93話:目的地と謁見
遅くなって申し訳ないですorz
休日を終えた次の日、愁達はセレフィユから旅立つことにした。セレフィユにいる間中ハクは愁に対して話しかける事は一度もなかった。いつもは信頼し合っている愁とハク。ルナやフィア、同じ地球出身の華奈でさえ得る事のなかった絶大な信頼を愁がハクに与えていることを皆知っていた。だからこそ今の状況は異常でしかない。何があったのか?ルナやフィア、華奈、はたまた2人の事をあまり知らないディアですらそう思った。しかし聞くことは出来なかった。愁とハクの雰囲気が何も聞くなと言わんばかりの雰囲気だからである。ちなみに以下道中における会話の一部である。
し=愁 は=ハク る=ルナ ふ=フィア か=華奈 で=ディア
る・ふ・か(どうしよう・・・この雰囲気気まずすぎる・・・)
で「御主人様、質問良いですか?」
る・ふ・か(ディア、それは多分聞いちゃダメな質問だああああ)
し「ん?どうした?ディア」
で「セレフィユで貰ったお小遣いが余っているのですがどうすればいいんでしょうか?普通であれば御主人様に返却すると思うんですがルナさんやフィアさんやカナさんは御主人様に返却しようとしないので気になったのです」
る・ふ・か(あ、危なかった・・・)
し「なんだ、そんな事か。そのまま持ってていいよ。いつか必要な時が来るかもしれないでしょ?」
で「畏まりました。ありがとうございます」
か「そ、そう言えば今晩の野営の見張りはどうする?」
し「2人ペアで3チーム作るよ。俺はちょっと考え事があるから最初に見張りをするよ。あとはみんなで話し合って決めて」
か「わかった。んじゃーどうしよう?みんな希望はある?」
は「私は最後でお願いします」
る(どうしよう・・・いつになく険悪だよー・・・)
ふ(一体この2人、私たちが休日を過ごしている時に何があったの!?いつもならハクさん喜んで御主人様と一緒の時間に行くのに・・・)
か(聞きたいけど愁怒りそうだから聞けないし・・・あんな状態のハクさんに聞くわけにもいかないし・・・どうしよう)
で(みんなどうしちゃったんだろう・・・でもこんなチームワークの状態だったら作戦は成功しそうだわ・何があったのかは知らないけど好都合な方向に向かって来たわ)
結局話し合った結果、愁とフィア、ディアとルナ、華奈とハクの組み合わせになった。そして見張り中は特に何もなく夜が更けたのであった。
余談ではあるがこんな気まずい雰囲気がずっと道中では続いていた。
―――…――…―――
険悪な雰囲気のまま愁達はサスティアス国に入国した。入国から約2日で愁達は目的地と言えるサスティアス国の都市、そしてサスティアス国に着いた愁達はとりあえずギルドへと行くことにした。
受付には人族の女性、エルフ族の男女がいた。パーマナリアに比べると冒険者の数は少ないが、活気はそこそこあり、依頼の方も多すぎず少なすぎずと言った具合だ。そして受付が愁達の順番になった。ちなみに並んだのは人族の受付の所である。
「サスティアス国の宰相のニック殿の依頼を受けにきたシュウ クホウインです。どのようにすればいいでしょうか?」
「少々お待ちください。確認をしてきます」
そう言ってギルドカードを渡すと受付の人族の女性は奥の方へと向かった。約5分ぐらいすると奥に行った受付嬢が戻ってきた。
「冒険者のシュウ クホウイン様に間違いないですね。そしてニック様より此方にお越しになられたらお城の方へと顔を出して欲しいそうです。依頼の報酬と内容に関する事の相談だそうです」
「わかりました。ありがとうございます」
こうして愁達はサスティアス国の城へと向かう事になった。
―――…――…―――
城へと着いて門番に確認したところ謁見の間へと案内された。ちなみに武器はアイテムボックスやそれぞれのボックス内へと仕舞っている。そして謁見の間に入ると玉座に座る1人の威厳を感じる男とそのそばにいる男、少し離れてハクの知り合いと思われるサーシャがいた。
「そちがこの度ブラックウルフの討伐に来られたシュウ クホウインか?我はこの国の国王をしているサイモンじゃ。此度は遠くから来てもらって申し訳ない。依頼の内容や報酬に関しては宰相のニックとこの後相談して欲しい。出来る限り早く民を安心させたいので依頼の早期解決を頼む」
「出来る限り早く依頼が解決できるよう全力を尽くします」
「うむ。ニックよ、後は任せて良いか?」
「畏まりました。シュウ殿とそのパーティーメンバーの皆様、御部屋を用意したので其方にお越しください」
「シュウ殿、少し宜しいでしょうか?」
今まで口を開けなかったサーシャが問いかける。
「はい?いかがなさいましたか?」
「私も個人的な依頼があるのでニック殿の話が終わった後にお越しいただいてもよろしいですか?迎えにはメイドを遣わせますので」
「わかりました。それでは後程」
そう言って愁はニックに客室と思わしき部屋に案内された。部屋の内装は悪趣味と言う言葉がぴったりな部屋であった。無駄に豪華な調度品の数々、そして部屋に不相応なソファーとテーブル、絨毯。ここまで悪趣味と思える部屋を作るのもある意味センスが必要だなと別の意味で愁は感心した。
「それでは依頼に関しての相談を始めましょう」
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は本日の投稿が遅くなったお詫びと言っては何ですが明日に更新をする予定です。
そして感想にて愁がどのようなスキルを作り上げたのかなんとなく予想が出来ている方がいて驚きを隠せません@@;予想が当たるかどうか本編を楽しみにしていただけると書いている方としては有難いです!




