エピローグ
俺、石田三成は黄金海岸で死んだ。死んだ後いつもの「ぶーん。」が始まるかと思いきや・・・始まらない。今回の歴史はその後が面白そうなのに。なぜだ。
「なぜだ!」
と叫んで俺は飛び起きた。あれ?「ぶーん」はなかったけど生きているらしい。
外は涼やかな風。その向こうには青い海。
「お父さん、なんかうなされていたみたいよ。」
と駒姫そっくりの娘がいう。
「俺は…どうしたんだっけ?」
「まったくお父さん、その歳でボケちゃうなんて勘弁してよ!」
「おねーちゃんきついー。」
と督姫様のような娘に先程の妹が声をかける。その時、俺に『存在しないはずの記憶』が流れ込んできた。そう、俺は『黄金海岸総督府記念博物館』の館長。歳はちょうど最初に関ヶ原に行った時と同じだった。妻のうたと二人の娘に恵まれて、石田家に代々引き継がれた名誉職のこの仕事をしてのんびりと暮らしている…
「これは細やかな贈り物じゃよ。」
どこかで殿下の声が聞こえたような気がした。
「よし、じゃあ海に出かけるか!」
家族を誘って俺は海辺に歩き出した。港には古の記念艦、扶桑が浮かんでいる…
これにて私の石田三成の物語は完結です!私の初めての作品にみなさま長らくお付き合いいただき本当にありがとうございました!




