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鰯のトマト煮缶のニンニクチーズアレンジ

 お酒を飲んでいたのは結局がーさんだけで、串揚げに肉吸いまで食べたので皆さん満足していただけたようで。

 お昼は問題なくおわり、いつもの片付け。

「雅、今日のお昼はとっても良かったです。あれもこれも食べられる上、シメの肉吸い。お出汁を味わえるだけでなく、肉に豆腐に。口の中が幸せでした」

「それはよかった」


 片付けはいつもよりも少し楽で、少し面倒。お皿などの量は少ないのですが、串があるので、まとめてゴムで留めておきます。

 お皿やソースの容器を洗って、ゴミもすべてまとめていつもの場所へ。

 そこでふと気になったのはゴミの行方。

「ねぇ、精霊?」

「なんでしょう?あ、ダンジョンの話はまだ調べ終っていませんよ?」

 結構色々とやってくれているのは知っているので、焦らせるつもりは勿論なく、聞きたかったのは別の事。

「ゴミって、いつもそこへ出した後どうなっているの?」

「ゴミですか?」

 毎日調理するので平日は一日一回。休日は調理の量で変わりますが、それでも毎日のようにゴミは出るわけで、生活で出るゴミも少なからず。それをいつも屋外に来た時から備え付けられている所へ捨てるのですが、それを回収された所は見たことがありません。

 街中を歩いたときにゴミ箱は普通にあったので、専門の業者などが居るのかとも思えますが、パッと見て分かる様な服装の人に会ったこともありません。

「ゴミはですね、ゴミ箱に入れたら土の精霊が片付けてくれていますよ」

「土の精霊?」

「ええ。家の中で調理の時に火の精霊が手伝っているのは何となく分かっていますよね?」

「勿論。風呂場や水場の水の精霊も分かっているよ」

「それと一緒で、土の精霊がゴミを処理しています」

「処理してくれているんだ」

「そうです。まぁ、詳しくは私も知りませんけど、そうらしいです。あ、今名前の出なかった風の精霊も風で街中を綺麗にしていますから蔑ろにしちゃだめですよ?」

 なるほど。風の精霊も掃除をしてくれているのか。というか、考えてみればこの家に来てもうすぐ一月経つのに、埃を払った記憶は皆無。家の中を綺麗に保ってくれていた事に今更気が付きます。

「なんというか、精霊達にお礼を言わないといけない位色々とやってもらっているんだ?」

 ちょっと申し訳ない気持ちになります。

「御礼は大丈夫って言っていますよ?」

「え?」

 それは何の話?

「私も精霊ですから。この家などの精霊と話が出来ますので。ちらっと確認をしてみましたが、みんな喜んでいますので、問題ありません」

「……なんで?喜んでいるの?」

 御礼になるようなことをしている記憶はありません。

「えーっと……、秘密だそうです」

「えー。そこが聞きたいのに!」

「いつも通りに過ごしてくれて大丈夫だと言っています」

 いつも通りに過ごす?自分の行動をパッと頭に浮かべてみます。その行動のうちのどれかが精霊の為にもなっている?

 多分一番精霊に近い部分は魔法を使った時でしょうけど、あまりこれと言って思い浮かぶものもありません。

「分からない」

 出た結論はそれぐらい。

 いくら考えても、こういう時はどうにもなりません。

「まぁ、いいじゃないですか。今日も木刀を作るか、磨くかですか?」

「そうだねぇ。あとは精霊の話を聞いて一度ギルドで話を聞いて、がーさんに許可をもらってそれで初めてダンジョン入りかな?」

「そのぐらい慎重でいいと思います。じゃあ、今日も私は別行動で、でわでわ」

 それだけ言うと、ポンと消えてしまった精霊。

 昨日の続きなので、今日はやすりがけ。

 いつもの南の扉を抜けて、頬を撫でるような気持ちのいい風が今日も吹いてくれます。


「いつも、掃除してくれてありがとう」


 聞こえているのかどうかは分かりませんが、知ったことを伝えるためにもポツリと言ってみると、もう一度風が吹いたような気がします。

 木刀を磨いて、ゆっくりと時間は過ぎていき夕方に。


 一人だとかなり長く感じるのはそばにいつも精霊が居てくれている事になれているからでしょうか?

「あ、夕飯考えてないなぁ」

 南の扉を抜けた辺り、家に着く前に夕飯のことを思い出しますがパッと簡単に思いつくことも無く。

「何にしよう」

 一から作るには多分精霊が待てない気がするので、アレンジメニューを頭に浮かべます。

 こうなってくると便利なのは缶詰。

「あ、いいのがあるかも」

 思い付いたのはやっぱり家族で食べた味。

 お酒のつまみと父や母が食べている横で、自分はトーストした食パンにバターをたっぷりと塗って、それを食べた記憶。

 作る夕食も決まったら、家はすぐそこ。

「ただいまー」

「おかえりなさい」

 精霊も帰っていたようで、返事が返ってきます。

「すぐに夕食作るねー」

「ええ。なるはや(なるべく早く)でお願いします。私は、ハングリーです」

 精霊のお腹が減り過ぎて、少しおかしいはいつもの事。

 ぱぱっと夕食を作りましょうか。


 時間が多少かかりそうなパンのトーストを先に準備してから、食材の確認。

 使う缶詰は鰯のトマト煮の缶詰。そしてニンニク。

 ニンニクは一片の皮を剥いて、みじん切りに。

 缶詰を開けたら、みじん切りのニンニク、溶けるチーズを乗せてこのままオーブントースターへ。チーズがしっかり溶けて、更に少し焦げ目がつくぐらいだとかなり熱くなって最高です。黒コショウを上にパラリとのせれば出来上がり。

「出来たよー。鰯のトマト煮のアレンジお酒のつまみ」

 父や母はワインや日本酒とコレを合わせていましたが、僕はコレをそのままトーストに。

 ちょっと硬いのですが、パリパリと半分に折り畳みサンドして横から齧り付くとトマトがジュワっといい味で、鰯の旨味と缶詰だけでも十分なおいしさに、チーズと黒コショウのパンチ。そしてそれを高い次元でニンニクがまとめてくれます。

「んまーい」

 精霊も喜ぶ一品。

 ダンジョンの話は今日も出来ず。

 一日の終わりのお風呂は疲れも癒せるのでやっぱりいいですねぇ。



今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
[一言] 鰯のトマト煮の缶詰というのは、高級缶詰でしょうか? 知らなかった。 100円そこらでは見かけません(安いコーナーしか見ない人)。 美味しそうです。
[良い点] サンドイッチ!美味しそうですね。簡単そうなので作ってみたいのですがーー材料集めの方は簡単では無いので、雅くんの冷蔵庫の用に欲しいモノがちゃんと入ってる冷蔵庫が先に欲しいです。
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