が挙兵!伏見城が落ちました!!」


 えー。長束正家殿が甲賀モノ送らなければ伏見城って落ちないんじゃなかったの?やっぱり関が原なの。やっぱ石田三成って話の落とし所で主犯押し付けられただけで首謀者って毛利か宇喜多か増田でいいの?


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