66話:嫉妬と陰謀と
遅くなって申し訳ないです(´・ω・`)
「御主人様、おはようございます」
そう言ってハクがキスで愁を起こす。いつもの光景であるが当の本人からすると今となっては少し恥ずかしい光景である。
「シュウさん、おはようございます」
そう言ってルナも続く。それを見ていたフィアと華奈は顔がトマトの如く顔が赤くなっていた。
「ご、御主人様?これは朝の御勤めでしょうか?」
「ご、ごご、ご、御主人様?これはどういうつもりなの・・・でしょうか?」
フィアと華奈がなんとか声を出す。
「んー、特に命令じゃないから気にしないで。やりたいからやってるんだと思うよ?フィアも華奈もやりたければやっても良いよー」
(なんなの、愁ってこんなにモテてたの?でも最後に会った時に比べて鋭い雰囲気になったなー)
華奈が最後に愁に会ったのは小学校の卒業の頃、そのため華奈は知らない。愁の家族に何があったのか。
「そう言えばカナってなんで奴隷に?」
「えっとー・・・今晩で良い?」
「わかった」
そう言って話の続きを別の機会へとした。つまり華奈からするとあまり表立って話したく無いようだ。
それから朝食をとり今日の予定を話し始めた。
―――…――…―――
時はオークションが終えて愁達が家に帰っている頃に遡る。華奈をなんとか落札した愁。そんな愁に対して何かを企てようとする者がいた。
「くそ、あいつは何なんだ。何故あのような村娘に対してあそこまでのお金を出せるのだ?くそ、これじゃせっかくの計画が台無しじゃないか」
そう、最後の最後まで競り合った貴族風の男である。名前はデュラン、辺境の貴族である。何故彼がそこまで華奈に執着するのか、それは華奈が奴隷になったきっかけに起因する。
―――…――…―――
時は同じくして場所はサスティアスに移る。とある一室にてニックとサイモンが会談を行っている。
「くそっ!高々冒険者風情が舐めた真似をしてくれる」
机を荒々しく叩いて怒りの感情をあらわにするサイモン。オークションの前に愁を国に招待しようとしたら断れた。そしてオークションでも秘薬を落札することが出来なかった。
「こ、国王陛下。落ち着いてください」
そう言うのは宰相であるニックであった。
「落ち着いていられるか!どうやってあいつを貶めるか・・・」
「そう言えば国王陛下、パーマナリアとの国境付近にある森の中で最近ブラックホーンウルフの発見報告が相次いでいます。これを利用してみませんか?」
宰相の話はこうだ。まずはパーマナリアの都市に要請を求める。その際に冒険者である愁に対して指名依頼を出す。依頼にはニーナを見届け人として同行させる。最終的に森の一角でニーナ共々亡き者にしようというのがニックの計画であった。
「ふむ・・・確かにニーナには罰を与えようにもサーシャが頑なに拒否したからな。うむ、それはいい考えだ」
サーシャがニーナの罰に関してかたくなに拒否をしたため、ニーナは御咎めなしでサーシャの護衛の任を再び受けた。しかしそれに対してサイモンは不服であった。国王命令を破ったからである。
こうしてニックは自らの使者をパーマナリアの都市へと送った。
―――…――…―――
「サーシャ様、いかがいたしましょうか?」
そう尋ねるのはニーナであった。彼女が聞いた愁の言葉を一言一句違えずにサーシャに伝えた。
「確かに、私には愁様に対して多大な非が存在しますね。会う機会があったら謝らないといけませんわ。ニーナ、どうにかなりません?」
「サーシャ様は一国の王女です。そのような身分の御方がたかが1人の冒険者と会う事なんて叶いません。諦めてください」
「はぁ、そうですか・・・」
サーシャがそう言うと突如サーシャの部屋がノックされて返事をすると使用人が入って来た。
「ご報告宜しいでしょうか?」
「どうしたの?」
「ニック様、サイモン様が冒険者のシュウ?とか言う人と共にニーナ様を殺害しようと目論んでいます」
そう、この使用人はたまたま近くを掃除しており、その際に聞こえた机をたたく音を聞いて不審に感じ隣の部屋へと入って話を聞いていたのだった。冷静でないサイモンとニックの声は壁を一枚挿んだ程度でも問題なく聞き取ることが出来た。
「わかりました。報告御苦労様です」
ニーナはそう言って使用人を引かせた。
「サーシャ様、いかがいたしましょうか?」
「決まっているでしょ?」
そう言って表情を綻ばせるサーシャ。サーシャはどうやら願っていた愁との会談が成立しそうであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は本日中、遅くても明日には投稿する予定です。
そして近い内に活動報告にて63話の土地に関する事のアンケート的な物を取ります。町開拓ルートか個人宅ルートのアンケートをしようと思うので良ければ参加して下さい。
追記:
感想を数多くいただきました。皆様、矛盾が多々生じる文章でありますが読んで頂きありがとうございます。内容の御返事に関しては、とりあえず落ち着いてから行う予定です。少し御返事が遅くなりますが全ての感想には目を通しているつもりです。これからも矛盾が生じちゃう作品(?)ではありますが楽しんで頂けると有難いです。




