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61話:フィアとカナ

本文中における『』は日本語による会話です。

 翻訳スキルも使わずに日本語で思わず呟いてしまった愁であった。それに反応するカナ。そしてカナの方も鑑定スキルを使って愁のステータスを覗いてさらに驚愕の色を深めた。


 それもそのはず。カナと愁は知り合いであった。


 白雪 華奈(しらゆきかな。これが現世での彼女の名前である。しかし地球にいた彼女がどうしてこんなところに?疑問でしかなかった。


 華奈と愁は小学校時代の同級生である。愁は公立中学に、華奈は私立中学に進学したためそれ以降の面識はないがお互い顔見知り以上友達未満で小学校時代は異性ながらもそこそこ話をする程度の仲であった。


 愁はとにかく彼女を落札してから事の顛末を決める事にした。


『華奈だよね?』


『愁なの?』


『うん。久しぶり。詳しくは終わった後でも良いかな?』


『うん、わかった。でもお金の方は大丈夫なの?』


『気にしないで。じゃあ後でね』


 そう言って愁は小部屋を後にした。愁からすると予想外過ぎる遭遇であった。


 そして会場に着くとオークションが始まった。1人目の竜人族の男は冒険者2組が競り合った結果、1000万Lで落札された。この時点でハクの倍の値段である。


(もしかしてハクってそこまで高くなかったのかな・・・?)


 そんな事が頭によぎった。


 2人目は男性の貴族らしき人が1億5000万Lで落札した。最後の最後まで2人の貴族らしき人が競り合っていたが、9000万Lを超えたあたりから負けた方の貴族らしき人がだんだんと小刻みな値段を言ったので勝った方の貴族らしき男が勝負をかけたのであった。3人目のウサギの男性の奴隷は男性の確実に悪名の高い貴族だろうと思われる人が落札した。値段としては3億5000万である。この辺でウサギの奴隷の値段の高さに驚きを隠せなかった。ハクの500万Lってお買い得な値段だったのね・・・。


 4人目のエルフは冒険者が落札をした。竜人族の奴隷を買い損ねた人が頑張っていたが最終的に負けてしまった。なんというか不運な人である。結果としては1億L。ハクの20倍の値段である。


 5人目のウサギの奴隷に行く前に何故ハクのような美人なのに小金貨5枚と値段が低いのか、本来ハクであれば今回の奴隷オークションに出ているエルフのように7000万から1億5000万程度が相場である。それなのに何故約1/10の値段なのか、理由としてはハクの持つスキルが挙げられる。その値段の原因は『闇魔法』のスキルである。闇魔法は基本的に魔物や魔族が得意とする魔法の事で、極稀に人が扱う事の出来る属性であるがエルフは基本的に扱えないのである。そんな闇魔法をエルフが持っていたら気味悪がられるのは当然である。それゆえにハクの値段が500万Lと言う値段であったのだ。


 さて5人目のフィアであるが開始の金額は驚愕ともいえる3000万Lであった。貴族たちがこぞって入札を狙う中、愁も入札を続ける。1億Lを超えたあたりから愁を含めて5人程度に絞られた。そこからでも値上げは続いた。3億Lあたりから2人ほど脱落して4億Lになる頃には愁と美女の奴隷を落札した貴族とのサシの勝負になった。愁としてはフィアをさっさと落札して華奈の方に時間を割きたかったので勝負をかける事にした。相手側が4億5000万と言ったので愁は会場が驚愕する値段を告げた。


「6億L」


 突如跳ね上がった値段に会場は驚愕し、貴族は地団駄を踏んだ。愁の値段以降誰かが値段をいう事はなかった。それを確認した司会者は


「6億Lで落札が決まりますがよろしいでしょうか?」


 その司会者の問いかけに声を発する者はいなかった。ちなみにだが、ウサギの獣人の女性の奴隷の相場としては5億L程度ぐらいである。男性の相場が2億L程度なので、女性の方は男性のほぼ倍の値段ともいえる。今回男性のウサギの獣人を落札した人は相場より少し安く手に入れることが出来たみたいだ。


「6億Lで落札が決まりました。落札者の方、オークションを続けられますか?」


「はい。後で奴隷契約の方は行います」


「わかりました。それでは本日最後の奴隷です。値段は1000万Lからのスタートです」


 司会者がそう告げると貴族と思わしき男が驚愕の値段を告げる。


「5000万L」


 突如跳ね上がった値段。流石の愁も驚きを隠せなかった。しかし華奈の事を見捨てる事は愁にはできなかった。


「1億L」


 その勝負乗った!とばかりに愁も値段を引き上げる。それからは愁と貴族と思わしき男の独壇場であった。値段は驚愕の2億Lを超えた。すると流石の貴族風の男も負けまいと値段をあげていく。


(どんだけこの貴族は華奈の事欲しがってるんだよ・・・)


 そんな事が頭によぎりながらも値段は5億Lへと突入した。さすがにここまで争うとは思いもしなかったのか、貴族の方は流石に限界が近づいている。


「5億500万L」


「5億5500万L」


 限界の貴族は細々とした数字を出した。そんな貴族と違い愁は5000万Lを上乗せした。流石の貴族もここまで来るとどうしようもなかった。


「5億5500万L、これ以上出す方はいませんか?」


 司会者の確認に誰もが言葉を発さない。


「それでは5億5500万Lで落札となりました」


 愁は無事にウサギの獣人フィアと知り合いの華奈を落札することが出来た。


 本日の愁の出費、11億5500万L。ハクの500万Lが非常に可愛らしく思える出費であった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は本日中か、遅くても明日には投稿する予定です。


そして以下改訂&修正のお知らせです。


55話の内容を大幅に改定しました。内容的には大きな変化はないはずです!タブン


60話において間違いないが間違えないになっていたため修正しました。指摘して下さった方、ありがとうございます。



そしてさらにこの下はお知らせです。


近い内にステータス確認を込めたキャラクター紹介(愁、ハク、ルナ)を行う予定です。そして一応見直し等行いますが、見落としがあった場合は遠慮なく指摘して頂けると有難いです。


いつも誤字脱字が多くて申し訳ないですが、楽しんで頂けると有難いです。

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