75話:オーガと調査団
多数の誤字、ミスの指摘を頂きましたが、本日と明日は忙しいので修正は明日の夜か、明後日になります。指摘して下さった方、ありがとうございます!
「ギィアアアアアアアアア」
オーガの咆哮がゲヘナ草原に響き渡る。愁はちょうど良い機会と感じてと試そうかと思っていたあるスキルを融合する。愁は『炎魔法剣Ⅳ』、『闇魔法剣Ⅳ』、『魔法剣創造』を合成して『邪炎魔法剣創造』を作った。そしてさっそくスキルを使用する。右手に現れたのは片手用直剣。全長は1m程度で刃が黒炎を纏っており、闇の魔剣の特性の損失と炎の魔剣の特性の溶解の効果を持っている。つまり切った場所は損失して、切傷になっている部分は焼けただれる。ちなみに1振作成するのにMPを200程度消費する。
そして愁はスキルによって作りあげた剣、『黒炎剣カオスフレイム』を低く構える。そして一気にオーガに向かって飛び出しオーガを斬りつける。本来オーガの皮膚は鉄と遜色ない程の効果を誇り、並大抵の武器では歯が立たない魔物であるが愁のカオスフレイムはそんなオーガの皮膚も紙をハサミで切るかのごとくざっくりと斬る。もちろん斬られた部分は損失して傷口は焼け爛れている。痛みに耐えきれずオーガは苦悶の声をあげる。
「ギィィアアアアアアアアァァァッァァ」
すると本来緑色のオーガであるが、だんだん緑色が濃くなって行き、最終的に黒の成分が強い緑色に変化した。何故オーガの色が変わったのか、愁はすっかり忘れていた敵の能力を完全解析の鑑定で探った。
オーガ(憤怒) ♂
レベル:57
ギフトスキル>
・リミットブレイク
・鬼気
スキル>
・格闘術Ⅳ
・皮膚硬化Ⅲ
・身体強化Ⅳ
あれ?なんか予想以上に良い感じにスキル持ってる!愁は戦う前に鑑定を行わなかったことを悔いた。そして有難くオーガの持つスキルを全て奪い取った。それから愁はオーガに対して水平に手を出して念じる。
(森羅万象、サンダー)
すると上空から1筋の稲妻がオーガを直撃する。もちろんオーガは即死である。
「ふー、終わった」
「・・・もう何も言いません」
そう言ったハクの顔は完全に呆れ返っていた。魔法の種類は基本的に炎、水、風、土、治癒、闇、光の7種類だ。つまり雷を出した愁は何かしらのスキルを使ったことになる。そしてそのスキルはオーガを一撃で殺すようなスキル。しかも稲妻なので発動から死までの時間が非常に短い。それに加えて愁は詠唱破棄のスキルのおかげで頭の中で念じるだけで魔法を使える。言い換えると愁の任意のタイミングでオーガを一撃で瞬殺できるわけである。
ちなみに愁のようにオーガを瞬殺するには現在最高ランクであるSSランクの冒険者でもそれは不可能であった。つまり今現在の愁のステータスはSSランクの冒険者すら上回っているという事になる。そんなものを見せられて呆れない人がいないわけがない。
「シュウさんも雷系統のスキル持ってたんですねー・・・なんというかシュウさん本当に人間ですか?」
ひどい言いようである。こう見えて人間だぞ?
「御主人様はボクの未知の領域の人です」
・・・それは褒め言葉なのかい?
「愁ならこの世界を難なく世界征服できそうな気がしてきたわ」
ははは、それはないだろう・・・ははは。
・・・はぁ。
「なんでみんなそんなに呆れてるの!?」
「だって御主人様が人間からまた一歩遠ざかったからです」
「シュウさん、本当に人族なの?」
「ボクの知る限りでは、御主人様は人間の枠には収まっていません」
「愁、今度から隠秘のスキルを使って種族を魔王にしておきなさい」
・・・グスン。みんなしてひどいよ!グレてやる!
そんな感じでみんなでふざけていると調査団がやって来た。
「そなたらがシュウ クホウイン殿とその仲間たちで間違えないか?」
「えぇ、そうですね。此方がゲヘナ草原の開墾後の状態です」
その方向を見た調査団は驚いていた。開墾には少なくとも3年はかかる。ゲヘナ草原の面積はそこまで大きくないので有り得ないほど頑張り続けると2年半で終わるかもしれない。しかしながら愁はそれを高々30分程度で終わらせたのだ。どれだけ愁が異端な存在かが調査団の手によって知らしめられた。
ちなみに当の本人には全くの自覚がありません。
「それでは説明を行う。ここからここは町、もしくは村として認められる。名前に関しては5年後に調査に来る際に決めておいてくれ。その際に税金として中金貨1枚、もしくは農作物や特産品で支払ってもらう。最初の徴税は調査ついでだから問題ないがそれ以降は商人ギルドで支払いを済ませてくれ。その他分からないことがあれば聞いてくれ」
「土地をさらに開墾して巨大化しても特に問題はないですか?」
「うむ、問題ない。ただし、5年後の調査以降に開墾して土地を広くする場合は開墾再申請をしてもらう。開墾再申請に関しては商人ギルドで説明を聞くことが出来る。他に何かないか?」
「いえ、もう大丈夫です」
「わかった。今回の調査の結果は国王陛下と商人ギルドのキヌア殿に対してしっかりと報告を行っておく。後日そのことで使者が訪れる可能性もあるから、そのことを頭の隅にでも覚えておいてくれ」
「わかりました」
「それでは我々は失礼する」
そう言って調査団の皆は帰路についた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は、明日の夜になります。
ゼロの使い魔に関してコメントが来て地味に嬉しかったです(笑)




