28話:騎士団
感想にて、次にいつ投稿するか教えて欲しいという意見があったので、今後書こうかと思います。
「待ちたまえ」
歩いて少しの愁とハクに声を掛けてくる騎士団。
「もしかして先ほどの戦闘行為に関する事でしょうか?」
「あぁ、もちろんだ。事情聴取を行いたいのだが構わないか?」
「もちろんです」
愁は素直に騎士団に従う事にする。自分たちは攻撃をされて仕方なく応戦した。状況は明らかに自分たちに非はない。なので特に問題ないと考えていた。隣にいたハクに関しても同じように考えているのであろう。
「誰かこやつらの行為を最初から見ていた者はいないか?」
騎士が民衆に尋ねる。するとちらほら5人ほど手を挙げた。
「よし分かった。では民衆の者達よ、この者の話を聞いて相違がないかどうか教えて欲しい。もちろん嘘をついた場合などには逮捕されるので嘘偽りの無いように願いたい」
騎士はそう言うと呪文を唱え始めた。
「我、真実を欲する者。彼の者達の悪事を暴き嘘偽りをなくさん。サモン『真実の天秤』」
騎士がそう言うと騎士の足元に魔方陣が浮かび上がる。そしてその魔方陣が発光した後、巨大な天秤が召喚された。天秤にある皿には人が10人ほど乗れるようになっている。
「ではそこの2人は黒い皿に、目撃者の5人は白い皿に乗ってくれ」
騎士の指示通りに皆が動く。黒い皿に愁とハク。白い皿に目撃者の5人がいる。
「それでは黒い皿の上の者よ、何が起きたか話して欲しい」
そう言われて愁は自分たちの身に何が起きたかを説明した。魔石を持っていてそれを複製のスキルを使われて騙し取られそうになった事、それに気付いた自分達に突如死んだ4人のうちの1人が武器を構えて突っ込んできたこと、そして剣を弾き投降するように言い掛けた事、それでも殺して来ようとしてきたので防衛的に殺した事、その仲間たちも同じように何かしてくるのでは?と思い先手を打ったことを説明した。
愁の説明に対して騎士が民衆に確認をした。すると目撃者の民衆たちは自分たちが見ていた状況と供述が一致することを説明した。
「ふむ、なるほど。それではこの死体4人のインフォメーションカードを調べれば結果がわかるであろう。そのためしばらくの間詰所にて拘束したいのだが構わないか?もし連絡したい相手ややることがあるのであればその後でも構わないがどうする?」
「今からで構いません」
「御主人様が宜しいのでしたら私も構いません」
「協力感謝する」
そう言った騎士に連れられて愁とハクは騎士団の詰所へと移動した。
―――…――…―――
結果から言おう。愁とハクは釈放である。インフォメーションカードを調べると4人がグルで愁の持つ土の魔石を奪おうと算段していたことがはっきりした。
インフォメーションカードは死んだその日の死んだ者が考えていたことが残る代物である。つまりインフォメーションカードを調べれば一体どのような理由で殺されたのか。はたまた犯罪行為を犯したうえで殺されたのかどうかがわかる代物だ。またこれは書き換えが不可能であるため殺人の際などには非常に役に立つ。しかしインフォメーションカードは死んだ日にしか取り出しが行えないという欠点が存在する。つまり死体を1日隠し通すことが出来ればインフォメーションカードをとることが出来なくなり、迷宮入り事件の始まりと言うわけだ。
誰?真実はいつも1つって言った子?確かに1つだけど・・・そもそも真実にたどり着けないんだよ?どうしようもないよね?この世界、指紋やDNAの概念が無いからどうしようもないんだよ。自白とインフォメーションカードにしか頼れない世界なんだよ!・・・ゲフゲフ。少し暴走してしまいました。
とりあえず騎士団の詰所から解放された愁とハクは商人ギルドへと向かった。
愁が「やべぇ、騎士団のあの天秤を召喚するスキル超欲しい!」と思った事は内緒の話である。
―――…――…―――
商人ギルドへと着いた愁とハクはテオドールさんに合流してオークションの出品の手続きを済ませた。魔石を出品するという事もあり、その場にいたほぼ全ての商人に、次は私にその魔石を買い取らせてくれ!と言った具合の取引を持ち込まれた。もちろんすべて断った愁。
そんな愁達は宿屋を探して歩いていた。すると宿屋を発見した。
満腹食い過ぎた亭。あれかな・・・セイルさんとラミアさんの宿屋の姉妹店か何かなのかな?そんなっ疑問を浮かべながら宿屋へ入ると20歳ぐらいの看板娘的な女性が出迎えてくれた。
「いらっしゃいませ、満腹食い過ぎた亭へようこそ。当宿の御利用は初めてですか?」
「えぇ、とりあえず2人部屋を3日間ほどお願いしたいんですが空いていますか?」
「えぇ、問題ないですよ。1日食事込みで2人で小銀貨5枚になります。なので3日間で小銀貨15枚となります。」
「わかりました」
そう言って中銀貨1枚と小銀貨5枚を出す愁。それから夕食を済ませて部屋へと向かう。部屋の中に入ると愁はハクを抱きしめた。そしてその後ベッドの中へと二人は入って行きお互い満足するまでやった。
うん。5回は頑張ったと思うぞ俺!そんな愁であるがハクはまだ元気であるようだ。最終的に後1回した後に2人は夢の世界へと旅立った。
―――…―番外編開始―…―――
その日の愁の夢。『〇永の〇っちんプリンを食べる夢』
(あぁ・・・死ぬ前の雪辱を果たすことが出来た!)
・・・やはりアホな主人公である。
―――…―番外編終了―…―――
最後まで読んでくれてありがとうございます!
次回の話は早ければ本日の1時頃までには投稿します。遅くても明日中には投稿します。




