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邂逅

 もうこれでいいかな?



 Cランク依頼

 ロックバードを3体討伐

 報酬:銀貨5枚



 ロックバード。奇遇ですね、俺もロックエデンなんですよ。

 岩繋がりでこれにしよう。適当?うるさいよ。


 そして再びルミルさんの元へ。


「ルミルさん、これ、お願いします」

「はい、ロックバードの討伐依頼ですね……はい、受理しました。Cランク依頼です、お気をつけて」

「大丈夫ですよ、これでも強いので」


 なんでだろうね。



 ルミルさんと別れて街の外へ。


 あ、その前に刀借りよう。はよマイ刀買えや、俺。





 ロックバードは街の西側に巣を作っているらしい。そこからたまに街の方へエサを求めて飛んでくるそうで、行商人が何度か被害にあってしまったそう。それで討伐依頼が出たんだと。要するに間引きだね。


 まあつまり、比較的討伐場所が近かったわけだ。それもあってこれを選んだ。

 で、どうやってそこまで行くかというと……。


「ほっ、ほっ、ほい」


 走りだね。いや、馬車とかないし。走ったほうが速くなってきたし。馬車並に速く走る美少女の図、シュールだなあ。


「っふう」


 はい到着。一時間かかってないね。速っ。


「あれかな?」


 空を見上げれば、数羽の鳥。ただしでかい。2mはあるんじゃない?どう進化したらああなるの?


「で、私の仕事は」


 あれを、撃ち落とせばいいのね。








 刀、要らんかったな。


「はいどーん」

「ギュェェエエ!!」


 風魔法で首チョンパァ!


「はいばーん」

「ギュボッ……」


 土魔法の杭でヘッドショット。


 火魔法は……素材が駄目になるから使えないな。


「まかんこうさっぽー」

「ギョェッ!?」


 人差し指から高圧水鉄砲。これまたヘッドショット。


 今3羽殺したから、あと2羽。

 丁度2羽飛んでる。殺ろう。


「キョッ、キョエエエエ」

「キャキョォオオ!」


 あ、逃げた。


「……あっ、逃げんな!」


 待って!私を置いて行かないで!私、あなたなしでは生きていけないのっ!


「……あー」


 まあ、待ってくれるはずもなく。


「もう、めんどくさい、なあっ」


 逃がすかボケッ!


 前傾で走る。にんにん。

 風魔法で加速。


 障害物が邪魔だな。飛ぶか。


 土魔法で足場を盛り上げて、タイミング合わせて、ジャンプっ!


「fooo!!」


 上空7mくらいまで上昇。きもちー!



 〈スキル《跳躍Lv1》を獲得しました〉



 お、ラッキー。


 からの〜。

 風魔法で体勢を維持。ええ、飛んでます。私は今、鳥になる。

 ぶっつけ本番でもなんとかなったな。



 〈スキル《飛行Lv1》を獲得しました〉



 ……それは人が獲得していいのか?








 ◇








「……ふむ」


 なかなか、追いつけない。

 速いな、さすが本職鳥。にわか鳥では勝てないか。うん、にわか鳥ってなんだ。


「このままじゃ……」


 巣に着いちゃうな。殲滅しなきゃかな?


「めんどくせえ……」


 ……む?鳥共が急降下した。巣かな?巣だね。着いちゃったよ。


 俺も続いて急降下。意外と風魔法の調整がむずい。


 上から数える。

 1、2、3……7羽か。殺れるな。殺ろう。

 さてさて、今日初めての出番だ。今の貸し出し刀は血に飢えてるよ?


 1羽だけ離れたロックバードに狙いを定めて。


「はいすっぱーん」

「キュッ……」


 着地と同時に首を切断。奇襲だよ。


「「「……キュエェェエエ!?」」」

「こんにちは、死ね」


 言ってみたかったこのセリフ。


 ……ん?



 巣の奥。


 ちらりと視界に入る白い影。


 あれは……。



「人?」


 なんでここに?

 邪魔なんだけど。

 一緒に潰していい?


「……はあ」


 ここで見捨てて殺したら後味悪いよなあ……。


「……めんどくさ」


 へいへい、助けてやりますよ。たぶん女の子だったし。男だったら助けなかったかも。




 今、推定女の子が倒れているのは巣の奥。ロックバード達の後ろ。ここからだとちょい遠い。


 どう助けようかなあ、適当でいいかなあ、いいよなあ。


「……『岩壁(ロックウォール)』」

「ごぶぅぅうっっ!?」


 女の子の下から土魔法でどつきます。


 女の子が飛びます(跳ばされます)。


 はいキャッチ。


 OH,YES.MISSION COMPLETE.


「ぐふっ、けほっ、え、何!?何が起きたのっ!?てかここどこっ!?」


 うるさいなあ。


「うえっ!?なにこれ!?あなた誰!?」


 うるさいなあ。

 殴るよ?


「何この人めちゃ美少じyげぼろぉぐはぁっ!!」


 あ、ごめんもう殴ってた。


「「「「「クエェェェエエ!!」」」」」

「おっと」

「おえっ」


 翼から飛んできた石礫を避ける。

 ロックバード忘れてた。

 さっさと処理しよう。


「ちょっ、降ろし……」

「皆殺しだ」



 突っ込んできたロックバードをジャンプして躱しながら、そいつを足場に宙返りして後ろから刺す。


「キョェエ……」

「おえっ」


 そのまま空中に風魔法で足場を作って、面食らってるもう1羽をチョンパ。


「キョッ……」

「おううっ、げほ」


 再び飛んできた石礫―――魔法かな?―――をさらに高く飛び上がって回避、ロックバード達の後ろへ着地。


 そこから一気に加速。

「おえっ」

 魔刃で刀を伸ばしてっ。


「しっっ!」


「「「ギョェエエ!」」」


 3羽を一気にぶった斬る。あと2羽。

 お、逃げようとしてる。今度はやらせんよ。


「『岩蔦(ロックバインド)』」


 土魔法で脚を拘束。これでもう飛べないねえ。


「キョッ」

「死ね」


 あとは殺すだけ。はいおしまい。


「ふう」

「う、むり、おぅっ、おぼろろろろ」


 うわっ、俺の腕の中で吐くなっ!ぶん殴んぞっ!


「ごふぉぉおお!!」


 あ、ごめんもう殴ってた。






 ◇






「無理だって……あんな立体機動されたら耐えられないって……」

「………」


 うん、なんか、ごめん。


「……『洗浄(クリーン)』」


 水魔法で彼女のアレがかかった腕を洗う。人前だから一応詠唱をつけてみた。あってるかは知らない。


「……ところで」

「はひっ!!」


 いやビビりすぎ。


「貴方、何でこんなところにいるんですか?魔物の巣ですよ、ここ」


 改めて彼女を見る。



 服はそこまで汚れていない。ここに来てそれほど時間は経ってないのかな。


 歳は……14か5くらいか?背は低い。


 まだ幼さが残る顔つき。しかし、その造形は整っており、とても可愛らしい。


 しかしそれに不釣り合いなのは胸。


 デカイ。めちゃデカイ。これが所謂ロリ巨乳。



 そして特徴的なのは、その髪。


 純白。


 全く混じり気のない白。


 神聖ささえ感じさせる美しさだ。


 その髪を肩甲骨の下くらいまで伸ばしていて、毛先は少しカールしている。



 さらに、彼女の纏う雰囲気。


 それは、どこか、独特で。


 畏れさえ感じさせるような。



 だが、なぜか少し、懐かしい――――



「………」


 何者だ?



「いや、えっと……言わなきゃだめ?」

「………」

「分かりました言います言うからその拳を握らないで下ろして殴らないで結構痛かったからその無表情やめてお願い殴らないで殴らないで殴らないで……」


 そんなに怯えなくても……。


「ほら、言ってください」

「え、えっとね、私、鍛冶師やってるんだけどね?」

「はいはい」

「剣打ってたら、金属がなくなっちゃって」

「ふむふむ?」

「取りに行こうと思って」

「……ん?」

「一人で山まで行こうとしたんだけど」

「……んん?」

「途中でなんかおっきい鳥に捕まっちゃって」

「………」

「そのままここに来た〜、っていうか、連れてこられた〜、っていうか……」

「………」

「………」

「………(保存食用かな……)」

「その無言やめて〜!怖いから〜!」


 あれ、こいつ、もしかして馬鹿か?


「つまり、貴方の不注意でここに連れてこられたと?」

「そういう……ことかな?」


 ああ、馬鹿か。


「そうでしたかそれは災難でしたねでは私はこれで(棒)」

「待って〜!置いてかないで〜!せめて街まで連れてって〜!」


 ……もう、めんどくさいなあ。


「じゃあ、ほら」

「わ〜い!ありがとうっ!」


 差し出した手を繋ぐ。


 ふふふ、これからどうなるかも知らないで。


 さあ、フライトの時間だ。


「あっ、まだ自己紹介してなかったねっ。私は――――」

「私の名前はユウカ=ロックエデンです、以後お見知りおきを」

「……被せてきた〜」


 知らんな。




「コホン、では改めて――――





 私はリンベル、ドワーフの鍛冶師だよっ。歳は28っ!よろしくねっ、ユウカちゃん!」





 これが、俺とリンベルの出会いだった。





 ……なるほど、美少女白髪ロリ巨乳残念お姉さん系アラサードワーフ鍛冶師か。


 属性過多だな。

ヘロイン(麻薬)の登場っ!

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― 新着の感想 ―
[一言] ついにリンベルが来たか.....!!
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