19話:冒険登録に来た少年~Sight of RIM~
少し本編からそれたお話になります。リム視点の話です。
そして感想にて様々な方から意見を頂きましたので少し此方でも書こうかと思います。
・18話にミスがあったので修正します。
・今後次回予告等のネタバレ的な物の描写を極力減らそうと思います。
・ハクの事を1日であんなに好きになったり信頼しちゃっていいのか?
→XIOさんの感想にそれについての説明を書きました。もし宜しければ其方を参照して頂けると有難いです。
・あんまり意見に流されずに好きなように書いては?
→ある程度は読者の案も採用しようと思っているので、際どい内容(例:テンプレや独自性と言った漠然とした物)以外の物に対しては対応しようと思います。しかし、極力自分の思っているストーリーを書いていくつもりです。
2014.1月16日追記:
XIOさんの感想に対するお返事を下記に書いておきます。
自分の中での設定なので参考程度にとらえてほしいんですが、主人公の愁は普通の生活を望む普通な人で、周りからそんな冷たい対応をされると孤独な寂しさと言う物があると思っています。そして転移の際も自分一人仲間外れ。そんな状況が長く続くと色々話が出来て自分の事を裏切ってくれない存在と言う物を欲するんじゃないかな?って個人的に思ってます。それが今回で言うハクです。ハク自身奴隷なため主人である愁を裏切ることはまず不可能です。そして奴隷であるため他の人に対して主人の事を話すような事をしないため話し相手としては最適と言えます。そのため最初から好意的に接してしまい、自分の中でのハクと言う存在を大きくして、気が付けば好きになっていた。こんな感じの流れのため出会って1日と言う短い期間で様々な秘密を話した。と言う感じで考えていました。
私はいつものように受け付けにいた。代わり映えのない日常、変わらない隣の親友。
「ねぇリム。この時間って暇だよねー」
「まぁ。冒険者の人達は今頃依頼の真っ最中だからねー」
「なーんか面白いこと起きないかなー」
そんなことを言いながら受付に来た冒険者の対応をするカリン。
「冒険者ギルドはここですか?」
聞き覚えのない声。声のした方向を見るとこの世界では珍しい黒い髪に黒い瞳をした少年が立っていた。新規登録者の方かな?リムはそう結論付けた。
「はい。そうです。新規登録者の方ですか?」
「えぇ、お願いできますか?」
こんな少年で大丈夫なのだろうか?リムの愁に対する第一印象だ。ちなみに第二印象は『ひ弱そう』だ。ちょっと心配だけど無下に断るわけにもいかないしなー・・・
「もちろんです。ではこちらの水晶に触れて『ステータス』と言ってください」
「わかりました。ステータス」
目の前にいる少年が言うと水晶にステータスが表示された。
名前:シュウ クホウイン
年齢:18歳
種族:人族 男
レベル:5
HP:100
MP:50
STR:60
INT:60
SPD:100
LUC:50
ギフトスキル>
アイテムボックス
炎魔法Ⅰ
スキル>
剣術Ⅰ
鑑定Ⅰ
(何この子・・・レベル5のステータスじゃないわ。それにアイテムボックス?なんでこんな子が希少ギフトスキルなんかを持っているのよ。それに・・・変わった名前ね。この子一体何者なの?)
リムはそんなことを考えながら尋ねることにした。
「アイテムボックスとは珍しいスキルをお持ちですね」
「そうですか?遠くの田舎から冒険者を夢見て来た甲斐がありました」
本当かしら?怪しい・・・
「将来有望な冒険者は大歓迎です!では冒険者とギルドの説明を行いますね」
しっかり説明はした。でも何か忘れてる気がするわ。まぁ忘れた時は忘れた時で何とかなるでしょ!
「以上が冒険者とギルドの説明になります。何か質問はないですか?」
「迷宮に入るのには何か条件があるんですか?」
(この子迷宮に行こうとしてる?大丈夫かしら・・・パーティー組むとトラブルが多いし・・・でも業務だから仕方ないわ!)
「よく迷宮を御存知でしたね。迷宮にはDランク以上になると入ることが出来ます。入る際にはギルドに報告に来てください。他にも何かありますか?」
「魔物の素材はどうすればいいですか?道中にミニゴブリンに遭遇してそれの素材があるんです。」
この子ホントに何も知らないのね・・・今後がどうなるのか少し楽しみだわ。
「魔物の素材に関しては此方で問題ないです。買い取りましょうか?」
「お願いします。それと山賊にも襲われてなんとか撃退したんですがそのインフォメーションカードもあるので換金をお願いできますか?」
そう言って私の目の前の少年はミニゴブリンの耳と一緒にインフォメーションカードを6枚も出してきた。ホント一体何者なのこの子・・・
「よく1:6で勝てましたね」
いけない。少し睨んでしまったわ。
「元々、ディンさん達のパーティーが襲われていたところを不意打ちでやっつけたので、インフォメーションカードを全て自分が持っているというわけです。」
特にアイテムボックス以外目立ったスキルが無いのに良く不意打ちが出来たわね・・・どれだけこの山賊達はずさんだったの。呆れるわ。
「なるほど。それではお預かりします」
こうして私はカードを持って奥に行って調べたわ。そしたらこの辺で有名な山賊達だった。うん。あの子何者?
そして私は懸賞金を用意して戻ったわ。するとカリンがあの子に話し掛けてるのを見た。カリン・・・そんな暇があるなら仕事をしましょうよ・・・
「ちょっとカリン何仕事サボって話してるの。そんな暇あるの?」
「あー、うるさいのが帰ってきちゃった・・・別に良いじゃん、少しくらい話したって~。それともまさかリムが嫉妬?」
ホントこの親友は何を言ってんだか・・・
「なわけないでしょ!」
そう言って私はカリンの頭を軽くたたいたわ。痛くもないのに痛がるカリン。はぁ、仕事ちゃんとしなさいよ・・・。
「ごめんなさいね、騒がしくしちゃって。これが山賊と素材の換金分です。それと此方がギルドカードになります。無くさないようにしてくださいね?」
懸賞金とギルドカードを渡し終えると少年が声を掛けて来た。
「どこかおすすめの宿とかありますか?」
おすすめの宿ねー・・・やっぱりあそこかな!あそこの旦那さんの料理は最高だわ・・・あぁ考えたら食べたくなってきたわ。次の休日には食べに行こう・・・っと、業務業務!
「満腹食い倒れ亭がおすすめですね。左隣に3軒行ったところにあります。依頼はどうされますか?」
「今日のところは色々あって疲れたので早めに宿にて休もうと思います。では失礼します」
そう言って少年は去って行ったわ。今考えると何の変哲もない出会いだったけど、まさか私を倒すことになるとはね・・・今後が本気で楽しみになって来たわ。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
今回は愁とリムの出会いに関して別視点から書いてみました。
深い意味は特にありません。なんとなく、いつもと違う人にスポットライトを当てたくなったから書いてみた作品でもあります。




