27話:黒き野望の果てと新たな幕開け
本日2話目です。
愁は鑑定を使いディン達のステータスを確認した。
名前:ディン 名前:ケイン 名前:マシュー 名前:サウル
年齢:23歳 年齢:25歳 年齢:26 年齢:21
種族:人族 男 種族:人族 男 種族:人族 男 種族:人族 男
レベル:70 レベル:65 レベル:68 レベル:67
ギフトスキル> ギフトスキル> ギフトスキル> ギフトスキル>
ボックス 風魔法Ⅱ 複製 治癒魔法Ⅳ
闇魔法Ⅲ 火魔法Ⅱ 生活魔法Ⅳ 光魔法Ⅳ
生活魔法Ⅳ 生活魔法Ⅲ 見切り 広域化
スキル> スキル> スキル> 詠唱省略Ⅱ
人物鑑定Ⅱ 魔物鑑定Ⅲ 二刀流Ⅲ スキル>
剣術Ⅲ 剣術Ⅳ 短剣術Ⅲ 杖術Ⅳ
闇魔法剣Ⅱ 気配遮断Ⅲ 探知Ⅲ 体術Ⅲ
料理Ⅲ 罠解除Ⅳ
(ウホッ!宝の山発見!)
愁は涎を垂らしながらディン達を見ていた。ディン達は気味悪がっている。そりゃー、男の集団を涎を垂らしながら見ていたらどんな人だって気味悪がるだろう。ただしハクには奪うスキルの質が高くて軽く興奮しているということが分かっていた。
(それにしてもレベル13って思い込み・・・あぁ御愁傷様です・・・)
案の定、愁はディン達のスキルを全て容赦なく奪った。そしてボックスと念じてディンが持っていたであろうアイテムの類を頭の中で確認する。
アイテムボックスやボックスのスキルは念じると取り出す事の他に中に何が入っているかを確認もできる。2つのスキルは同じギフトスキルであるが違いとしては『ボックス』には重量制限が存在し、『アイテムボックス』にはそれが存在しないのである。ボックスの重量制限はレベル×10kgで最高で100レベルなので1トンまでの荷物を入れることが出来る。ちなみにボックス所持者は1000人に1人の割合で、アイテムボックス所持者はボックスの所持者の100000分の1の所持者、つまり1/100000000の確率でしかない。アイテムボックス所持者の多くは王宮や商人の元で一生を裕福に暮らすことが出来る。あの時、ディン達と出会った時に山賊が持っていたことは非常に幸運であると言える。
さて、ディン達のスキルは全て奪いつくし、道中であった盗賊達からもスキルを奪っていたので多くのスキルのスキル熟練度がマックスになってしまった。そんな愁であるからこそ目の前にいるディン達は邪魔でしかない。
「ハク、土の魔石も返してもらった事だし帰るか」
「えぇ、そのようですね」
「おい、待ちなよ。返してもらったってどういう事だよ?」
「こういう事ですよ?」
そう言って愁は手の上にボックスの中から土の魔石を取り出す。
「バカな・・・どうなってやがる」
そう言ってディンはボックスを念じてアイテムを取り出そうとする。しかしボックスのスキルは愁に奪われたためアイテムが出せるわけがない。
「何故だ・・・何故俺のボックスのスキルが発動しない」
うなだれるディン。それを見ていたケイン、マシュー、サウルは怒りをあらわにしている。
「貴様、何をしたんだ。おとなしく返しやがれ」
「返しやがれって・・・もともと俺の物ですよ?俺の物を奪ったのは貴方達じゃないですか?なのでその言い方はおかしいと思います」
「ふざけんなあああぁぁぁ」
叫びながらケインが切りかかってくる。レベルは確かに向こうの方が高い。しかし愁のステータスは人外的数値である。そのためケインの切りかかりなど5歳ぐらいの子がボーリング場で一生懸命にボーリング玉をピンに向けて転がすほどの速度にしか見えない。
誰?例えがわかりにくくて際どいって言った人?
要するに、愁の目からはケインの切りかかりがスローモーションに見えているという事である。
愁はケインの剣を自らの剣で切り上げる。すると予想外の衝撃にケインの手から剣がこぼれて宙を舞う。
「まだ続けますか?」
「あたりまえだろおおおおお」
そう言ってケインは叫びながら懐に隠し持った短剣を取り出す。愁はワープを使う。突如目の前から愁が消えたとこにケインがあたふたする。突如愁はケインの頭上から現れる。愁はワープで家の屋根の上に移動したのであった。もちろん気配遮断を常時発動してワープ後も気づかれないようにする徹底ぶりである。その手にはアイテムボックスから取り出した魔銀の剣が握られておる。
愁の攻撃に反応できないケインは案の定首から上が胴体から切り離される。
「めんどくさいですけど、不穏な異分子は残しておくのはこの世界にとって害悪です。みなさん短い間でしたがお世話になりました。あの時の御恩は忘れません。そして・・・さようなら」
愁はそう言うと加速を使いサウルとマシューの懐に移動する。もちろん2人には愁が消えたようにしか見えない。そして懐から突如現れた愁に驚く2人。その隙に愁はもう片方の手に聖銀の剣をアイテムボックスから取り出す。そして2振の剣を使いほぼ同時にサウルとマシューの首を落とす。
目の前の惨劇に状況が把握できないでいるディン。
「な、なんでレベル13のお前が5倍以上のレベルを持つ俺達にそんなやすやすと勝てるんだ・・・有り得ない・・・有り得ないんだああああ」
そう言って剣を掲げて愁に突っ込むディン。もちろん愁はそれを躱し剣で首と胴体を切り離す。
「せっかく仲良くなれると思ったのにな・・・残念・・・」
「御主人様気を落とさないで下さい。御主人様は1人ではありません。私が常にそばにいます」
「そうか・・・そうだよなハク。ありがとう・・・」
会話をしながら4人からインフォメーションカードを抜き取る愁とハク。そんな仲睦まじい姿を影から見る2人の男。そんな事は知らずにインフォメーションカードを抜き取った2人はギルドに向けて足を進めた。
「待ちたまえ」
歩いて少しの愁とハクに声を掛ける集団。約30人程度であろうか。皆甲冑を身に着けている。彼らはこの町の治安を守る者達。そう、騎士であった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!




