95話:閻魔の眼
本日2話目!
突如自らの考えを言い出したサーシャ。愁は特に驚く事もなくサーシャの話を聞いていた。
「ふーん。で、俺に結局のところどうして欲しいの?」
「知恵を貸してほしいのです」
「なんで俺の知恵を借りようと思ったの?武力ならなんとなくわかるんだけど・・・」
「前回私はシュウ様に対して非常に世間知らずな対応を行いました。そしてそれから何度か交換した文で気付かされました。最初から力に頼ることは良くないと思いました。まずは応じるかどうかはわからないですが話し合いでどうにかしたいのです。最初から力を使て解決しようとするのは父様やニック殿と同じだと思いました。それ故にまずは話し合いを行おうと思い、その際に御知恵をお借りしたいのです」
「まぁ前回よりかはマシな対応になったね。今回も力を貸してと言うのであればハクの知り合いであっても今後一切かかわるつもりなかったしな・・・知恵ぐらいなら普通に貸すよ」
「ありがとうございます!でしたら依頼が終わった際に御時間頂けますか?」
「了解。んじゃ明日の依頼が終わってからまた話そうね」
愁はそう言って部屋を出て行った。
―――…――…―――
サーシャやニックとの会談が終わった愁は宿屋へと行き明日に備えて休むことにした。此方の宿屋はパーマナリアに比べると幾分か部屋が手狭に感じるが値段に関してはリーズナブルと言える。そして御飯も全体的にパーマナリアの宿屋よりもおいしいと感じた。ちなみに晩御飯のメニューは魚の香草焼き、パン、野菜スープであった。
晩御飯を終えて部屋に戻る。そして案の定ハクと愁は休日から一切会話をしていない。そして宿屋の部屋も別々である。具体的に言うと4人部屋と1人部屋で分けた。
―――…――…―――
サーシャとニックとの会談を終えた次の日の朝、愁達は北門に集合した。そしてそこへ時間通りにやって来たニック。それから愁達は宿屋の御金の精算を行い北門を出て森に向かった。
この森はサスティアスの樹海と言う名前で主にブラックウルフ系の魔物の他に、ゴブリン、オーク、オーガなどが生息している。そして中央部に行けばいくほど上位種や最上位種、希少種が確認されている。そしてこの樹海の近くに聖域も確認されている。
愁はまず飛翔を使いコウモリの翼を作りだし空へと飛ぶ。そして上空からサスティアスの樹海を見渡せる場所を探しだし樹海自体に『閻魔の眼』の完全解析を用いる。
ちなみに閻魔の眼は邪幻真眼の上位相互のスキルである。邪幻真眼に『算術』のスキルと『見切り』のスキルをさらに合成した結果が閻魔の眼である。以前の邪幻真眼の『霧』、『黒炎』、『幻術』、『恐慌』、『完全解析』に加えて『シミュレーション』の能力が加わった。
シミュレーション。愁が持つ『スキルフュージョン』の効果をさらに生かすための能力である。スキルの効果自体はあらゆる物事を頭の中でシミュレートできる能力である。何故このスキルがスキルフュージョンと相性がいいのか、それはスキルフュージョンで新しく出来るスキルを使用する前からある程度効果を知ることが出来るという点である。つまりスキルフュージョンで作り上げるスキルがどの程度の効果を発揮するのかをスキルを作り上げる前からある程度知ることが出来るという愁からすると危険な実験をする必要がなくなり、尚且つ目的に近いスキルを作り上げるのに参考になるという事である。
何故こんなスキルを作ったのかと言うと今回必要としているスキルに限りなく近いスキルを作成するためのヒントとするためである。ちなみにこの閻魔の眼が休日に作ったスキルの1つである。ちなみに休日では全部で2つのスキルを作成している。詳しいスキルの内容に関しては後の機会で解説しようと思う。
さて話が少しそれたが愁が閻魔の眼の完全解析を用いて森全体のブラックウルフ、ブラックホーンウルフ、テンペストホーンウルフ、ディザスターホーンウルフに関して鑑定する。すると確かに森のサスティアスの都市に近い場所にブラックホーンウルフが1体とブラックウルフが14体の計15体の群れが存在する。愁はその場所をしっかりと確認して飛翔のスキルを使い地面に降り立つ。
「この比較的近い場所にブラックホーンウルフ1体とブラックウルフ14体の群れがいた。今回の討伐の依頼は多分この群れだと思う」
「「「「畏まりました」」」」
愁の結果に対してハクを除く4人が答えた。相変わらずハクは黙ったままである。それから愁達のブラックウルフとブラックホーンウルフの討伐が始まった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は明日に投稿する予定です。
閻魔の眼に関してですが・・・邪幻真眼が某中二病恋愛アニメに出てくる邪眼の名前に似ているという指摘を以前受けていて気になったので思い切って上位相互変換しました!
閻魔の眼に関しては個人的に邪幻真眼の次に気に入ってたやつなので採用させて頂きました!竜巳さん、アイディアありがとうございます!
ちなみにもう一つのスキルに関しては近い内に出ては来ます。多分後2か3話ぐらいで出てくる予定です。




