32話:奴隷商会の悪夢再び
31話にて店員が定員になっていたので修正しました。報告して下さった方、ありがとうございます!
―――…―Sight of SHU Start―…――-
俺はハクと共にケイさんに連れられて2階へとやって来た。するとパーマナリアでも見かけたように4つの扉がある。
「まずは此方の扉からですが、男性の部屋のため其方の奴隷の御方は入室を御遠慮願います」
あぁ・・・救いの女神がー・・・
そんな事を考えながら案内された一番左側の扉を開く。するとそこには・・・
うん。案の定睨み付けられたよ。また前みたいに寿命が縮まったよ・・・。
扉の中には前回同様ヤンキー的な感じの人がいっぱいいた。その数10人程度。前に比べて少ないからまだマシだけど、俺の寿命は容赦なく減ったよ・・・。
「いかg「大丈夫です!次お願いします!」・・・左様ですか」
そう言って次の扉を指し示す。前回同様の流れであれば、この先には童〇の男性の奴隷がいるんだよね?また寿命が縮む覚悟をしないとなー・・・。
そんな事を考えながら俺は扉を開けた。
―――…――…――-
扉を開けたその先の光景を見た俺は寿命が半分程度まで減った。うん?なんでそこまで減ったのかって?
今俺がいるのは世界の終わりだよ。英語で言うとthe Day of Judgmentだよ。どんな光景が広がってるかって?俺の目の前には・・・
ヤンキーが10人程度とオホモ達が5人程度いるんだよ。え?なんでわかるかって?そりゃー男同士で抱き合ってたらそう思うよね?
誰?仲間キターとか言った人?仲間じゃないからね?俺普通だからね?一般人だよ?イッパンピーポーに部類されるからね?
ゲフゲフ。毎度ながら少し暴走しました。うん。こんな人たち買ったらハクが何ていうか・・・
「いk「次お願いします!」・・・畏まりました」
ふっ・・・俺の返答速度も大分早くなって来たぜ・・・
そんな事を考えながら廊下へと俺とケンさんは戻った。
―――…―Sight of SHU End―…――-
「お帰りなさいませ、御主人様」
救いの女神事ハクが愁にそう言った。
「うん。特に気に入った奴隷はいなかったよ」
「左様ですか・・・」
そんな2人の会話が終わったところでケンが声を掛ける。
「続いては女性のいる部屋となりますので其方の奴隷の方も御一緒にどうぞ」
そう促されて愁とハクは案内された扉へと入って行った。
―――…―Sight of SHU Start―…――-
・・・。2度あることは3度あるっていうよね?
案の定俺の目の前の光景は予想通りにレディースの人たちがいたよ。しかも今回はみんな目つきが悪い。
俺の寿命がー・・・
女神さまは何をしているかな?そんな事を考えながらハクの方向を向くとハクは一人一人観察していた。あ、多分人物鑑定のスキル使っているな。すると鑑定が終わったのか、ハクが首をかしげる。どうやらお目にかかる奴隷はいないようだ。
「いk「次お願いします!」・・・左様ですか」
安定の速度での俺の返事!ケイさんに案内されて次の部屋へと移動した。
―――…――…―――
・・・。泣いても良いですか?何ここ?本当に奴隷商会?どこかの組事務所か何かじゃないの?レディースのいた部屋にあった次の部屋への扉の先にまたレディースの部屋ってどういう事なの?何?俺の命狙われてるの?誰かの陰謀か何か?
ゲフゲフ。少し暴走してしまいました。案の定、ハクは一人一人観察していく。そしてしばらくすると首をかしげる。ここでもハクのお目にかかるような奴隷はいないようだ。
ちなみに俺から見てもハクのようにビビッと来る奴隷はいなかった。あれかな・・・俺の寿命を無闇に捨てただけの結果になってしまったな。
「いk「今回は結構です」・・・左様ですか」
あ、ケイさんがしょんぼりした。
「それではまたのお越しをお待ちしております。」
そう言われた俺とハクは部屋を出て奴隷商会を後にした。
俺は学んだ。異世界の奴隷商会に行けば多くのラノベではテンプレ的にそこで可愛らしく気に入った奴隷を見つけている。現に俺もハクを見つけた。しかしながら、このアイリスではテンプレ的展開は必ずとは言えないようだった。奴隷商会へ行く=可愛い奴隷ゲット。この方程式はほとんどの小説で成立するがどうやらこの世界では必ずと言って良い程成立するわけじゃないみたいだ。あぁ・・・現実は辛いな。
―――…―Sight of SHU End―…―――
奴隷商会を後にした愁とハクはパーマネリアへとワープで飛びギルドへと来ていた。たまには依頼をして体を動かそうという魂胆であった。そんな愁とハクが掲示板で依頼を探していると受付の方から声がした。
「シュウさん、ハクさん。依頼をお探しですか?」
そこには猫耳美女のリムがいた。
「えぇ、最近オークションやら護衛やらで体をあまり動かしていなかったので・・・」
「なるほど。そんなお二方にお勧めの依頼がありますよ?」
そう言ってリムは依頼書を出してきた。内容は聖域の調査と書いてあった。
聖域。聖獣の住む地域の事で、聖域にて無用な殺生等の荒らし行為を行うと聖獣から罰を受ける神聖な場所である。現に一部の神官や巫女や教会の関係者はわざわざ聖域付近まで行って御祈りをささげるぐらいである。
「聖域の調査とは珍しい依頼ですね?」
「はい。何でもここ最近巫女や神官や教会の関係者から聖域の様子が変と言う情報を得たのでギルドとしても気になっていたところなんです。受けてみてはどうですか?聖域の辺りは険しい地形になっていますので鍛練ついでに受ける人も結構いるんですよ?」
「それはいいですね!受けようと思います。ハクも問題ないよね?」
「えぇ、御主人様が仰るなら私はついて行きます」
ハクの言葉をニヤケ顔で聞いていたらリムさんに睨みつけられた。あぁこの視線心地やっぱ癖になるわ・・・
そんな感じで愁とハクは聖域の調査の依頼を受けた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ヒロインが増えるかも!と期待した方、申し訳ないです。現実的に考えるとこんな展開の方が多くなると思うんですけど、こういう展開を書く小説と言うのが今まで見た事が無かったので、個人的に書いてみたくなったので書いてみた話です。
うん。なんというか・・・新鮮な感じです(笑)
次回の話は今晩か遅くても明日には投稿する予定です。




