48話 親子
「ふふふっ、そうなのね」
「そうなのです!」
突如として王都の近郊に出現した謎のダンジョンが、実は魔法神様のダンジョンだったとわかったら驚くのは至って当然だもん!
「けど……魔法神ね。
そう言えば、こっちでは……」
「ルミエ様?」
「いえ、何でもないわ。
それよりも、これからどうするの?」
「むっ」
う〜ん、どうしようかな?
ぶっちゃけ、ダンジョンの正式名称が判明した時点でギルドからのダンジョンの調査っていう依頼内容は十分に満たしてると思う。
ダンジョンの正式名称は、ごく一部のダンジョンを除いて本来なら最奥まで到達しなければわからないものだし。
それが魔法神様に関連する名前だったらなおさらだけど……
「よし! 進みましょう」
だって、まだダンジョンに入っただけでなにもしてないし。
これでダンジョンの調査を行なって、攻略するために冒険者として冒険をしただなんてとてもいえない!
私は冒険者として、冒険をするのだ!!
「むふふっ」
「ふふっ、じゃあ行きましょう」
「はい!」
とりあえず、入り口から真っ直ぐ奥に向かって進もう。
次の階層に繋がる道か、仮にこのダンジョンがこの階層しかなかったとしてもダンジョンの核であるダンジョンコアがどこかに必ずあるハズだし。
「とはいえ……」
見渡す限りの草原!
「確かにこの草原で日向ぼっこしながらお昼寝したら気持ちよさそうだけど……ダンジョンの名前も魔法神の休息所だし、あんまり危険なダンジョンじゃないのかな?」
「ここは、あの人……魔法神の別荘がある場所がモデルになっているみたいだからね。
少なくともこの階層は安全領域になっているんじゃないかしら?」
「なるほど〜」
確かにダンジョンの第一階層がなぜか安全領域になってることは多いし。
その安全領域に街が造られて、迷宮内都市として大勢の人で賑わってるのも珍しくない。
ここは魔法神の休息所。
休息所っていうくらいなんだから、ルミエ様のいう通り魔法神様の別荘がある場所がモデルになっていて安全領域に……
「ん? んんん〜!?」
ま、魔法神様の別荘がある場所がモデルっ!!?
そのいい方じゃあまるで……
「ル、ルミエ様、まさか……?」
「魔法神とは知り合いよ。
いや、知り合いというより……」
「ゴクリ……」
し、知り合いというより……?
「まぁ、とにかく知った顔ね」
「ルミエ様〜!!」
「ふふっ、ごめんなさい。
そう可愛らしくほっぺを膨らませて怒らないで?」
べ、別に怒ってないもん!
「むぅ〜」
「ふふふっ」
「ルミエ様、私のほっぺたをつつかないでください!」
「あら、ぷにぷにだっからつい。
お詫びに、そうね……本当はダメなんだけど魔法神について私が教えられる範囲でなんでも一つだけ教えてあげるわ」
なんでも!
ど、どうしようっ!?
あくまでもルミエ様ご答えられる範囲でっていってるし、あんまり深いことを聞いてもルミエ様を困らせることになってしまう。
「う〜ん……あっ、そうだ!
じゃあ、ルミエ様と魔法神様の関係を教えてください!!」
「あら、本当にそんな事で良いの?」
「はい!」
さっき変に濁されて地味に気になってたし、ことの発端だからね!
うんうん! 我ながら素晴らしい機転だっ!!
「ふふっ、わかったわ。
実は、私と魔法神は親子なのよ」
「ほうほう」
ルミエ様と魔法神様は親子……
「ほぇっ!?」
「私は魔法神の娘。
魔法神は私のお母様なのよ」
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