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24話:道中とテンプレ

予想以上に書くのに時間がかかってしまいました・・・


申し訳ないです・・・

 リムに別れを告げた次の日、愁とハクはメリリアナに向けて徒歩で移動していた。何故馬車で移動しないのか?それにはとある理由が存在した。話は少し前にさかのぼる・・・


―――…――…―――


 愁とハクは家を出ていて城門の付近を歩いていた。


「あ、シュウさんお久しぶりですー」


 突如愁は声を掛けられた。そこには以前依頼で知り合ったテオドールの姿があった。


「あ、テオドールさんお久しぶりです。お元気にされてましたか?」


「まぁそこそこだね。ところで後ろの可愛らしいエルフさんは君の奴隷かい?」


「えぇ、ハクって言うんです。ハク、こっちは以前依頼で知り合った商人のテオドールさん」


「ハク・アルフィンと申します。御主人様の奴隷をしています。テオドール様よろしくお願いします」


「僕は商人のテオドールだよ。よろしくねハクさん。ところでシュウさんは今からどちらに?」


「メリリアナに行こうと思ってるんです」


「おぉ!もし宜しければギルドに出している護衛依頼を受けてもらえませんか?なかなか決まらないんですよ・・・」


「えぇ、俺達で良ければ受けさせて貰います」


「よろしく頼むよ!これからギルドに行きませんか?」


「わかりました」


 そうしてテオドールと愁とハクはギルドに向かい護衛依頼の手続きをした。そしてそれから城門で待ち合わせをしているとテオドールが馬車に乗ってやって来たのだ。それから城門を出た2人は歩きで、テオドールは馬車に乗って移動を始めたのだった。


―――…――…―――


 テンプレ。ある程度の様式があらかじめ定まっていて、その中の幾つかの要素を替えることで自分なりの望む結果を導くという目的を達するためのもの。とあるネットのページにこのような定義がされていた。何故突如このような文章を載せるのか?それは今現在愁とハクがテンプレ的展開に突き当たってるからである。


「ぐへへ、女と金目の物置いてどっか行きな。そしたら命だけは助けてやるぜ?」


「あひゃひゃ、御頭何言ってんですか!前もそう言って殺しちゃったじゃないですか?」


「おりょ?そうだっけ?まぁ良いんじゃね?」


「「「ぎゃははは」」」


 そう。護衛依頼をしていると何故かタイミングよく出てくる盗賊達である。本当、彼ら飽きないよねー・・・。いろんな作品に出てきてはしょっちゅう瞬殺されるのにも関わらず、モブのように湧き出てくるんだよね・・・でも今回は少し違った。今愁とハクの目の前には確かに盗賊がいる。


 ・・・130人も。


 こんな大人数の盗賊がいて問題ないのか?そもそも盗賊とは何なのか?


 盗賊とは盗みを目的とした連中の事を指します。つまり、コソ泥も、冒険者による冒険者殺しも、作中の様な脅しも、人を攫って奴隷にする人攫いも言い方ややっていることは違いますが、最終的には『盗賊行為』を目的としている事には違いないと思います。つまり目の前にいる130人は『盗むこと』を目的として集まった連中であり、必ずしも常に一緒に行動しているとは限らないのである。そして人により奪おうと思っている物は違うものである。


「シュウさん、やばいですってこの数・・・」


 ガクガク震えるテオドール。


「なぁ、ハク。ヘルフレア使ったら1撃じゃね?」


「多分そうですね。しかし、木端微塵にしてしまうとインフォメーションカードが手に入らないのでお金の無駄になってしまいますよ?」


「でも全員殺すのめんどくさくない?」


「確かにそうですね・・・それとこの数からスキルを奪ってしまえば様々なスキルが手に入るのでは?」


「そうだな・・・目ぼしいやつだけ奪ってヘルフレアで殲滅する。それでいいか?」


「かしこまりました。生き残った者は私が魔法でとどめを刺します」


 静かに作戦を決める愁とハク。鑑定を行って目ぼしいスキルだけを盗賊達から奪う。その結果、『罠解除Ⅰ』×10、『罠解除Ⅱ』×5、『罠解除Ⅲ』、『短剣術Ⅲ』×2、『剣術Ⅲ』×2、『槍術Ⅲ』×4、『斧術Ⅲ』×2、『杖術Ⅱ』×4、『水魔法Ⅱ』、『治癒魔法Ⅱ』×2、『光魔法Ⅲ』、『生活魔法Ⅲ』×8、『ボックス』。


(案外大量だな・・・盗賊さん、テンプレ的に出てきてくれてありがとう。そしてさようなら)


「おい、なんとか言ったr「ヘルフレア」どうn・・・ぎゃああああ」


 愁の目の前には地獄と思える光景が広がっていた。火だるまになる盗賊130人。水魔法を使おうとして使えない魔術師。治癒魔法を使おうにも使えないヒーラー。わかりやすく言うと『カオス』な状態である。


 愁が作り出した巨大な火の球に唖然とするテオドール。そしてそれがさく裂した時の威力を見て開いた口が塞がらなくなっていた。ハクは冷静に盗賊達を見て死ななそうなやつに対して追加でファイアーボールを放っていた。


 30分後。愁の目の前にはこんがり美味しそうに焼けた盗賊の死体130体が転がっていた。そして1体づつから面倒ながらもインフォメーションカードを抜き取った。そうこうしていると2時間近くの時間を掛けてしまった。ちなみにテオドールは2時間近くずっと口をポカーンと開けて別世界を旅行している。インフォメーションカードを回収し終えた愁はテオドールに声を掛ける。


「テオドールさん?大丈夫ですかー?」


「は!?ここはどこ?あなたは誰?」


 テオドールはしばらく復活しなかった。復活したのは野営をしているときだった。本人曰く、


「どこかわからないところを見知らぬ人と空をふわふわ飛んでいたよ~」


 との事。その後テオドールは愁に説明を求めた。口外しないことを約束に愁はヘルフレアのギフトスキルを持つ事を説明した。その時テオドールの顔はしっかりと青ざめていた。

最後まで読んで頂きありがとうございます!

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