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88話:護衛依頼と旅路と暗雲

 ニックやサイモン、デュランと言った面々が着々と悪事を考えてる頃、愁達はサスティアス国に行く準備をしていた。具体的には食材、予備の武具、テント、調理器具と言った類の野営に関する道具だ。これまで愁達の遠出と言えばメリリアナまでなので愁達からすると初めての遠征とも言える任務であった。


そして出発当日の朝、街の護衛のためにギルドへと行きリムの机に並ぶととある冒険者のパーティーを紹介された。


「シュウさん、此方が私が信用のおけるパーティーの『水神の槍』の皆さんです」


 リムの隣には6人の男女がいた。内訳としては男4:女2である。聞くところによるとDランクのパーティーの中ではそこそこの実績を誇っており、ギルドの仕事に対しても積極的でギルド全体からも冒険者にしては良い印象を持たれている。


 そもそも冒険者と言うのは稼業が稼業だけにどうしても荒くれ者が多く、目の前にいる『水神の槍』や愁達の『アルケイディア』と言った様などちらかと言うと柔らかい雰囲気の冒険者と言うのはまれな存在である。


「リムさんに紹介されたパーティー水神の槍のリーダーのグルトと言います。この度は護衛の依頼とお聞きしたので受けさせてもらいました」


「パーティーアルケイディアのシュウ クホウインです。ゲヘナ草原にある街の建設予定地を俺達が帰るまでの間護衛を頼みたい。報酬に関してはまず前金として100万Lを渡して、1日毎に100万Lの報酬でどうかな?」


「それで構わない。手に入った素材に関しては此方でもらっても良いんですよね?」


「もちろんです。他に何かないですか?」


「特にないですねー」


「では護衛の方任せても良いですか?」


「はい。よろしくお願いします」


 そう言って握手をする愁とグルト。それからリムに頼み依頼書の作成、依頼の手続きを行った。それからグルトに対して前金と護衛の変更に関する文を渡した。


(これで護衛の方も大丈夫だしサスティアスの事に関して集中できるな)


 ギルドでの用事を済ませた愁は早速サスティアスに向けて歩み始めた。



―――…――…―――


 パーマナリアからサスティアスまで行くのにはおおよそであるが1ヶ月と10日ほどの日数が掛かる。それを調べて知った愁達は街でしっかりと準備をしていた。そして道中はと言うと平和の一言に尽きる。以前パーマナリアからメリリアナまで行った際に賊の襲撃に数多く遭遇したのに比べると拍子抜けするほどの平和さだ。1日に3~7回ほどモンスターと遭遇するが、その都度愁が瞬殺していた。以下道中の会話である。


愁=し ハク=は ルナ=る フィア=ふ 華奈=か ディア=で


し「それにしてもサスティアスってどんなとこなの?」


は「サスティアスは小国ですね。上層部が最悪という事をニーナやサーシャに聞いています」


ふ「ボクはそこまで詳しくないです。ごめんなさい」


る「私も聖域にずっといたから知らないです」


か「サスティアスは良い噂は確かに聞かなかったね」


で「民が素晴らしい国だと耳に挟んだことがあります」


し「ふーん・・・そう言えb」


―――モンスター遭遇&撃退―――


は「御主人様、御疲れ様です」


る「さすがシュウさん、瞬殺だったね」


ふ「ふあー、御主人様すごいー」


か「相変わらず規格外ね」


で(こんな人を本当に倒せるのでしょうか?)


で「御主人様、御疲れ様です。お体の方は大丈夫ですか?」


し「問題ないよー。準備運動にもならなかった」


で(フィリアさんの言う通りこの人は本当に規格外って言葉がしっくりくるわ。それにしてもフィリアって名前のはずなのになんでカナって呼ばれてるんだろう・・・気になるわ)


か「そう言えば愁、今晩の見張りの順番どうする?」


し「そう言えば決めてなかったな。でも結界張ると思うから見張りいらないと思う」


は「御主人様、結界を張るにしても警戒を怠ってはいけません。普通であれば2人づつでしようと思っていましたが、結界を張られるという事なので1人づつ見張りをしましょう」


し「うーん、必要ないと思うんだけどなー。それで順番はどうする?」


は「以前御主人様に教わったじゃんけんで決めますか?」


る「それ悪くないね」


ふ・で「じゃんけん?」


か「なんで教えてるのよ」


し「まぁ色々あってな」


 それから愁はじゃんけんのルールをディアとフィアに教える。2人が理解した後に6人はじゃんけんをする。6人もいるので決まるまでに非常に時間がかかったが、抜けた順番は愁、ハク、華奈、フィア、ディア、ルナの順番であった。そして野営の順番は愁、フィア、ディア、ルナ、華奈、ハクの順番になった。


 特に大きな問題も生じることなく夜が更けて次の日になった。


―――…――…―――


 旅を続けて早2週間、途中で村によって食材を補給しながら進んでいると街が見えてきた。街の名前はセレフィユ。パーマナリアの都市とサスティアス国のちょうど中間地点に当たる場所である。2週間の旅路は順調そのもので本来よりもだいぶ早くこの街に着くことが出来た。


 しかし順調だった旅路もこの街で突如終わりを告げたのであった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は4月5日に投稿予定です。

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