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46話:黒き思い再び

キリをよくするため今回はいつもに比べると少し短めになります。

「例の案件は分かったか?」


 貴族風の男が衛兵に問いかける。


「はい、シュウと言う冒険者に殺されたみたいです。フレッド様が盗賊行為を行った結果と言うのが調査によってわかりました」


「叔父上が盗賊行為?そんな馬鹿な・・・本人に直接聞くとしよう。おい、冒険者ギルドに依頼を出せ」


「は。どのような案件にしましょう?」


「大規模な討伐を行うという名目で良いだろう。報酬は一人当たり大銀貨4枚だ。Dランク以上の冒険者のみという条件を忘れるな」


「かしこまりました」


 そう言って衛兵は紙を持って部屋を後にした。


「くくく、シュウとやら・・・叔父上の仇を近い内に・・・」



―――…――…―――


「と言うわけです」


 衛兵はギルドにて言われた通りに依頼を行った。


「・・・まずは討伐対象をお願いします。それに大規模な討伐でしたら大銀貨4枚では少なすぎます。せめて小金貨1枚はお願いします」


 衛兵の依頼に呆れながらリムが対応を行う。


「貴様!ヘモンズ様の依頼にケチを付けるのか?」


「あれ?リムさんどうしたの?」


「貴様には関係ない、すぐさまこの場を立ち去れ」


 衛兵は声のした方向を向きながら告げた。そこには黒髪に黒い瞳の珍しい組み合わせの少年と、銀髪のエルフの女性、金髪のポニーテールの女性がいた。男はともかく女性の方は絶世の美女と言わんばかりの美しさだ。


「ふむ・・・貴様のような凡人にはもったいない奴隷を連れているな。そこの2人、ヘモンズ様の下で働かないか?そんな凡人といるよりずっと良い暮らしが出来るぞ?どうだ?」


「「お断りさせて頂きます」」


「奴隷風情が下手に出れば付け上がりやがって・・・ふざけるな!」


 そう言って衛兵は2人の美女の腕を掴もうとした。しかしその瞬間黒い瞳の少年の瞳が真紅の赤色になった。それを見た途端、衛兵は地面に項垂れてしまった。


「雑魚が」


 少年はそう告げた。そう、少年は愁であり、エルフはハク、ポニーテールの女性はルナであった。


「何処の誰とも知らない奴に従う必要がどこにある?」


 愁はそう告げるも衛兵の耳には一切入っていない。


「ハク、ルナ、大丈夫か?」


「「大丈夫です」」


「そうか、良かった。リムさん、こいつどうします?」


 地面に項垂れる衛兵を指さしながらリムに愁が尋ねる。


「その辺に放っておいて下さい。ギルドの中であのような行為をする者を中に入れておく必要なんてないです」


 リムはそう言ったので愁は衛兵を抱えてその辺に放って来た。



―――…――…―――


 衛兵が動けるようになったのは愁の目を見てから約5時間後の事であった。


(ギルドめふざけおって・・・あの女共覚えていろ・・・そう言えばシュウとか言う冒険者は黒髪に黒い瞳と言う特徴だったよな。てことはあれがシュウと言う冒険者か!)


 そう考えた衛兵は急いで主であるヘモンズの元へと戻った。



―――…――…―――


「報告します。ギルドでの依頼は依頼できませんでした。受付嬢の名前はリムとか言っておりました。そして冒険者のシュウに遭遇しました。その際に非常に見目麗しいエルフと金髪の女性を連れておりました。ヘモンズ様、名案が思い付いたのですがよろしいでしょうか?」


「報告は了解した。ギルドには何とかしておこう。そしてその受付嬢とやらも首にしておく。して名案とはなんだ?」


「女性を人質にしてしまえばシュウとやらも手を出せないのではないですか?大分溺愛している様子でしたし」


「ふむ、悪くないな。では3日後に計画を行う。それまでにシュウとやらの家を探しておけ」


「畏まりました」


 衛兵はそれを聞いて部屋を後にした。


(ふん、見目麗しいエルフに金髪の女性か。平民風情が調子に乗りおって・・・壊れるまで目の前で弄んでやるか・・・3日後が楽しみだな)

最後まで読んで頂きありがとうございます!


次回は明日に投稿する予定です。

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