79話:Episode of TOMOYA and HARUKA
遅くなって申し訳ないですorz
今回の話と次回の話は愁以外の転移者の話になります。
これは1年前の愁が森の中に転移した時の同時刻における智也と晴香の話である。
「いてて・・・晴香、大丈夫か?」
「智也、大丈夫よ。それにしてもここはどこなの?」
「転移先、つまりはメルカリア公国ってところの近くにある森の中じゃない?」
「そっか、今私達地球じゃないところにいるのね・・・」
「実感がわかないな・・・」
そんな感じで話している晴香と智也。すると突如近くの茂みから『ガサゴソ』と言う音がした。突然の物音に驚く2人。そんな茂みから出て来たのは・・・昆虫の魔物であった。
「あ、あれは・・・ま、まさかやつなのか?」
「いっやああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁっぁぁぁぁぁぁっぁ!」
魔物を見た途端ビクビク恐怖を覚える智也と発狂寸前の晴香。それもそのはず、目の前にいた昆虫の魔物は、黒くてテカテカとしたすばしっこい人類の敵ともいえるやつ、コードネーム『G』。
そう、ゴキブリである。魔物自体の名前はビッグコカローチ。大きさ1mぐらいの討伐ランクEの魔物である。ちなみに上位種の名前はジャイアントコカローチ(以後智也と美香の間では『ジーツー(G2)』(GiantGokiburiの頭文字から)と呼ばれるようになった。ジーツーの討伐ランクはD。
目の前に現れたビッグコカローチを美香はファイアーボールで1撃で仕留めた。すると美香と智也の頭の中で合の音が響き渡る。
チュドオオォォォォオンンンンンン!!
突如響き渡る爆音。もちろん2人はしどろもどろしながらも辺りを見渡す。しかし何もいない。そうしてしばらくすると頭の中にある1文が浮かび上がる。
『一番最初にレベルが上がると頭の中で爆音が響くようになっているよ!次回からはピロン♪ってなるよ!最初のレベルアップの爆音はジョークみたいなものさ(笑)by神』
「・・・神って暇人なのかな?」
「きっと私達では理解の及ばないとんでもない存在なのよ。きっと・・・」
しみじみと神の事を思う2人。しかしこの場に長時間いても再び例のあれが出てくる可能性がある。そんなのはいやだ!と思い智也と晴香の2人は森の中を歩き始めた。
―――…――…―――
森の中を歩き始めてしばらくすると、森から抜けられそうな場所を見つけた。その前に2人はレベルアップしたらしいステータスを確認することにした。
名前:トモヤ カイドウ 名前:ハルカ ミナミ
年齢:22歳 年齢:23歳
種族:人族 男 種族:人族 女
レベル:2 レベル:2
HP:110 HP:101
MP:10 MP:120
STR:100 STR:91
INT:10 INT:110
SPD:100 SPD:91
LUC:105 LUC:105
ギフトスキル> ギフトスキル>
・神速 ・光魔法Ⅴ
スキル> ・炎魔法Ⅴ
・身体強化Ⅴ ・治癒魔法Ⅴ
・鑑定Ⅴ ・結界
・探知Ⅴ ・リフレクター
・言語能力Ⅴ スキル>
・鑑定Ⅴ
・杖術Ⅴ
・言語能力Ⅴ
・探知Ⅴ
「高いのか低いのかよくわかんないな」
ステータスを見た智也が感想を言う。それと同じような感想を晴香も抱いた。
ステータスを確認しながら歩いていると城壁が見えてきた。
「あれがメルカリア公国の都市なのかな?」
「多分そうね。それにしても私たちの居た地球とは大違いね。中世のヨーロッパって感じかしら?」
「だね。食事とか地球に似たような物あるのかな?」
「わかんないわ。それにお風呂も多分入れないでしょうね」
「それ辛いな。出来る限り早くお金を貯めて自分らの家を作りたいな」
「そうね。とりあえず冒険者ギルドに登録しましょう」
どうするかを決めた二人は城壁にある門へと歩いて行った。そして門番が智也と晴香に質問をする。
「貴様らこの辺の者じゃないな。どういった用件だ?」
「冒険者登録をしようと思っています」
「そっちの女は?」
「彼に同じく」
「ふむ・・・遠い田舎からでも冒険者を夢見て来たのか。とりあえず犯罪経歴が無いかだけ調べるからその水晶に触れてくれ」
そう言われて2人は水晶に手を触れる。白く濁っていた水晶は触れると無色透明へと色を変えた。
「うむ、問題ない。ようこそメルカリアへ!冒険者ギルドは通りをまっすぐ行けば巨大な建物があると思うからすぐわかると思うぞ」
「「ありがとうございます」」
2人はメルカリアの都市へと入ると歩いて冒険者ギルドを目指した。入って5分も歩くと巨大な木造の建造物が現れた。
「これが冒険者ギルドかな?」
「多分そうね。入りましょ」
2人は冒険者ギルドへと入った。
それからは冒険者登録を済ませて冒険者の説明を受ける。その後ステータス確認が終わって解放された2人は道中倒したビッグコカローチのドロップアイテムを売却して宿屋へと向かった。そして2人部屋に泊まって2人は眠りの世界へと堕ちた。
次の日の朝、目を覚ますと2人を訪ねてくるものがいた。甲冑を着た2人組、そう騎士団である。
「君たちがトモヤとハルカと言う冒険者か?」
「そうですが・・・俺達に何か用ですか?」
「君たちを我が騎士団に勧誘に来た」
「すいません。興味が無いので断らせて頂きます」
「ふむ、そうか・・・では力づくでも君たちを連れていくとしよう」
そう言って騎士団は縄を取り出した。その空気に危険を感じた2人は騎士団から逃げる事にした。
こうして半年続く2人の逃亡生活が始まった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は明日に投稿する予定です。




