表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/77

昇格と乳

 さて、大漁大漁。綺麗に捌いて全部ポーチにしまう。


「エルシィさん、それ容量おかしくないですか?」


 新人さん達全員がめっちゃ頷いている。


「おかしいよ。メイドインルイスの逸品ですからねぇ。超便利ですよ~。ルイス、今度作ってあげてよ」


「予備があるから今あげるよ。昇格祝いってことで」


「マジっすか!?」


「エルシィにあげたのの試作とかだけど、市販品より性能は高いよ」


 一人ずつにポーチをあげて説明してました。帰りはルイスだけを担いで…と言いたいとこですが面倒なので転移陣で帰還。私はギルマスに報告して帰りたかったのですが……




「ぎゃはははは!呑め呑め!」


 冒険者ギルド名物、祝いと称して呑みたいだけのおっさん達に捕まりました。まぁ、仕方ないね。


「私からのお祝いは、これね」


 彼らにあらかじめ用意しておいたものを渡す。


「これ…」


 彼らが今持っている奴よりランクが高い武器たち。動きを見て選んだから、問題はないだろう。え?武器コレクションするのが趣味なんだよね。エルシィチョイスはハズレがないと評判なんですよ。


「ギルド名物、先輩による洗礼だよ。それ使ってかかってこい!その武器はプレゼントです!」


『はい!』





 結果?


 勝てるわけないよね。これでも勇者ですから。駆けだし冒険者には負けませんよ。ただし瞬殺せずに改善点を教えてあげました。改善点があるってことは、まだ伸びしろがあるってことだよね。


 ノリで挑んできたベテランはコテンパンにしてやりました。現在は酒場のすみっこでいじけてます。拗ねるなら、やらなきゃいいのに。


「キャー!エルシィ様!!」

「エルシィ様、すてきぃぃ!!」


 今日もギルドの子猫ちゃん達は可愛いね。


「ありがとう」


『きゃあああああ!!』


 でも、これじゃちょっとうるさいかな?


「ちょっとだけ、静かにね?」


『は~い!』


 うむ。子猫ちゃん達は素直でよろしい。さて、ルイスは………あれ?



 ルイスにバインバインのボンキュッボンな美女が話しかけている!!いらっとしたが、あえてここは余裕を見せるべきか?考えていたら、ルイスに引き寄せられた。





 ん??






 私は現在、ルイスに腰を抱かれています。


「ベタベタ触らないでいただけますか?気持ち悪い。僕のエルシィが胸がない筋肉小娘だぁ?よく見ろ!エルシィは世界一可愛い!!」




 何が起こってますのん??




「エルシィ、諦めろ。ルイスの病気だ。どんな名医でも治せん」


 いつの間にか来ていたシルスは死んだ魚みたいな目をしている。


「…恋の病的な?」


「そんな可愛いもんじゃないと思うが…似たような奴だ」


 ルイスはそんな私達のやり取りを微塵も気にせずナイスバディの美女に怒鳴っている。


「エルシィはなぁ、僕が毎日お肌の手入れをしているからもちもちプルプル肌だし、まつ毛も長くて顔も整ってるからオバサンと違って厚化粧で誤魔化す必要はないんだよ!」


「それは言い過ぎ「な、なんですってぇぇぇ!?」


 厚化粧の美女がキレた。ルイスの中で、彼女は対象外であるらしい。あのポヨンポヨン、羨ましい。


「エルシィ=ヒルシュなんて、ペチャパイの筋肉娘じゃない!」


「なんだと?」


 ルイスから冷気が…!


「ルイス、魔力!魔力が漏れて「エルシィは美乳だ!ペチャパイじゃない!!」




 はい?





「張りのある吸い付くような手触りと、ピンクの愛らしい「きゃああああああ!?待って!それ言ったら駄目だから!」


 慌ててルイスの口を塞いだが、まさかの手を舐められて慌てて手をどけてしまった。


「形よし、色よし…さらに、大きさについては今後僕が育てるからいいんだ!今でも満足しているし、エルシィは感度もいい!」


「へ?や、いやああん!!」


 どこ触ってらっしゃるんですか!?ルイスさんがご乱心ですよ!ちょ、誰か助けて!公開プレイは勘弁してえええ!!


「やめんか、この愚弟があああああ!!」


 シルスの拳骨が炸裂しました。あれは痛い!!


「いったぁぁ……」


「ルイス、大丈夫?」


「大丈夫じゃないけど、ごめん」


「うん。是非気にして。二度としないで」


 私は真顔だ。二人きりならともかく、公開プレイはあかん。しかも同意なしで乳を揉んではいけない。ただの痴漢だ。私もルイスにやるけどね。ん?ならいいのかな?うーん??


「そうだね。エルシィが悶える姿を見ていいのは僕だけだ」


「う、うん?」


 なんかニュアンスがちょっと違う気がしたけど…まぁいっか!しないでくれるならいいや!


「とにかく、オバサンはエルシィを貧乳とか言いやがったけど…貧乳はあんただろ!服飾職人ナメんな!あんたの乳は偽物だ!!」


「な………!?」


 え?あの厚化粧美女の乳はエセ乳なの?あ、何人かが頷いてる。マジか。


「そんなエセ乳でエルシィを貶めるなんて許せない!そもそも、そんなに美人でもないくせに、さも『私はいい女』って感じでふるまってて痛いんですけど?僕の作る装備や魔具目当てですり寄ってきてるのは理解してるけど、僕にとってあんたは魅力的でもなんでもない。すり寄られても気持ち悪いんだよね」


 ルイスさん、的確に相手のメンタルをフルボッコにしております。


「う、うわあああああん!!」


 ついに、厚化粧のエセ乳美女が泣きながら走り去った。


「勝った……!」


 ルイスはやりきったと言わんばかりの笑顔でした。清々しい笑顔でした。ルイスは本気であの厚化粧エセ乳美女を嫌がってたようです。


「ルイスさん、素敵です!あのババアをギャフンと言わせるなんて!」


「ババアの偽パイを見抜くなんて、流石です!!」


「ルイスさん、最高!!」


「流石はエルシィさん以外の女子を虫けら扱いする男!!」


「エルシィ様の乳を揉んだのは許せんが、エルシィ様がエロ可愛かったので誉めてやる!よくやった!」


「このリア充が!うらやま妬ましいわ!!」


 主に女性冒険者から賛辞をおくられるルイス。なんかたまに変なヤジも飛んでいる。

 冒険者ギルドは、今日も大にぎわいです。



 一言だけ、言わせてください。







 なんだこれ。

周囲のテンションについていけないエルシィでした(笑)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ