70話 集結っ!!
目の前には輝くように美しく、とっても美味しそうなショートケーキ。
ほかほかと暖かそうな湯に甘そうないい香りを漂わせるココア。
「う〜ん」
本当にこんなゆっくりとしてていいのだろうか?
いやまぁ、用意してもらったからにはこのケーキとココアは美味しくいただくけれども。
というか! そんなことよりも今は魔王ナルダバートとどう戦うかについて考えないと!!
王宮で対魔王ナルダバートの作戦会議をするとかいってアルトお兄様の転移で帰ってきたわけだし!
「ソフィー? 大丈夫か?」
「どうかしたかい?」
「っ! やっぱり、王宮であんな事があったから疲れちゃったんだね?
バルト! すぐにソフィーが仮眠を取る準備をっ!!」
「作戦会議は私達がやっておくから、後の事は全部私達に任せてソフィーちゃんは休んでいいのよ?」
エレンお兄様、アルトお兄様にお父様……そしてお母様まで!
ちょっと考え事をしてただけなのに、みんなして大袈裟過ぎますっ!!
まったく、こんなときまで家族の過保護が遺憾無く発揮されるとは……
「ちょっと考え事をしていただけで、別に疲れてるわけじゃないよ?」
「あぁ! ソフィーっ!!」
「なんて健気なんだっ!!」
「我慢なんてしなくていいんだよ?」
「……」
うん、まぁなんだ。
こういう状況でもお兄様達とお父様がいつも通りだっていうのは、ちょっと安心するというか、落ち着くんだけど……
こんなにヒシッ! って抱きしめられるとちょっとウザい。
「貴方達、ソフィーちゃんが困ってるでしょ?」
「お母様……!!」
昨日の緊急依頼でのダンジョンの一件から、暴走気味なお父様達を差し置いて私に構いまくってたお母様がお父様達を窘めたっ!!
よかった、魔王襲来っていう緊急事態を受けて、いつもの冷静なお母様に……
「さぁ、ソフィーちゃんこっちにおいで」
「……」
うん、これはいつもの冷静なお母様に戻ったわけじゃないな。
だってお父様達から解放されると即座に抱き上げられて、今度はお母様の膝の上に座らされたし。
多分これ、自分の膝の上に私を乗せたかっただけだわ。
「ふふふ、ほら貴方達も早く座って。
ルミエ様、お願いします」
「任せて。
じゃあ、まずは昨日のダンジョンから……」
お、お母様? ルミエ様? いったいなにを……なんか不穏な、めっちゃ嫌な予感がするんですけど……
パチンっ!
ルミエ様が指を打ち鳴らすと同時、リビングの灯りが落ちて壁に映像が……
「っ!! る、るるるるルミエ様っ!?」
「ふふっ、じゃあこれから昨日のダンジョンで初めて水着を着て恥ずかしがってるソフィーの可愛い映像を見るわよ」
まずいっ! もう既に壁に迷宮〝魔法神の休息所〟第一階層の最奥にある湖が映し出されてるけど……まだ水着を着た私の姿自体は見えていないから今ならまだ間に合う!!
これだけはっ、これだけはなんとしてでも阻止しなければっ!!
「あ、あのっ! こんなことより、早く魔王ナルダバートの対策をっ!!」
そ、そうだ! 早く対策を立てないと、魔王相手に後手に回ることになってしまう!!
つまりっ! 私達は今、こんなことをしている暇はないのであるっ!!
「ふふふ、もう手は打ってあるから安心して良いわ」
「へっ?」
「今は待ち時間だからこうして寛いでいるのよ?」
それはいったい、どういう……
「っ!?」
こ、この気配は! ま、まさか……っ!!
「あら、もう来たのね。
ソフィーちゃんの活躍を見ようと思ってたけれど……残念だけどお預けのようね」
な、なんでこの人達が……
「ふふふ、もう少しゆっくり来た方が良かったかしら?」
「一応言っておくけど、これでも私は一国の主人として結構忙しいんですからね?」
「よっ! 嬢ちゃん、昨日ぶりだな」
「マリア先生に皇帝陛下にガルスさんっ!?」
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