25話:盗賊と言う名のゴキブリとメリリアナ
感想の御返事が遅れて申し訳ないです。少しづつ返事をしていこうかと思います。申し訳ないです。
24話の少し2時間前にさかのぼるとを少し前にさかのぼるとに変更しました。
22話の対称を対象に修正しました。
指摘して下さった方、ありがとうございます!
テオドールとの野営を終えた次の日、再び歩みを進めていた彼らの前に例のあれが現れた。
そう、盗賊である。
「ぐへへ、女と金目の物置いてどっか行きな。そしたら命だけは助けてやるぜ?」
「あひゃひゃ、御頭何言ってんですか!前もそう言って殺しちゃったじゃないですか?」
「おりょ?そうだっけ?まぁ良いんじゃね?」
「「「ぎゃははは」」」
・・・どこかで聞いたことがあるセリフである。今回は前回ほど人が多くない。しかしだ、この世界の常識人とは非常に貴重な存在であると思える。何故かって?目の前にいる盗賊は・・・
4人組である。うん。すんごく少ないよね。盗賊行為をするならさ、もう少し人数揃えて欲しいよね。せめて2桁はいって欲しいよね。
「ハク、めんどくさいんだけど・・・」
「御主人様、これも依頼です。頑張ってこなすしかないです」
「ハク、正直に答えて。めんどくさい?」
「・・・はい。なんで盗賊たちはこうもゴキブリのように出てくるんですかね・・・」
ゴキブリを1匹見掛けたらそこには100匹のゴキブリがいる。と言う言葉をどこかで聞いたことはあるだろうか?人によっては、30だとか50だとか様々であるが、これは迷信である。詳しくは調べてほしい。
何故ハクがここまでめんどくさがっているのか?実は野営が終わってから歩き始めて盗賊に遭遇したのはこれが初めてではない。
14回ほど遭遇しているのである。ある盗賊は8人組。またある盗賊は30人ぐらいとバラバラであるが一概に言えるのは・・・
金目の物を置いて行く。ハクを寄越せ。
そんな同じような事を何度も何度も聞いていたらめんどくさくなるのは当然である。そして今回の盗賊は今までで最も少ない4人組である。正直相手になるかどうか不明である。
「てめぇら、人様の話聞いてんのか?」
(あー、めんどくせー・・・)
そう思いながら愁はアイテムボックスから魔銀の剣を取り出し加速を使って盗賊達の懐へと入る。そして剣を一閃。盗賊達は帰らぬ人となった。戦闘が始まってから終わるまで僅か2.37秒。新記録である。
うん。そんなのはどうでも良い。とにかく言えるのは・・・
この世界、どんだけバカな盗賊がいるんだ・・・
この一言に尽きる。テオドールも途中から盗賊達の冥福を祈るように手を合わせて合掌している。
「ハクー、疲れたー」
「御主人様お疲れ様です」
「シュウさん、ハクさんお疲れ様です。良ければ馬車に乗って休まれてはいかがですか?」
「良いんですか?ありがとうございます!」
「いえいえ、ここまで盗賊がいっぱいいるとは思わず非常に助かってるから遠慮しないで下さい」
そう言われて愁とハクは馬車の中に入った。馬車に入ってすぐ、ハクが頬を赤く染めながら小声で言ってくる。
「あ、あのー・・・御主人様が宜しければ・・・膝枕をしたいのですが、いかがでしょうか?」
何この可愛い生き物・・・。
「お願いするよ」
そう言ってハクの膝の上に頭を載せる愁。そして愁の頭を優しく撫でるハク。
(あぁ・・・これぞまさしく天国!)
こうして愁は夢の世界へと旅立ち、起こされたのはメリリアナに着いてからであった。
―――…――…―――
メリリアナ。パーマナリア大国において王都を除けば1,2位を争う大規模な街である。そんな街の門に愁とハクとテオドールがいた。そして門番が尋ねる。
「身分を証明する物は?」
そう言われて愁とハクはギルドカードを出し、テオドールは商人としての身分証明書を掲示した。
「よし、通って良いぞ」
そう言われて3人は足を進めた。
「とりあえず、シュウさんとハクさんはギルドへと報告に行って下さい。私は商人ギルドへ行き品物を卸します」
「わかりました。オークションに参加するので後程商人ギルドへと行きますね」
「では商人ギルドで待ち合わせをしましょう」
そう言って3人は別れた。別れた後の愁とハクはギルドへと向かった。
―――…――…―――
メリリアナのギルドは王都ほどではないがそこそこの大きさであった。中へと入ると冒険者の姿は見当たらなかった。
「すいません。依頼完了の手続きをしたいのですが良いですか?」
「冒険者ギルドメリリアナ支店へようこそ。依頼書の掲示をお願いできますか?」
そう言われて愁は依頼書を渡した。
「確かに受け取りました。此方が報酬になります」
そう言って受付の犬耳の女性が中銀貨8枚、8万Lを渡してきた。
「それと、盗賊のインフォメーションカードの買い取りをお願いできますか?」
「えぇ、もちろんです」
そう言われた愁は、道中に遭遇した合計193人分の盗賊のインフォメーションカードを提出した。流石の数に受付の犬耳の女性は唖然としている。隣にいた熊耳の女性も同じく唖然としている。
「えっとー、大丈夫ですか?」
「し、失礼しました!しばらくお時間を取らせますが大丈夫ですか?」
「はい。ではしばらくのんびりしてますね」
愁はそう言って定食屋の方を指さした。
「かしこまりました。しばらくお待ちください」
そう言って犬耳の女性は受付の奥へと向かった。流石の数に隣の熊耳の女性も奥へと行った。それから約2時間後、2人の受付の女性が戻ってきた。
「お待たせして申し訳ありません。193枚の中に賞金首は72名いました。そして全ての報奨金を合計しますと12億1485万3000Lとなります」
そう言って受付の女性は金額をテーブルの上に出した。一気にお金持ちとなった愁であった。
ちなみに193名の盗賊はこの辺のほぼ全ての盗賊で、愁が倒して3年間は1度も盗賊の被害に遭う事はなくなった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!




