洞爺丸台風通信記録5 3時~6時 長い夜~夜明け
3時
02⇒03ハセマ⇒ハコ
0040南防波堤灯台より72度650m
10⇒11ハコ⇒トイセマ 呼び出すもNoAns
11⇒12ハコ⇒キミマ 呼び出すもNoAns
12⇒13ハコ⇒ロセマ
タセマと接触せる時の状況知らせ及びヒタマ乗組員救助せる由詳細知らせ。
14⇒15トニセマ⇒ハコ
0300南防波堤灯台より230度2.1浬の地点ににてチチュウSW15突風20m波4うねり3
18⇒19ハコ⇒キミマ 呼び出すもNoAns
18⇒19ハコ⇒トイセマ 呼び出すもNoAns
19⇒20ハコ⇒ロセマ 医者行けぬランチ送る
20⇒21ハコ⇒トイセマ 呼び出すもNoAns
21⇒22ハコ⇒キミマ 呼び出すもNoAns
22⇒23ハコ⇒タセマ 北見丸との通信は?
26⇒27ハコ⇒イシマ 呼び出すもNoAns
29⇒30ハコ⇒ハセマ
キミマ・トイセマの船影なきや
30⇒31ロセマ⇔タセマ 接触事故の件について
41⇒44JKJC(国際緊急遭難通信)
第六真盛丸 QUM 27日0340
53⇒54ハコ⇒ハセマ
キミマ・トイセマ見えたか?
58⇒59ハコ⇔トニセマ
キミマ・トイセマの状況判るか?⇒判らぬ
59⇒00ハコ⇒ロセマ
キミマ・トイセマ見えたか?
4時
04⇒05ハコ⇒タセマ 2度呼び出すもNoAns
07⇒08トニセマ⇒ハコ
0400南防波堤灯台より241度2.3浬の地点ににてチチュウW10波3うねり5度各部異常なし
08⇒09ハコ⇒タセマ
キミマ・トイセマの動向頼む
18⇒19ハコ⇒アホ(青森桟橋)呼び出すもNoAns
35⇒36ハコ⇒トニセマ
夜明けと同時にトイセマ、キミマの動向調べウナ返事頼む。
51⇒53ロセマ⇒ハコ
救助せるヒタマ乗組員の氏名水手H,O、S、I火手O全員蘇生意識回復す。
55⇒56トニセマ⇒ハコ
0450トイセマ、キミマその他遭難船捜索に向かう
58⇒59ハセマ⇒ハコ
本船沖出し後走錨泊中振れ廻りの為錨鎖絡みたる為天候回復次第調査予定
5時
06⇒09JNI⇒ハコ
だいぶ明るくなったから洞爺・日高の遭難通信を一応解除しては如何?
⇒少し様子見る。
21⇒22トニセマ⇒ハコ
南口灯台より西1.2浬にキミマと思われる転覆船あり。
22⇒23イシマ⇒ハコ
本船運航可能の状態にあり現在位置航路筋、転錨するにつき貨車如何するか?
25⇒27ハコ⇔JNI
南口灯台より西1.2浬に北見丸と思われる転覆船ありとの事。救助頼む⇒OK
31⇒32トニセマ⇒ハコ
0520連絡船員死体1名収容す、尚七重浜に連絡船ボート等漂流中
35⇒36トニセマ⇒ハコ
キミマらしき船の遭難現場にてボート下し捜索中 AS
41⇒43トニセマ⇒ハコ
七重浜沖に赤腹を出した鉄船あり確認に行く、なお該沈船塗料新しい船名不明
45⇒46ハコ⇒タセマ
現在位置及び状況トイセマ見当たらぬかウナ返事待つ
49⇒50トニセマ⇒ハコ
キミマ、トイセマの投錨地点に転覆し船首の船底を海面に露出せる連絡船あり、なお付近捜索中、底極めて新しき故トイセマと思われる
57⇒59ハコ⇔JNI
十一青函丸、北見丸沈没したらしき為救助乞う、十一青函丸の位置函灯台より245度2浬、北見丸の位置函灯台より257度1.2浬の地点ヨロタム⇒Ok
6時
01⇒02トニセマ⇒ハコ
本船捜査打ち切り港内に向かう
04⇒05イシマ⇒ハコ
本船位置精測の結果左の通り北防波堤より134度1.1浬
22⇒23トニセマ⇒ハコ
0613港内22番錨地に投錨
44⇒47JNI(国際緊急遭難通信)
27日0637青函連絡船洞爺丸及び日高丸QUM
昨夜函館港付近で座礁転覆人員漂流目下鋭意捜索中、函館海保
終わり
改めて、自分自身で通信記録を打っていると、一層深く理解出来ました。段々自分自身が通信士になった気分になり、あの日に溶け込んでいくようでした。
日航123便のように音声ではなく、モールスなので、伝達が遅く文も短く、専門用語が多いですが、当時の空気は十二分に伝わると思います。




