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72話:興味本位

気が付けばPVが300万を超えていました。読んでくれている読者の皆様方、ありがとうございます!

 わからない。この国王は何を考えているんだ。何故そんな事を聞くんだ。


 愁の中では疑問だらけであった。


 愁の能力を駆使すればほぼ一瞬でこの都市を崩壊させることが出来る。そして1分もあれば完全崩壊させることも可能である。しかも方法も千差万別である。ダークヘルフレア、森羅万象、スターダストストリーク、風化、メテオレイン、エレイル・セロ、腐食。考えただけでもこれだけの手段が存在する。


 正直に答えるべきなのか、曖昧に答えるべきなのか、嘘をつくべきなのか。愁にはいくつもの選択肢が存在した。


「使うスキルによって異なりますが、1時間もあれば確実に完全崩壊させることが出来ると思います」


 悩んだ末愁は質問の方向性を変える事にした。


 その答えを聞いた国王は何故か笑みを浮かべていた。


「ふむ、そなたはやはり優秀な冒険者なのだな。試すような真似をしてすまなかった。参考程度に聞くが、最速の場合はどの程度で完全崩壊させることが出来る?」


「・・・約30秒もかからないと思われます」


 愁の発言に息を呑む国王とキヌア、その他その場にいた宰相、大臣、近衛隊騎士。騎士の中には今すぐここで手打ちに!と言う者もいたが国王がそれを止めた。しかしそれでも納得がいかないようだ。


「わしの用事はここまでだ。シュウよ。そなたは何か聞きたい事はあるのか?」


「僭越ながら国王陛下、そこの者の侮辱の罪に対する罰を与える機会を頂きたい」


 近衛隊騎士団の中の隊長格の男が告げる。


「続けよ」


 国王が話を進める。


「わかりました。シュウ クホウイン。貴様にこの場で決闘を申し込む」


「すいません。お断りさせて頂きます」


 愁の予想外の発言に場の空気は完全に固まった。



―――…―Sight of SHU Start―…―――


 俺はわからなかった。何故国王様が俺にこんな事を聞いてくるのか。


「わしの用事はここまでだ。シュウよ。そなたは何か聞きたい事はあるのか?」


 チャンスだ。よし、聞いてみよう。


 俺はそう思い聞こうとするがその行為はさえぎられてしまった。


「僭越ながら国王陛下、そこの者の侮辱の罪に対する罰を与える機会を頂きたい」


 ・・・はぁ?国王様の質問に答えただけなのに侮辱した罰?こいつ何言ってんの?さっき止められてたよね。アホな子なのかな?


「続けよ」


 国王様よ、何を考えているのだ。めんどくさいよ。


「わかりました。シュウ クホウイン。貴様にこの場で決闘を申し込む」


 だーかーらー、なんで勝手に話を進めるのかなー・・・。あーめんどくさい事はごめんだな。うん。


「すいません。お断りさせて頂きます」



―――…―Sight of SHU End―…―――


 愁は近衛隊騎士団の隊長と思わしき人物の決闘を断った。理由はめんどくさいからである。


「き、貴様!何故決闘を断る!」


「逆に聞きますけど、俺が戦う事に意味があるんですか?」


「ふ、ふざけるな!貴様の罪をさb「罪?俺は国王様の質問に正直に答えただけですよ?この国では国王様の質問に答える事が罪になるんですかー。理不尽な国ですね?」・・・」


 愁の発言に近衛隊騎士団の皆が怒りに囚われ体をプルプルさせている。しかし愁の発言も事実しか述べていない。


「貴様、国をバカにするのか?」


 今度は貴族が叫びだす。


(あぁ、めんどくさい。なんでこうなったんだ・・・。)


「国をバカにするって、それを言うなら近衛隊騎士団の方だと思いますよ?俺は国王様の質問に答えただけ。それを罪だ罰だ言っている近衛隊騎士は国王様の質問に対して罪だ罰だ言っているのと同じじゃないんですか?」


「ぐっ」


「それに付け加えて言うのであれば決闘で俺がスキルを使ってこの都市を滅ぼすようなことになったらどうするんですか?原因は決闘を申し込んだ近衛隊騎士ですよね?つまりはこの国の滅んだ原因は王様を直接守護する近衛隊騎士が王様の質問に対して答えただけの冒険者に対して罪だ罰だと言って決闘を申し込んだからって事になりますよね?つまり言い換えるのであれば近衛隊騎士がこの国を滅ぼしたって事になりますよね?違いますか?」


 その場にいた貴族も近衛隊騎士達も何も言えなくなる。


「そして国王様。お聞きしたいのですが、何故『お主がこのパーマナリアの都市を破壊しようと思ったらどの程度の時間がかかるのだ?』と言う質問をしたのですか?」


「それに関して言えば興味があったからじゃ。わしは少なからずゴブリンキングの秘薬Ⅲを手に入れたり、以前の謁見の際に裏切り者を見つけ出したことからそなたに興味を抱いていたのだ。現に騎士団や貴族たちに対してああも一方的に、しかも論理的に物事を説けるそなたを見ていてわしは面白かったぞ」


(・・・国王、お前楽しんでたのか!こっちがどんだけ苦労したと・・・)


「左様ですか」


「シュウよ。わしの用事は済んだ。そちも特になければもう下がっても良いぞ。それと開墾が完了した時に再び会う事を楽しみにしておるぞ」


 そう言われた愁は何かを感じたので完全解析を使って辺りの状況を確認した。すると入り口の扉の後ろには複数の騎士と思わしき人物の反応があった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は本日中、遅くても明日の夜には更新できるかと思います。


明日は研究室でのセミナーが、明後日は会社説明会に行くため更新が遅くなります。その点を御了承頂ける取りがたいです。


そして御金関連以外の矛盾が大方解消されつつある(?)ので今日辺りに感想の御返事を行おうと思っています。感想の御返事が量が多いため今回は活動報告で行う予定です。

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