36話:棘と人族
ルナのユニコーンの姿の大きさを4mから2mに変更。
今回の後半に久しぶりに暴走しましたが後悔はありません!
描写的には・・・セーフだよね?
ギルドを後にした愁とハクとルナはある場所を目指していた。ギルドを出て約10分後、目的の場所へと到着する。
「グレイブさんいますかー?」
「おぅ、坊主じゃないか!どうだ武器の方は?」
「えぇ、良い感じです。それと素材があるんで武器の制作をお願いしていいですか?」
「おぅ。任せとけ!んじゃ、素材を見せてくれ」
そう言われた愁はアイテムボックスの中に入っている邪龍ハーケンからもらった棘を出す。
棘は約80cm程ある黒い禍々しい雰囲気を纏った素材である。色は漆黒で、邪龍の禍々しい魔力が棘に染渡っているため素材としても非常に価値が高い。伝説の金属オリハルコンと同等ぐらいの素晴らしい素材である。
ハーケン自身は聖獣とほぼ同格のSSSランクの魔物扱いであるためもしも討伐を行おうと思ったらSSSランクの冒険者が10人は必要である。しかしこの世界にSSSランクの冒険者は存在しない。SSランクの冒険者でさえ3人しかいないのだ。つまりハーケンの討伐は限りなく不可能であると言える。ハーケンは特にこの世界において破壊活動を行うことはないため討伐の対象になるのかすら疑問ではあるが、そんなハーケンが何故邪龍と呼ばれているのか。理由としてはその禍々しいオーラを纏っているからとしか言いようがない。名前だけを聞けばこの世界において災悪を引き起こしそうであるが、実際のところは極めて穏健派である。
さて、そんなハーケンからもらった素材であるが、よもや愁の様なDランクの冒険者がSSSランクの魔物の素材を持ってくるとは思いもしなかったグレイブにとって目の前にある邪龍の棘は現実とは思えない光景である。
「坊主?この棘はなんの棘だ?とんでもなく価値の高い素材に見えるのだが・・・」
「邪龍ハーケンの棘ですよー。聖域調査の際に手に入れる機会があったので」
「じ、邪龍!?」
グレイブはそう言うと上の空状態になった。ドワーフとして、鍛冶師として、あらゆる素材を扱って武器を作って来たからこそ分かる。こんな機会一生に1度あるかないかの出来事である。そんな機会を体験できる。そう考えたグレイブの行動は早かった。すぐさま上の空状態を脱出したグレイブはシュウに尋ねた。
「坊主、本当にこの素材で俺が武器を作って良いんだな?」
「えぇ、もちろんです。予算は5億L程度で大丈夫ですか?」
「坊主、俺が今まで見てきた中でこの棘は最高の素材だ。だから一切の妥協をしたくないんだ。だから今回はその倍の10億Lで作りたいのだが構わないか?あ、金は用意出来た時で構わない」
「わかりました。最高傑作を期待していますね」
そう言って愁は魔金貨1枚を棘の傍に置いた。
「坊主、お前本当にDランク冒険者か?」
「えぇ?この通りです」
そう言って愁はギルドカードを出す。そこにはしっかりと『Dランク』の文字が刻みこまれていた。
「ふっ・・・規格外な坊主だ。3日後だ。3日後までに作っといてやる。こりゃ俺一人じゃ大変だからフロスガーと共に作る。構わないか?」
「武器さえ出来れば俺は満足です」
「よし、3日後を楽しみにしてろ!」
そう言われた愁達はグレイブの武器屋を後にした。
―――…――…―――
グレイブの武器屋を後にした愁達は自宅へと帰ってきていた。そしてここ最近ハクをまともに頂いていないせいか、ハクが家の中に入るとそわそわしていて時折愁に対して上目遣いをしておねだりをしていた。それは愁も同じであった。となれば今現在二人を止めるものはルナしかいない。ルナが寝静まった後2人でイチャイチャしようとアイコンタクトで意思を疎通した。
そして夕食を食べ終えてすぐに床に就くルナ。ルナは今現在特に使っていなかった空部屋にて寝ている。愁達はルナが人族の住む町へと初めてやって来ていろいろ見たせいで疲れていると判断している。壁に耳を澄ませてルナが寝息を立てていることを確認した愁とハクはお互いの体を抱きしめあいベッドへと行ってイチャイチャし始めた。
ハクの膨らんだ部分を触る愁。触るたびに艶っぽい声をあげるハク。
「ふむふむ、愛し合った人族とはこうやって愛を確かめ合うのですね・・・これが人族における愛の営みと言うやつですか」
空気が一瞬で変わった。愁とハクが同時に横に目を向けるとそこには寝たとばかり思っていたルナの姿があった。行為の最中であった事、ルナが気配遮断を使っていた事、以上の事から愁とハクはルナの存在に気付かなかったのである。
「あ、どうぞ気にしないで続けてくださいな!私をその辺の空気だと思っていてください」
無理な話である。
「ルナ、流石に見られたままハクと事をなすという鬼畜趣味は俺にはない」
「わ、私も見られたままするというのは・・・その、気が引けます」
「左様ですか・・・でしたら私も混ぜてくれませんか?人族の愛の営みと言う物に興味が湧きました!」
瞳をキラキラさせながらそう言うルナ。
「そのーなんだ・・・良いのか?」
「えぇ、もちろんです。色々教えてくださいね?」
そう言ってルナは着ていた洋服を脱ぎだす。ここまで来たら愁にもハクにもルナを止める事は不可能であると察した。そこから3人での甘ーい夜の一時が始まった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回は今日中か遅くても明日には投稿する予定です!




