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94話:依頼とサーシャ

昨日(14日)は急な用事が出来て投稿できず申し訳ないですorz

 ニック宰相に案内された部屋の中で愁達とニックとの依頼に関する相談が開始された。


「それではまず依頼の経緯に関してですが、この街の北門から出て右側にある森の中でブラックウルフらしき魔物が暴れまわっています。我が国の冒険者も探索に向かったのですが帰ってこず、そのせいか他の冒険者も怖がってその森に近づこうとしません。そのため困っていたところを以前ゴブリンキングの秘薬の件で名前を耳に入れたシュウ殿に依頼を頼もうと陛下と相談して指名依頼を出させて頂きました。依頼内容はブラックウルフらしき魔物の討伐が依頼です。報酬としては小金貨5枚の500万Lを考えています。なお依頼が完了しましたら今回お越しいただいた際に掛かったであろう費用の埋め合わせとして小金貨2枚、200万Lを支給、計700万Lの報酬を考えていますがいかがですか?」


 ニックから聞いた内容をシュウは考えた。まず報酬に関してではあるがブラックウルフらしき魔物がブラックホーンウルフだと仮定すると正直に言っておいしい話である。しかしブラックホーンウルフのさらに上位種、テンペストホーンウルフだとするとはっきり言って報酬不足である。さらに希少種とも言えるディザスターホーンウルフだとするとふざけるな!と言えるほどの割の合わなさである。気になった愁はそこを尋ねる事にした。


「ニック殿、1つ良いですか?そのブラックウルフらしき魔物が最上位種のテンペストホーンウルフ、もしくは希少種のディザスターホーンウルフだった場合はどうなるのですか?」


「そのようなケースの場合は考えていなかったので陛下との相談になりますが、テンペストホーンウルフだとしてもディザスターホーンウルフにしても中金貨5枚の5000万Lを考えています」


 ニックの掲示した額は一般的に考えるとちょうどいいと言ったところである。指名依頼を受けてまで来たのだからもう少し欲しい所ではあるが、愁は特にお金に関してこだわりを持っていなかったのでその条件で受ける事にした。


「依頼を受ける事にします」


「依頼を受けて頂きありがとうございます。本日は遠路はるばるお越しになっているでしょうからどうぞごゆっくりとお休みください。尚明日の朝に宿の代金の方は精算させて頂きます」


「わかりました。それでは失礼します」


 そう言って愁はハク、ルナ、フィア、華奈、ディアを連れて部屋を後にした。愁達がいなくなった部屋でニックは静かに舌打ちをした。


(チッ、冒険者風情が・・・明日が楽しみだな・・・)


 舌打ちをした後のニックの顔には悪だくみを考えています!と言っているような悪い笑みを浮かべていた。


―――…――…―――


部屋を出たところに待っていたのは以前ゴブリンキングの秘薬の際に見かけたメイド、つまりはニーナであった。


「お久しぶりです。サーシャ様がお待ちしております。案内をするのでついて来てください」


 ニーナに言われたとおりについて行くと一つの部屋の前へと案内された。そして部屋に入るとそこには1人の見た事のある女性がいた。彼女こそサスティアス国の王女のサーシャである。


 ちなみにサーシャとニーナに関する容姿だが、ニーナは金髪を三つ編みにしており、メガネが似合いそうな顔をしている。少し大きめのたれ目、薄く桜色に染まった頬、少し小さめの唇。現代的に言うのであればドジっ子委員長っぽい雰囲気を纏ったメイドである。実際仕事に関しては容姿に反してきっちりと熟す仕事のできるメイドである。その反面サーシャは赤い髪のセミロングで活発そうな雰囲気を醸し出している。キリッと言う擬音が似合う切れ目、スッとした鼻、桃色の唇、現代的に言うのであればスポーツ好きな女の子である。


 少し話がそれたが愁達はニーナとサーシャと対面をした。


「初めましてシュウ様、以前の秘薬の件では失礼いたしました。この国の王女をしているサーシャと申します。以後お見知りおき願いします」


「冒険者をしている愁です。早速ですがお話とはなんでしょうか?」


「そうですね・・・単刀直入に申します。シュウ様、貴方の命は狙われております」


「あ、それなら大丈夫です!多分なんとかなりますよ」


 自己紹介を終えてサーシャが重々しい雰囲気の中口に出した愁の命が狙われている発言に対して驚くほど適当に答える愁。愁からすればこの国の騎士団総出であろうがこの国自体を敵に回そうが問題なく相手側を全滅できるだけの能力を持っているのだ。今さらながら怯える必要もなく、いつも通りにしていても全く問題ない程である。


「シュウ様、もう少し危機感をお持ちください!この国の騎士団2000名とあまり詳しくは知りませんがパーマナリアの貴族の御方のお抱えの騎士団1000名程度、それにその貴族が集めた兵士500名程度の計3500名が相手ですよ!?それなのになんとかなるとはどういう事ですか!?」


 愁の態度に対して顔が赤くなるほど怒り交じりに説教をするサーシャ。彼女は知らなかった。愁のステータスと愁の持つスキル。逆に多くの人が本当の愁のステータスと愁の持つスキルを知れば手出しするというバカな行為は何があってもしないと言い切れるほどに愁個人が持つ力はとんでもないのだ。


「んまぁ、なんとかしますよ。それに何かあったとしても特にサーシャ様には弊害はないですよね?」


「いえ、私はこの国をどうにかしたいと思っています。そのためにはシュウ様の御力が必要なのです。なのでこの場で死なれるとなると此方としては大きな弊害です!」


 何の前触れもなく自らの腹の内をさらけ出したサーシャであった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は16日に投稿する予定です。

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