33話:実験と言う名の災害
前回の話の前半について本筋に一切関係のないのにダラダラと書いて書く必要性が無いのでは?という意見を頂きました。
今後の展開には特に差し支えはないです。ただ、17話の愁とハクの会話における奴隷のヒロインが増えるかもしれないフラグを潰したかっただけに書いた作品です。そのため長々書く必要も特にありません。ぶっちゃけると気分で長々と書いただけの話です。作者的にももう少し短くても良かったかなーっと少し後悔中です。
31話と32話で奴隷商の名前が違うというとんでも事件が勃発しました。31話の方のケイが正しい奴隷商の名前です。御指摘頂いた方、ありがとうございます!
愁とハクは聖域を目指して森の中を歩いていた。道中スキルが多くなり非常に見にくくなったので・・・
「よし、スキルの整理して実験するか」
「以前のヘルフレアみたいなことにならないといいですね・・・」
「ふっ・・・人間と言うのは学習する生き物だよ」
愁はドヤ顔でそう言う。
(・・・御主人様にこんな事を言われるなんて、私の人生の終わりが見えてきそうです)
そんなひどい事を考えながらもハクはとりあえず話を合わせておいた。そして愁はハクに対して隠秘・ボックス・詠唱省略・幸運・料理Ⅲ・人物鑑定Ⅱ・魔物鑑定Ⅲ・罠解除Ⅴを渡した。
そして愁はスキルフュージョンで気配遮断と隠蔽を合成して隠秘。剣術と槍術、斧術、短剣術、杖術、盾術、棒術、二刀流、身体強化を合成して武神。テイムと調教を合成してモンスターテイム。濃霧と幻術、イミテーションを合成してファントムミスト。闇魔法と炎魔法を合成してダークフレア。光魔法と治癒魔法を合成してリザイア。以上6個のスキルを作り上げた。
「ふー、これでだいぶすっきりしたと思う!」
「ちなみにどのようなスキルを作成したんですか?」
「うんとねー」
そう言って愁はスキルの解説を始めた。
武神。あらゆる武を極めた者が獲得できるスキル。両手でありとあらゆる武器を使うことが出来るスキルである。
モンスターテイム。ある程度知能のある魔物と心を通わし配下に出来るスキル。
ファントムミスト。霧の範囲内において幻術をあらゆる存在に掛けることが出来る。また、自らに霧を纏う事により変身することも可能。
ダークフレア。消える事のない闇の黒き炎を発生させるスキル。火に耐性を持とうがお構いなく傷つける魔法。
リザイア。この魔法攻撃を受けた者のダメージの量に応じて魔法を放った者のHP・MP・精神力等のあらゆるものを回復させる魔法。普通の人間が使ってもMPやINTの関係上ダメージが低く大した脅威にはならない。しかし神級の魔法の才能を持つ愁が使うとこの魔法だけでほぼ永遠に戦い続けることが出来る。
「とまぁ、こんな感じかなー」
「御主人様がさらに人間と言う存在から遠く離れた気がします・・・」
「ハクー、そんな言い方ひどいよ・・・」
愁が完全に涙目になっている。
(だからなんなのこの可愛い生き物は!モフモフしたくなっちゃう!)
愁の涙目姿が完全にお気に入りのハクであった。
「さてと、実験してみるか」
「・・・」
愁の言葉に何かしらの危機感を覚えたハクは愁の背中の後ろへと隠れる。そして目の前にいるミニゴブリンに対してダークフレアを使う。前回の失敗を活かしてMPの消費は5で抑えた。
チュドオオオオォォォォォォォーーーンンンンンン
巨大な爆発と共に目の前に広がっていた森が黒炎に包まれている。案の定ミニゴブリンは超が付くほどのオーバーキル。慌てて愁は炎が消えるように念じる。するとすぐに黒炎は消えた。ある意味ヘルフレアよりかは使い勝手が良いスキルのようだ。しかし目の前の森だった場所は今となっては焼け野原になっており、範囲としては前方半径500m程の円形が焼けている。
しかし、何故ここまで巨大な爆発が起きたのか。原因としてはレベルアップによるINT値の上昇である。以前に比べて倍以上のINTがあるので今回のように巨大爆発を引き起こしたのである。ちなみにMPの消費を2で抑えるとヘルフレアの実験の成功時程度の威力になる。逆に全ての魔力を使うと小さめの国中が一瞬で塵と灰に化す。
「・・・御主人様?あなたはアホなのですか?何故このような森の中で実験を行おうと思ったのですか?あれですか?御主人様はアホの中のアホなのですか?いや・・・もうアホと言う枠に収まっていませんでしたね。申し訳ありません。私の配慮が足りませんでした。アホの真髄を極められた御主人様にアホなどと言う生易しい言葉は無礼でしたね。私にはかける言葉が見当たりません」
ハクの毒舌は愁の精神に瀕死の傷を与えた。しかし、容赦なくハクは続ける。
「それに、御主人様は無差別破壊をやりたいのですか?もう少しその少ない脳みそで考えて行動してもらえませんか?それとも何ですか?御主人様は考える事を放棄されているのですか?野獣ですか?獣ですか?動物ですか?しっかりと考えて行動して下さい」
ハクの毒舌により愁の精神の耐久力は残り1となった。しかしそんな愁に対してハクはとどめを刺した。
「そして・・・こんな御主人様を見ていても変わらず愛していると思える自分もどうかしていますよね。たまにきつい口調になりますが、変わらず御傍に置いて頂けると非常に嬉しいです」
ハクは恥ずかしそうに身をよじらせながら耳を真っ赤にしながら言う。
チーン。愁の精神の耐久度が0になった。愁はハクの告白を聞いて目の前の世界がブラックアウトした。
「ご、御主人様!?」
何かと苦労の絶えないハクであった。
―――…――…――-
しばらくすると愁は意識を取り戻した。
「うぅ・・・ここは?」
「あ、御主人様!目が覚めましたか?」
愁は周りを見渡した。すると愁はハクに膝枕をされていた。
「あれ?俺どうしてハクに膝枕をされているの?実験をしようとした辺りから記憶が無いんだけど・・・」
愁の記憶は都合よく消えていた。
それから愁とハクは少し休憩した後に実験を再開した。この時ハクは前回の失敗を考慮して消費MPを1にとどめるよう進言した。そして全ての魔法系のスキルの実験が完了した。その後武神を試してみたが、どうやら全ての武器をスキル熟練度Ⅴ以上に使えるようだ。そして両手に別々の武器を持っていようが問題なく戦えることも発覚した(例:右手に剣を持ち左手に槍を持つ等)。
実験を終えてしばらく歩いていると聖域との境界が見えてきた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
次回の話は夜頃に投稿できると思います。
今回の話のハクのセリフ、書いていて少しむずがゆさを感じました。文章力が足りないのかな?それとも語彙力?でもなんとなく言いたい事は伝えれてるから良いのかなー・・・。うーん、悩ましい。
それと聖域の境界に関する説明は文字数の関係上次話にて行います。




