表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
82/114

80話

 七章 第二


 志藤さんが帰った後、俺は自分の部屋でベッドに寝転がりながら、ミステリー小説を読んでいた。

 普段はあまり小説を読まないが、櫻木さんがおすすめと言っていたので試しに読んでみることにした。


 読み始めてから一時間後、机の上に置いてあったスマホが震えた。

 俺は本にしおりを挟み、ベッドから起き上がる。

 スマホの画面を明るくすると、一件のメッセージを受信したと表示されていた。

 すぐに、アプリを起動し、内容を確認する。


『今週の土曜日に開かれる秋祭りに行かないか?』


 遼からのメッセージだった。そして、このメッセージは俺個人に宛てたものではなく、七海や牧原さん、それに志藤さんを加えた文化祭のバンドメンバーのグループに宛てたものだった。

 遼のメッセージにすぐ既読が付く。


『もちろんいいわよ!』


 了承の言葉とともに可愛らしい熊のスタンプが送られた。七海だ。


『私も行きたい BY友愛』


 牧原さんも賛成のようだ。

 しかし、そのメッセージは遼の端末から送られていた。どうやら今は遼と一緒にいるらしい。


『なんで遼のスマホをゆーちゃんが使っているのよ……』


『ごめん、遼くんと一緒の部屋にいるのに、お互いスマホをいじるのはなんか変な感じがして BY友愛』


『いや、遼のスマホを使っている方がおかしいでしょ! 何気にラブラブアピールをするな(#^ω^)』


 七海がメッセージ上で怒っている。すると、メッセージの既読数が三人となった。


『ごめんなさい、今メッセージを見たわ。私もその日ならお祭りに行けそう』


『よっしゃ。それなら五人で行くか』


『おーい、遼、俺の意見は……?』


『えっ? どうせ昂輝はヒマだろ?(笑)』


『う……、ヒマだけど……』


『それじゃ、土曜日の午後六時、駅前の金時計前に集合で』


『ええ、わかったわ』


 志藤さんのメッセージの後に七海が「了解」のスタンプを押す。

 俺も柴犬が敬礼しているスタンプを送信した。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ