89話
「わー、すごーい。こーくんのそれ、とてもきれいだね~」
また夢を見ていた。
場所は前と同じく、どこかの病室。
登場人物もあの少年と少女だ。
少女は何か病気を患っているらしく、ベッドの背にもたれかかっていた。
「ふふーん、すごいでしょ。これ、最近、練習してできるようになったんだ~」
少年は得意げに胸を張る。
「うんうん、すごい、すごい。あやも、こーくんみたいにやってみたい」
「うーん、どうだろ……。あっ、そうだ。それなら、あやちゃんが病気を治したら教えてあげるってことでどうかな?」
「うん、絶対だよ。絶対」
「あははは、わかったよ。なんなら指切りする?」
「うん」
少年と少女が、お互いに小指を出し、絡める。
「―――――嘘ついたら針千本のーます♪」
「「指切った♪」」
指切りをすると、なんとなくおかしくなってきて、お互いに笑い出す。
見ていてとても微笑ましい光景だ。
「こーくん、もう一回さっきの見せて」
よほど気に入ったのか、少女が少年にせがんでいた。
少女の無邪気なお願いに、少年が笑みを浮かべる。
「もう、仕方ないなぁ。じゃあ、あやちゃんにもう一度見せてあげるね」
「うん」
そして、少年はとある言葉を口にする。
「――――【接続】」




