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最大の危機!?

エルシィ視点に戻ります。

 皆さん、こんにちは。エルシィです。ついにルイスと両想いになれました。正直、超浮かれてました。

 しかも、ルイスから数年分のプレゼントまでいただいて、超浮かれてました。調子こいてました。

 え?何かあったのかって?




 帰宅したら、シルスがいました。手紙を渡されました。




『しばらく実家に帰ります。ルイス』





 手紙にはルイスの筆跡で、実家に帰らせていただきますですよ!


 私の何が不満なの!?胸があんまりない(推定Bカップ)こと!?稼ぎ…は悪くないけど仕送りしてるからあまり収入がないから!?家事を任せきってるから!?色気もないし、女子力低いし、家事できないし……やばい、落ち込んできた。でもそこは今さらだ。そんなないないづくしの私でもルイスはいいと言ってくれた。


つまり、最近変わったことが原因か!最近変わったこととといえば………


 まさか…まさか………





 私のセクハラに耐えられなくなって!?





 やりすぎた!?兎ってかまいすぎるとハゲるもんね!原因はかまいすぎ!?でもルイスったら可愛いからつい……ルイスがいるのに愛でられないなんて、無理!!


 私は家の前で倒れた。



 なんてこった。








「マスター、もう一杯!」


 私は冒険者ギルド併設の酒場でのんだくれていた。

※エルシィはまだ未成年なので飲んでいるのは牛乳です。


「…腹下すぞ?」


「のまなきゃやってらんないのよぉぉ~」

※飲んでいるのは牛乳です。


「…何があった?」


 答えたくない私の代わりにシルスが返答した。


「色々あって、(ルイス)が家出した」


『ええええええええ!?』


 聞き耳をたてていた冒険者達が驚愕した。盗み聞きすんな。シルスも勝手に答えないでよ。


「マジか!」

「ついにか!」

「あのガキにエルシィちゃんはもったいねぇ」

「俺にもチャンスが!?」

「いや、別れて正解だろ」

「しかし、エルシィちゃん嫁に逃げられた旦那みたいだな」



 色んな声が聞こえた。わかれる?やだ。そんなの、いやだ!!嫁に逃げられた旦那!?確かに!!


「うわあああああん!ルイスにフラれたぁぁぁ!!ルイスううう!!だって、だって両想いになれたから、つい!触ったり色々したいじゃない!!」


「おま!ルイスになんかしたのか!?」


 ついに、我慢していた涙が溢れて止まらなくなった。悲しくてたまらない。シルスの質問はシカトした。


「マスター、おがわりぃ…うあああああああん!!」


「泣くか飲むかどっちかにしろよ…ったく…」


 呆れつつ私の涙と鼻水を拭ってくれるマスターは優しい。しかも、大好きなリンゴジュースを出してくれた。メニューにはなく、マスターが気まぐれで出してくれるレアな手づくりジュースなのだ。しかし、大好きなジュースでもルイスを失った悲しみは癒えない。リンゴジュースはしょっぱかった。


 何故か家で手紙を渡してからずっとついてきていたシルスが何かを覚悟したような表情で土下座した。


「エルシィ、違うんだ!ルイスは…俺が悪いんだ!好きなだけ殴れ!」


「……………はい?」




 シルスによると、ルイスに昔話…つまり私のヤンチャ冒険者時代の話をしたら急に


『僕がエルシィの未来を奪った』

『彼女にあわせる顔がない』

『僕がエルシィを不幸にした』


 などと言って実家の部屋から出てこなくなり、私が心配するからと手紙を渡すように言われたそうだ。とりあえずシルスは手紙を持参したらしい。

 シルスは何故ルイスがそう考えたのかわからないとのこと。


「役立たず」


「ぐっ…」


「こうなったら、土下座してでもルイスを取り戻す!」





 そして、覚悟してルイスに会いに行ったのですが…


「ごめんねぇ、ルイスは会いたくないって…」


 まさかの門前払いでした。


 ルイスママことお義母様も困惑しているようだ。しかし、相変わらず可愛らしい。20代でもおかしくないぐらいに可愛らしい女性だ。


「あのエルシィちゃん好き好き大好き会いたくて仕方ない片時も離れたくない我が子ながら将来が心配なストーカー気質のルイスがエルシィちゃんに会わないなんて…明日は天変地異が起きるに違いないわ」


「………えっと」


 ルイス、家でどうなってんの??槍を通りすぎて天変地異?いや、好き好き大好きストーカー気質??


 いやいや、そこはどうでもいいね!私の要求はひとつ!!


「では、ルイスが来るまでここでキャンプします」


「あら」


「おい!?」


「大丈夫、野営には慣れてる」


「家の前でキャンプすんなよ!普通に客間に泊まれよ!」


「いや、ご迷惑では…」


「家の前でキャンプされる方が迷惑だ!」


「きゃああああ!」


「「え?」」


「エルシィちゃんがお泊まりするの?」


 ルイスママことお義母様がキラキラと目を輝かせた。


「えと…」


「きゃああああ、今日はご馳走にしなきゃ!エルシィちゃん、お肉?お魚?いいえ、どっちも用意するわね!」


「あの…」


「あらやだ、エルシィちゃんのパジャマと着替えと下着を用意しなきゃ!きっとルイスの部屋に可愛い奴があるはず…いえ、買ってきちゃおうかしら!」


「………シルス…」


 困ってシルスに話しかけた。


「すまん…今日だけでいいから、泊まってやって」


「……………いや、私はいいんだけどさぁ」


 しかし、何故実家に帰らせていただきますと言って家出した(ルイス)を連れ戻すために嫁の実家に来たら歓待されてお泊まりって………意味がわからない。

 しかしお泊まりはルイスママことお義母様の中で決定のようなので素直に従うことにした。


 お義母様可愛いくて好きだし、嫁姑はできれば仲良くすべきだよね!

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