キクラゲとトマトの卵炒め
お客さんが帰って、自分たちの昼食も終わったらいつも通りの自由時間。
今日はストックのコーンフレークやグラノーラを作るつもりなので、外出というよりはそのまま作業が地続きになる感じ。
グラノーラは二度目ですが、コーンフレークは何度かやってきているので少し慣れたモノ。そしてコーンフレークは魔法の練習にもなるので、結構魔力調整で神経も使います。
「よし、作るかな」
食材を準備して、慣れた手つきで調理を始めます。
何度もやっている事なので手順を間違える事も無くサクサクと。
いつもランチを作るときには全然気にならなかったのですが、今日は何故か無音の静寂が少し寂しく感じます。
思い出してみると、調理の時にそれほど大きくない音でラジオがかかっていた事や曲が流れていたこともあったことを思い出します。ただ、こっちにラジオなどがあるのかもわからないので、それが丁度気になったのもあって精霊を呼んでみます。
「精霊、居る?」
「勿論。今日のランチも美味しかったです」
返事と一緒にお昼の感想というのが精霊らしいのでちょっとだけ僕としても頬が緩みます。
「ラジオとかはあるの?」
「ラジオですか?……こちらの世界にはないですね」
少し間があって返事があったので調べたのでしょう。
「そうかー。曲とかは?」
「歌や楽器はありますが、そこまで普及はしていないですね。あちらの世界は……凄く発展しているのですね?」
「発展という意味ではそうかもしれないね。でも結構料理とかこっちの世界でも発展しているように見えるけど、そこの辺りはどうなの?」
「えーっとですね……。禁則事項に引っかかった様なので何も言えないですね」
ん、どういう事だろう?
「禁則事項って?」
「多分、がーさんが今知ってしまうとつまらないだろうという配慮だそうです」
何かしらの理由があるという事は分かりました。これ以上は精霊に聞いても返事は難しいのでしょう。
「じゃあ、しょうがないか」
「ですね。あとはがーさんから聞くというのも手ですけど?」
聞いてみたいところではありますが、今はダメという事はいつかは大丈夫になる可能性があるので焦る必要もありません。
「いや、大丈夫。今はダメならそれはソレで十分」
「そうですか。あ、それでしたらここ数日集めた情報の話をしましょう」
それは丁度いい。
ちょっと静かだったので一緒にしゃべってもらうか、音を聞きたい気分だっただけなので、報告を聞くことに。
「うん、お願い」
精霊は頷くように一度動くと、ピタリと空中で停止して色を安定させると喋ってくれます。
「ダンジョンですが、かなり探索が進んでいるようで今は比較的安全なものになっているようですね」
「安全になっているの?」
話しながらも手はそのまま。コーンフレークを紙の上に薄く伸ばして後は火で炙りましょう。
「ええ。階層ごとに階段があるようでそれを降りていく形のダンジョンだそうです」
パッと頭に浮かぶのはゲームの知識で何となく浮かぶソレ。
「えーっと、下がっていくのでいいの?」
「ですね。下へ行けば行く程敵も強くなるそうです」
うん。ゲームと一緒でその辺りは分かりやすいかな。
「因みにどうやって戻るの?」
「何階か下がると転送用の魔法陣があるようで、それを使って戻るという風に聞きました」
ますますゲームと一緒だなぁ。そんな中に自分が今度挑戦しようとしていると思うとちょっとだけワクワクするところ。それよりも気になるのは、
「転送用の魔法陣?」
「私に聞かれてもどういうモノかは知りませんよ?そういうモノがあるという事までしか分かりませんでしたから」
「ん、わかったよ。っと、並べたしちょっと待っていて」
コーンを何枚も薄く伸ばしたモノがある程度溜まったので、一度魔法を使いましょう。
厚さのある火のブロックを作ってソレを伸ばしたコーンに近づけるとチリチリという音。そして少し経つと、コーンの香ばしく焼けた香り。
ある程度の位置で焦げないように調整して焼いたら、次に準備したところに火のブロックと一緒に移動。それを数回繰り返して、すべて焼いたら一度魔法を止めて、焼き加減の確認。パッと見るといい感じに焼けて見えるのですが、手で触ってみると焼きが甘く中は少ししっとりしてしまっていることがあるので、その場合はもう一度軽く炙ります。
そんなことを数回繰り返して、次はグラノーラ。
手順は殆どコーンフレークと変わらないのですが、こっちはどうしても厚みがあるので、魔法で焼くには中まで火が通りません。なので、前回同様にこっちはオーブン。
先に温めている間に、さっきのコーンと一緒の伸ばし作業をして、後はオーブンに入れて時間を計って出すだけ。
そんな感じでストックの食糧を作りながら、ダンジョンの話を聞いていると結構いい時間。
「そろそろ、お腹が空いてきませんか?」
精霊もお腹が減ってきたようで、夕飯の催促です。
出来立てのフレークとかをつまみ食いして、ある程度お腹を満たさせるという方法も少し頭をよぎりましたが、そうなるとストックがいつまでも出来あがらないので今日はつまみ食い禁止の状態。
「そうだね、何か作ろうか」
何がいいかな?とりあえず美味しいものがいいよなぁ。
ご飯は残っているのでおかずだけでいいかな?そんな事を考えていると、
「出来るならお昼から時間も経ったので、お腹減っているのですが……」
「はいはい。じゃあ手早く作れるものにするよ」
「ええ。お願いします」
速さも必要そう。
冷蔵庫を開けて、いい物発見。
「よし、決めた!」
夕飯のおかずを作りましょう。
使う材料はキクラゲ、卵、トマト。
キクラゲは石突の硬い部分があったら取って、一口大に。トマトはヘタを落として櫛切りにしたら準備完了。
ボウルに卵を割って、フライパンにサラダ油を敷いて火にかけたらまずは卵をふわっと焼きます。
卵を焼いたら、一度皿に取り出してから同じフライパンでいいのでキクラゲとトマトを次は火にかけます。
トマトに火が入ると全体的に柔らかい感じになってくるので、オイスターソース、塩、コショウで味付け。最後に先に焼いておいた卵を戻して少し温める程度にいっしょに火を入れたら出来上がり。
短時間で美味しくて、栄養価もしっかりしている一品おかずの完成です。
「出来たよー。ご飯よそって食べよう」
「早いし、いい香り。最高ですね?」
「そう言ってもらえると嬉しいね。さ、食べよう」
「ええ。いただきます」
夕飯を食べながら、ダンジョンの話をもう少し聞いて。
今日の夕食も楽しい時間を過ごせました。
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