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73話:謁見の間からの脱出

感想の御返事を行いました!


感想にて誤字脱字、違和感の報告をして下さった皆様方、ありがとうございます!


(出入り口に騎士らしき反応・・・囲まれたのかな)


 愁は心の中でそう結論づけた。詳しく解析すると騎士の人数は12名、そしてこの部屋の中には近衛隊騎士が8名、計20人。この人数を相手にするのは愁からしたら特に問題はない。しかしこの場であっさり倒してしまうと今後面倒なことになる。どうしたものか・・・。


 そんな風に10秒ほど悩むとある案を思いついた。そして愁はすぐさま実行に移す。


「国王様、近衛隊騎士の隊長さん、質問があるのですがよろしいでしょうか?」


「うむ?申してみよ」


「構わない」


 国王と近衛隊騎士の隊長格らしき人が答える。


「あの扉の向こうにいる騎士は一体どういうつもりなのでしょうか?」


 愁のその一言に近衛隊騎士の隊長はピクリと眉を動かす。どうやら気づかれたことに対して驚いているようだ。でもどうやって騎士達を扉の前に配置できたのだろうか。気になった愁は近衛隊騎士の隊長に対して完全解析を使った。


名前:ブラム グランエル

年齢:36歳

種族:人族 男

レベル:82

ギフトスキル>

・念話

・風魔法Ⅲ

・炎魔法Ⅲ

・生活魔法Ⅳ

・隠蔽Ⅲ

スキル>

・剣術Ⅳ

・身体強化Ⅲ


 どうやら念話と言うスキルを用いたらしい。原因が分かった愁はさらに追撃を掛けようと踏み込んだ。


「念話を使って騎士の皆さんを呼んだんですね?ですよね?隊長さん?」


「な、何のことだね?」


「ブラムよ。シュウの申している事は真か?」


「こ、国王陛下。そのような事はありますまい」


(こ、これはまずいことになった。早く騎士達を撤退させなくては)


 そう考えたブラムは念話を発動させようとする。しかし念話が発動しない。どういうことだ?


 種は簡単な話である。愁は念話をスキルアブソープションで奪ったからである。


「もしかして今念話を発動させようとしましたか?無駄ですよ?今あなたの念話は使えなくなっています」


 愁のその言葉を聞いたその場の者達は皆驚愕の表情に包まれた。スキルを意図的に使えなくすることが出来る?そんなバカげた話今まで聞いた事が無い。この場にいた多くの者がそう思ったであろう。


「さて、これ以上は隊長さんにも悪いので自分はこの場で失礼しますね。今回は特に何もしませんけど、何かあった場合はどうなるか覚えていてくださいね?あ、隊長さん。もう念話は使えるので心配しないで下さいね?それと今から俺を中心とした半径1m以内には入らないで下さいね?」


 愁はそう言って周りの者が近づかない事を確認してあるスキルを使う。


(ファントムミスト)


 すると愁の足元に赤いひび割れが生じる。その後突如愁の居た場所に火柱が現れた。もちろんこの場の皆を惑わすだけの幻惑だ。そしてその間にワープを使って愁は自らの家へとワープした。


 愁の居なくなった謁見の間ではしばしの間沈黙が続いた。それもそのはず。目の前では現実とは思えない出来事がいくつも起きたのだから。まず初めに扉の向こうにいた騎士の発覚、次にブラムのスキルを封じた事、そして先ほど起きた火柱とそれが消えた時に愁も居なくなっていた事。これを見た者達は皆違う意見を持った。


 国王は、面白いやつだという意見を持ち、貴族たちはこの能力を使って我が国の領土拡大を。つまりは私利私欲のために愁の能力を使う事を考えていた。近衛隊騎士団は全員一致で愁は危険な存在で即座に排除をしなくては。皆が皆愁に対して意見を持つと同時に興味を持つ事になった出来事であった。



―――…――…―――


 愁は家に帰るとそこには未だ誰もいなかった。愁はとりあえず開墾申請を受諾されたゲヘナ草原へとワープする。そして完全解析を用いて盗賊や魔物がいないことを確認する。愁はそれからこの土地をどのように開拓しようか考えていた。


 町を作るのであれば、魔物や賊の侵入についてしっかりと考える必要がある。周りに城壁を作る?それだと時間がかかりすぎる。悩んだ末に愁はある1つの案に辿り着く。日本の城である。しかしお城を作る必要はなく、お城の防御に関する構造を参考にして街を作る。愁はそう考えていた。


 ある程度のプランを練った愁は家にワープを使って帰る。するとそこにはハク、ルナ、フィアがいた。


「お帰りなさいませ、御主人様。開墾申請はいかがでしたか?」


「ただいま、ハク。問題なく許可は出たよ。明日1日でゲヘナ草原を整地するからそのつもりでいてね?」


「ふぇ!?1日であの広さを整地するのですか?流石にそれは・・・」


 ゲヘナ草原についてあまり知らないフィアとルナは何もわかっていない。そして一緒に野営をしたハクからするとあの広さの土地を整地するとなれば何ヵ月かかるんだろう。そう覚悟を決めていた状態であった。しかし愁の口からは明日1日で整地をするという事であった。信じられない。ハクはそう思った。


「ただいま~」


 話し合っていると華奈が帰宅してきた。


「おかえり。どうだった?」


「うん、魔法掛けてもらった」


「そっか。んじゃ明日は整地をするから今日は早めに寝ようか」


 愁はそう言ってハク達に夜ご飯を作ってもらった。皆でそれを食べた後に体を拭いて皆眠りについた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は本日中に投稿しようかと思います。



昨日、久しぶりにゼロの使い魔を見ました。うん、あれやっぱ面白いよね!

個人的好みはシエスタだったりします(笑)家事と料理完璧って憧れますよね!


そして感想の御返事で書き忘れていたのですが、魔法の合成に関する疑問を頂きました。スキル合成全体で言えることですがスキル合成においてスキル熟練度は関係ありません。つまり土魔法Ⅰと風魔法Ⅰでも土魔法Ⅴと風魔法Ⅴでも結果としては風化のスキルが完成します。

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