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お姉さんと私  作者: ゆりかも
第1章 お姉さんと私
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第5話 お姉さんと映画デートしてきます!

5、お姉さんと映画デートしてきます


メグさんと朝食を食べ終えた後、お互いにその日は仕事だったため、少し名残惜しかったが解散することにした。


「気を付けて帰ってくださいね!それじゃ、また日曜日の映画楽しみにしてます!」

「うん、私も楽しみにしてる。お仕事頑張ってね。」

「はい!メグさんも頑張って下さい!」


いつもは面倒臭いし休みたいと思う仕事も、明後日のメグさんと映画を観る約束のお陰か、やる気に満ち溢れていた。


***


※ここから先は、メグさん視点に変わります。


美緒ちゃんと別れた後、一旦自宅へと帰って来た。

玄関を開けて直ぐ、その場に崩れるようにしゃがみこんだ。

(え!?何で美緒ちゃん私のおでこにキスしたの!?)

そう、あの時恵美は完全に寝ておらず、意識も残っていたのだ。


酔っぱらうと自制心が極端に無くなり、甘えん坊になる自分にも心底驚いたが、おでこにキスされた事の衝撃が強すぎて混乱する。美緒ちゃんのご家庭ではあれが普通なのかなと一瞬思ったが、それを家族以外にするとも考えられない。それ以外の理由でキスをする相手…?。


私の頭の中に"好きな人"という言葉が出てきたが、そうなると彼女が私の事を好きだということになる。自分の自意識過剰さに呆れかえった。(私なんかを好きになるはず無いじゃない…。)


ドクンドクンといつもより早く波打つ脈拍に気付き、胸を押さえる。自分のおでこを触ると、昨日の唇の感触が残っている感覚がして恥ずかしくなる。


初めての経験で気分が高揚しているのか、それとも美緒ちゃんだからなのか…。いくら考えても恋愛経験の無い私では、答えに辿り着く事は出来ず項垂れた。


うだうだと考えている内に、仕事に行く時間になってしまった為、急いで準備し、家を飛び出た。


美緒ちゃんとは、知り合ってまだ時間は経っていないが、そんな事関係ない程、たったの1日で打ち解けてしまった。趣味が合うというのも勿論だが、何故だか彼女と一緒にいる時間は凄い落ち着くというか…、ありのままの自分で居られる気がした。


***

※美緒視点に戻ります


時間はあっという間に流れ、約束の当日。私は、メグさんにまた会えることに嬉しさと少しの緊張で胸を一杯にしていた。

事前に聞いておいた住所へ車で迎えに行く。目的地に差し掛かると、メグさんがマンションの前で立っているのを見つけ、窓を開ける。


「メグさん、おはようございます!待たせちゃうかもしれないから、着いたら連絡するって言ったじゃないですかー!寒い外で待たせたく無かったのに…。」と、少し不貞腐れながら言う。


「えっと…楽しみで待ってられなくて…。」メグさんは、そう言うと恥ずかしそうに顔をうつ向かせた。


私と同じ様に、楽しみにしてくれていた事に心の奥底から愛しさが溢れてくる。少し前までは見ていることしか出来ず、一方的に思いを馳せる事しか出来なかった。それが今では、同じ時間を共有することが出来るのだ。


今はまだ数いる友人の一人でしか無いのかもしれない。それでも、もう少し近づきたい…、もっと気を許して欲しい。出来ることなら私だけをみて、私なしでは生きられなくなれば良いのにという醜い独占欲があることへの罪悪感で一杯になる。

付き合ってもいないのに束縛じみた感情をいつか表に出してしまうのではないかと、不安になる。

もしもこの重たい感情を知られてしまったならば、彼女は私を受け止めてくれるのだろうか…。


メグさんを助手席に乗せ、映画館へ向かった。


***


休日ともあり、やはり映画館は沢山の人で溢れかえっていた。

今日観る予定の、ゲームが原作の実写映画のチケットとポップコーンを買い、自分の番号の席に座る。


暫くすると徐々に室内が暗くなり、先ほどまでザワザワしていた館内が静かになった。


映画は、ゲームのストーリーや世界観を忠実に表現していて、さりげなく映画独自のシナリオも追加されていて凄く面白い。

チラッと横を見ると、真剣に映画を観ていたはずのメグさんと目が合った。

まさか目が合うとは思ってもいなく、あからさまに動揺してバッと顔を反らしてしまった。完全に変に思われただろう…と、意気消沈していたら、ポンポンと肩を叩かれた。


ふと顔を向けると、直ぐ近くにメグさんの顔が迫ってきていた。キスをするかのような距離に思わず目を瞑る。しかし、唇に柔らかい感触が落ちる事はなく、代わりに耳元で私にだけ聞こえる声で「面白かったね!」と囁かれた。

私が項垂れている間にいつの間にか終わってしまった様で、目の前ではエンディングが流れていた。

少しでも、キスをされるかもと思った自分を心底可哀想な奴だと思う。


エンディングも終了したため、私達は近くのカフェにて映画の話で盛り上がっていた。


「最後にまさか魔王の弟が出て来て勇者と一緒に戦うとは思わなかったね!美緒ちゃん!」興奮覚めやまぬ様にそう言うメグさんの瞳はキラキラと輝いていた。私が見落としていた所を今話してくれたお陰で大体の内容は知ることが出来た。


「そうですね…。原作には魔王に弟は居なかったのでまさかの展開でした!」

うまく返答出来たか一抹の不安を感じたが、その後も楽しそうに映画の感想を語るメグさんを見ていたらそれも杞憂だったと思えた。


「映画凄く面白かったからゲームもやってみようかな?」と独り言位の声で発せられた声を、私が決して聞き逃すことはなかった。


「じゃあ、まだ時間も早いですし私の家で原作のゲームやりますか?」と、すかさず提案する。

「本当に!?今すぐ帰ろう!」とわくわくさせながら無邪気に笑む彼女は心底愛らしかった。


急いでと言わんばかりに手を引かれながら、足早に車に向かった。おそらく彼女は、何の意識もせずに手を繋いでいたのだと思うが…。好きな人に手を引かれている私は、もっとこの時間が続けば良いのにと淡い期待を寄せる。

それも存外早く車に到着した為、スッと離された手には代わりにハンドルを握らされ、虚しさだけが残った。







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