醤油ラーメン
昨日のお昼に褒められたのが何かとても嬉しく感じて、かなり気分が良かったのか今朝は結構早い時間に起きました。
起きてすぐはいつもの行動で、手早く済ませると朝食。
昨日作ったものをすぐに消費もいいのですが、残り物を食べるのも一つの手。多少残っているモノを温めて、食べ終えると良い事を思いつきます。
思い付いたら、次は確認。
朝食の食器などは一度水に浸けた状態にして、冷蔵庫や冷凍庫を確認すると流石の万能冷蔵庫。お目当ての品がちゃんとあります。
「よし、今日のお昼は決まりだね」
ポツリと言うと、
「お昼が決まったのです?」
独り言に反応するのは精霊。
「そう。今日は何を作ろうか迷わないで、すぐ決まったよ。それも自信作」
「出来ていないのに、自信作なのですか?」
「まぁね。今日は楽しみにしてくれていいよ!」
自分の中でもコレだけ言えるぐらいには好きな料理。
「じゃあ、楽しみにしますけど、その前に私の分の朝ごはんは?」
「あ……」
自分の分の朝食は済ませましたが、残り物は食べきってしまったのでありません。
精霊の分になるものが無いので、ちょっとだけ困ることに。
結局、コーンフレークなどを混ぜたものを出して朝食として貰って、僕はお昼の為の大事な準備作業。
今日は早く起きましたが、それでも少しお昼までには時間が足りない程。時間のかかる料理ですが、大好きなので気になりません。
「よっし、やるか」
気合を入れて、まずは一番時間のかかるスープから。
使うのは鳥ガラ。冷凍されているモノを今日は冷凍庫から出して一緒に使う材料は生姜、ネギの青い部分、ニンニクぐらいでしょうか。お酒やお水も後で使いますがその時でいいでしょう。
鶏ガラは解凍をしっかりしてまずはお湯を準備。
鶏ガラを一度しっかりと白く色づくまで茹でます。茹であがったら、流水を使って血合い、汚れ、こびりついてしまっている内臓などを綺麗に取り除きます。
綺麗に洗った鶏ガラを別の鍋を準備して入れたら、生姜のスライス、ニンニクは一度潰したモノを入れてネギの青い部分も一緒に入れて、お酒と水を入れて沸かします。
最初は強火で一気に沸騰させると、灰汁が出て来るので丁寧に掬ってあげて一度きれいにしたら火を弱火に。コトコトと煮込んでいると灰汁が出て来るのでそれをしっかり掬っていけば、ガラスープは出来上がり。
煮込んでいる間に次の食材の準備をします。今日のランチに無くても困らないけれど、あると嬉しいゆで卵を先に。
卵を一度常温に戻して、ある程度形が残る半熟卵の時間で茹でてゆで卵の準備。
茹で終ったら、後で殻を剥く作業があるのでそれも別の作業と並行でやります。
次に作っておきたい、ベースにもなるチャーシュー。
肩ロースの豚肉の塊をタコ糸などでギュッと縛って、油を敷いたフライパンで全面を焼く作業から。
因みに、縛らなくても味に影響はないのですが、出来上がりの形がいいので今日は縛っておきます。家で食べる時はあまり縛らなかったのですが、お店ともなればその辺りも必要という事で。
全面を焼いた後は鍋に。
鍋に一緒に入れるのは水、お酒、醤油、ザラメ、生姜のすりおろし、ニンニクもすりおろしをいれます。
ゆっくりこれでコトコトと煮るだけで十分美味しくなるのですが、お昼に少しタレも使いたいので、今日はこれを圧力鍋で。圧力をかけないでゆっくり作れる時は生姜もニンニクもスライスで大丈夫。時間をかけない分すりおろしただけ。
一度ここへ三十分程度圧力をかけた状態で煮込んであげればかなり手早く済みます。
圧力を逃がしたら、少し弱火でそこが焦げ付きやすいので定期的に混ぜながら、少し煮込めばチャーシューも出来上がり。
味付け卵にしたい場合はここへ茹で卵を入れてあげれば、いい味に。
いたってシンプルなラーメンはこれで殆ど完成です。
後は大事な隠し味を作りましょう。
今日、大活躍のネギをもう一度使って作るのは油。
使う材料はネギ、生姜、ニンニク、そしてサラダ油。
ネギの青い部分は煮込みで結構使っているのですが、更にここでも大活躍。青い部分も白い部分も三センチから五センチ程度で切りそろえて、生姜はスライス、ニンニクは芯を抜いてこちらもスライス。
すべての材料を鍋に入れたら、サラダ油をどばーっと。
三十分ぐらい弱火でクタクタと煮る感じ。途中箸などで焦げつかない程度触りながら野菜の旨味を油に乗せていきます。
後はザルで濾して使うのは油。
このネギ油が今日のラーメンの最高の隠し味であり、大事なワンピース。
「よっし、これで殆ど完成かな」
煮込み料理が多いので、調理場は結構な熱さですが自分の心も同じく熱々。
作っているうちに楽しくなってきているのですが、ネギ油のいい香りで今日は我慢できそうにありません。
「精霊、試食しない?」
いつもはしたい?と聞くのですが、自分が食べたい気分の方が上。
「イイのですか?」
「うん、ちょっと一杯作るから。一人分も二人分も変わらないから」
あとは麺を茹でるぐらい。麺もこの冷蔵庫は準備があるので本当に不思議。
ちゃんとした生麺が粉を振って用意されているので二人分取り出します。
「是非、食べましょう」
という事で、二人分を作ります。
麺のゆで時間は麺毎に。何度も作っているので分かるというか、この麺は一分半がベスト。という事で、麺を取り出すのは一分十五秒。十五秒でラーメンを仕上げる形で茹でていきます。
茹でる前にスープの準備も。
チャーシューの煮込み汁、ネギ油、ゴマ油、オイスターソース、醤油、塩。
ここへ鶏ガラスープを入れて作る、あっさりとシンプルな鶏醤油味のラーメンスープ。
鶏ガラスープは麺をあげるちょっと前に入れるのでそれ以外だけをいれておきます。
「一気に作るよ」
スープの準備も完了。熱湯に麺を入れて箸で麺がくっつかないように混ぜながら、タイマーで時間はキッチリと図っていきます。
まずは鶏ガラスープを入れてラーメンスープを完成させて、次に麺をお湯から出して湯切り。パッ!っと水気を飛ばしたら、スープへ麺を入れて箸でスープと馴染ませるように整えます。
切っておいたチャーシュー、煮卵かゆで卵を半分に割ったものを乗せてシンプルなラーメンの完成です。
二人分が出来あがったら、すぐに着席。
「「いただきます」」
余計な言葉を発することなく、まずはスープを一口。
「ん」
醤油味のラーメンスープなのですが、オイスターソースのおかげでコクもあり、ネギ油がいい感じに中華の形でまとめてくれます。
次に麺を一啜り。
スープに麺が絡んで、自分の好きな味のラーメン。
アッサリでちょっと人によっては物足りないと言われそうですが、この味が自分の好きな味。
「んーー。最高」
ゴマ油だけでも十分美味しく食べられるのですが、やっぱりネギ油があるとちょっと違うので、コレが最高。
「雅、これは凄く美味しいですね。あと、箸が使えてよかったです」
そういえば、少しずつ上達している精霊の箸使い。
今の状態は丸く浮かんでいる精霊に箸が麺を持っていく感じ。箸をおいてレンゲでスープも飲めているので、見た目によってはちょっとした透明人間(顔しかない)のようにも見えます。
「美味しかった。もう一杯……は我慢、我慢」
久しぶりの自分のラーメンは今日も最高でしたが、ちょっと色合いが足りない気がするので、今から作れるものを足す方向で。
「となると、ほうれん草かな?」
ほうれん草を塩茹でして、ちょこんと乗せれば緑も。
「後は、多分冷蔵庫の中に…………あった」
グルグルと渦を巻いたナルトを発見。
「雅、まだスープが残っているので乗せてくれるのです?」
「はいはい。端っこの大きい所あげるからちょっと待って」
念のためにご飯も炊いておけば、準備は万全。
今日も精霊はいつも通りに食いしん坊です。
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