ハンバーグ
ダンジョンにそろそろ入ることになりそうなのですが、どうしてもご飯が出ないのです。
どうしましょう?
ご飯まで一気にという事になると一気に六話ぐらい出さねばならくなりそうなのです。
間を取って、毎日二話ずつでも許してもらえるでしょうか?
お手数ですが、ご意見がありましたらコメントをお願いします。
そろそろ食べおわる頃に見計らって、厨房を出て客席の方へ行くと、
「おかわりは十分かな」
口を開く前にそんな言葉が来ます。
「あ、いえ、そうではなくてですね、一応報告がありまして」
「「「「報告?」」」」
視線が一気に集まります。
「今度一度ダンジョンに入ってみようかと思いまして。そう言う報告です」
「あぁ。ダンジョンね」
食べおわって、お水を飲んでゆっくりしたまま返事をしてきたのはがーさん。
「まぁ、そろそろかなとは思っていたけど。準備は?」
「そこまでしっかり進んではいない感じです。武器や防具もよくわかっていませんし、あと精霊から情報は仕入れていますが、それとは別でギルドにも話を聞いてそれからのつもりでもあります」
「まぁ、それなら大丈夫かな。因みにどの位潜るつもりなの?」
「どの位と言われても、階段を何回か降りると転移の魔法陣があると聞いているので、とりあえず無理のない範囲で数階降りて戻ってこようと思っています」
僕の言葉に皆さんは頷くばかり。
「その様子なら、大丈夫だと思うよ」
うちの一人がそう言うと、
「「「だね」」」
皆さんも一応オッケーを出してくれた感じ。
「じゃあ、一度潜ってみてもいいですかね?」
僕は嬉しくなって言うと、皆さん笑顔で先程同様に頷いてくれます。
「明々後日はお昼あるよね?」
いつも喋らない土の人が小さめの声で聞いてきました。
「ええ。それまでには戻ると思いますよ。というか、明日か明後日このペースだとダンジョンに入れるかどうかもまだ微妙ですけど……」
一応思うままに応えてみたのですが、
「ダンジョンなんて、武器持ってとりあえず入ろうと思えば入れるからなぁ。低層階なら防具もほとんどいらないし。ある程度の地力もあるように見受けられるから、勢いも大事だと思うから、とりあえず勢いには逆らわない方がいいぞ」
そう教えてくれるのは火の人。
その言葉に同意するように、男性陣が頷いているのを女性陣も静かに見守る感じ。
「勢い、ですか」
「そう。勢いって言うのは大事だぞ?次でいいと言い続けて数年なんてあっという間だ。勢いとタイミングが揃っている時にはその波に乗る選択をしなければ、次がいつ来るかわからないものだからな」
その言葉はなかなか重たく、心に響きます。
考えてみれば、高校を卒業してすぐの勢いで僕はこっちの世界に来ているわけで、勢いの大事さは他の人よりも知っている気がしていましたが、少し臆病になっていたのでしょうか?まぁ、ダンジョンという単語で思い浮かぶのが命のやり取りなので、慎重さも必要なのもあると思うので、その辺りはちょっと慎重に。
「分かりました。勢いも大事にします」
「うん。そうしてくれ。まあ、勢いだけではいけないから、時間が足りないわけではない今は無理をして来週にと先に延ばす必要はない程度に思ってくれればいいよ」
「ですよ。ダンジョンは命のやり取りがあるのですから。まあ、それでも安全でしょうけどねぇ」
「安全、ですか?」
「ええ。かなり魔力が育っているのは見てとれるので。それだけ魔力があれば大抵の事は大丈夫でしょう?」
でしょう?と言われても、あまりよく分かっていないのですが。
「魔力が育っていると大丈夫なのです?」
分からないので聞いてみると、
「「「ん?」」」
皆さんの視線が、一気にこちらに。
「え?」
「戦い方は知っているのよね?」
「え?」
一気に静かになったのですが、
「そこで私の出番なのですよー」
ふよふよと浮きながら、精霊が厨房の方から出てきます。精霊の一部にシャリアンピンステーキソースのタマネギが付いているので格好良くはありませんが。
「「「「あぁ……」」」」
「え?」
僕はさっきからこれしか言っていない気がするのですが、勝手にビックリされて勝手に納得されて。
「うん。大丈夫だよ。うん」
その言われ方、大丈夫な気があまりしないのですが、本当に大丈夫なのでしょうか?
「そう、ね。大丈夫よ」
僕に聞いてきた水の女性も何かに納得して大丈夫と言います。
「という事で、がーさん?雅と近日中にダンジョンに入りますね?」
精霊が宣言するようにがーさんに向かって言いました。
「はいはい。まあ、気をつけてね」
「ええ。勿論です」
すると、もう十分という空気が全体に広がってそのまま皆さん帰る様な空気になったのですが、
「あの、出来るなら……」
さっきと一緒で小さな声で土の女性が言います。
「今日もお土産が欲しいです。明日も美味しいもの食べたいので」
皆さんが帰る空気だったのに、その一言で皆さんピタリと直立不動。時が止まったようにシーンとした空気に。
「お土産ですか……」
キノコのソテーもマッシュポテトもお土産という量は無く。勿論メインだったステーキもありません。ただ、カットしただけなので、お肉はあるのです。
「おや?その顔は何か思いついたかい?」
がーさんは僕の変化にすぐに気が付いたようで、聞いてきました。
「皆さん自分の家で焼いてもらうという事であれば……」
「焼く!」
「焼ける!」
「火は任せろ!」
「焼くぐらいならぁ」
「……(無言の高速頷き)」
「お土産っ!」
「いいわねぇ」
「満場一致だね。勿論僕の分も頼むよ?」
「じゃあ、すぐに取り掛かるので、えーっと、食後のコーヒーだけすぐに淹れますよ」
ペーパードリップであれば一気に用意も出来るので、味も雑にはなりますが淹れる準備をしようとしたのですが、
「いや、皆結構子供の舌だからね。コーヒーはイイよ?ジュースでいいだろう?」
がーさんがそう言うと、皆さん頷いてくれます。
「では、お言葉に甘えて。すぐに調理しますね」
他にも色々とダンジョンについても話を聞きたいところですが、お土産を準備しましょうか。
「えーっと、確かこの奥に……あった」
取り出すのはミンサー。コレが無いと流石に包丁でひき肉にするのは骨が折れそうです。
精霊の用意してくれたお肉は結構な量だったので、丁度今日のランチで使ったのは半分量。丸々残った半分をミンサーに入れやすい大きさにカットして、ミンサーを通してすべてひき肉に。
お肉をひき肉にしたらボウルに入れて、次の作業。
今日大活躍のタマネギをここでもたっぷり、みじん切りに。
みじん切りにしたら、フライパンなどで炒めるのがいいのですが、時間も無いので今日はレンジで温めます。かなり熱い状態になるので冷ましてこの後使います。
急いで冷ましたいときは、箸などでかき混ぜて粗熱をパパッととるのも手。時間があればゆっくり待っても大丈夫です。
ひき肉に塩、コショウ、パン粉、牛乳、卵。そしてしっかり冷ましたタマネギを入れて、手でこねます。
ここでなるべく自分の手や触るものは低温で。
しっかりと混ぜ合わせたら、食べる大きさに分けていきます。
今日は一人400g。200gのハンバーグを袋に入れて、同じものをもう一つ。
後は食べる時に多少形を整えるだけで大丈夫。
念のために計りでやっているので誰が多いも少ないもありません。
三十分ぐらい経ってしまったでしょうか?七人分を作り終えて、客席へ。
「お待たせしました。お土産、ハンバーグです」
「この前のお子様ランチの時の?」
「あー、この前は合い挽きだったので、今日は牛のみで味わいはちょっと違うかもしれません」
焼き方の説明をどうしようかと思ったのですが、
「私が食べるので、焼き方を厨房で見せてあげてはいかがでしょう?」
「それだと時間がかかるから、却下」
「えーーー。美味しそうなハンバーグぅぅぅぅぅ」
そろそろソースが付いているのを指摘したいところではありますが、それは後にして、簡単に説明を。
「フライパンに少量の油を敷いて、まずはお肉に焼き目をつけてください。両面に焼き目が付いたら、お湯を肉の下四分の一浸る程度入れて蓋をしてください。七分程度蒸らしたら、ひっくり返して減った分もう一度お湯を足します。同じく七分蒸らして、最後は蓋を外して水分を飛ばして完成です」
僕がつい、早口になりながらも説明をしたのですが、
「オッケー」
「イケるはず」
「た、多分大丈夫」
あまり慣れていない様子の三人と、
「「「「問題ない」」」」
慣れている四人。
「牛肉なので、基本的には大丈夫だと思いますが中が生の色だったらもう一度火を通してくださいね?生の色をしていても温度が一度しっかりと入っていれば大丈夫なのですが、そう言うのは分からないと思うので」
「おっけー」
あまり信用のない返事が聞こえたので少し心配になりながらも、分けたハンバーグを渡していきます。
「ありがとう。明日も楽しめるよ」
「これは今夜早速だな」
皆さん、自分のタイミングで食べてもらうので、
「あの、出来れば明日までには食べてくださいね?もし、食べないのであれば冷蔵庫じゃなくて、冷凍庫で」
とりあえず言えるだけの注意をしてみましたが、大丈夫かなぁ?
どたばたとした食後もとりあえず終わり、皆さん帰っていきました。
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




