焼きさんまのおにぎり
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あのあとさんまが焼けて、定食の出来上がり。
「お待たせしました、焼きさんま定食です」
と、お客さんに提供をして同じものを精霊にも出します。
今までと違うのは精霊の分にも箸が付いている事。
覚束ない箸使いで色々と食べ始めているのを見ると、五歳児ぐらいの感じ。
きんぴらごぼうで少し遊んでいるように見えるのは上手くつかめないから。あまりにとりづらいのかぶり大根はマナーとしてはよろしくない刺し箸。
自分もかなり厳しく躾けられたので気にはなるのですが言うか迷う所。
というのも、自分はずっとその躾をされて食べるのが嫌になった時期があったので出来れば精霊にはそうなって欲しくありません。
そんなことを悩みながら、少しボーっとしていると客席から声が。
「はーい」
返事をして七人の所へ行くと、ご飯のおかわりとお味噌汁のおかわり。
そう言えば、さんまを焼いているときに皆さんにぶり大根を出すかどうするかを確認したのですが、満場一致で欲しいという事に。
ご飯とお味噌汁のおかわりついでに、まだあるのなら欲しいという声がかかったのですがそんな量は作っていなかったので、おかわりが無い事を告げるとがっかりされてしまいました。
数名分のご飯とお味噌汁のおかわりを持ってくると、今度は女性陣から声がかかります。
「ちょっと食べきれ無さそうなのだけど、どうにかできる?」
中々に漠然とした感じですが、そこにさんまの半身。
副菜でもご飯が食べられる程度には味をうっていたのもあってか、メインが余りそうな感じの模様。
「それでしたら、こういうのはどうでしょう?」
提案するのは残ったさんまの身をつかったおにぎり。
そしてその提案をすると、男性の数人がかなり驚いた表情に。にやりといつもの様に笑っているのはがーさんと女性陣。
「私もお願いします」
「…………(ひたすら頷きながら少しだけ残っているサンマをジーッと見る)」
「私の残りもそれで」
残っている人の分はこれで出来そうですが、少し時間がかかるのは分かっている事。
「準備をするので、ゆっくり食べていてください」
作ろうとしているおにぎりはあまりものおにぎり。
サンマの身をほぐして、大葉、梅、塩昆布と一緒に混ぜご飯にするだけ。
身の量が少なくても、梅や塩昆布で味は十分。
そのまま食べてもかなり美味しく、もし食べないで冷蔵庫などにしまった時はレンジで温めてもいいし、お湯や出汁をかけて茶漬けもできるのでちょっと食べたいときにも便利。
「まださんまはあったっけ?」
自分の分として焼いていた一尾が丸々残っているのと、もしもの時用の二尾が残っているので、流石に今から外でとはいかないので普通にそこのグリルで焼くことに。
下げた人の分はその人の分だけで作るので、箸で身を取って、綺麗な部分の皮は勿論一緒に入れます。
大葉は小さく切りそろえて、梅はちょっとだけ叩いて、塩昆布は小さく切ります。
コレをボウルに入れて混ぜてあとはおにぎりにするだけ。
一応味の確認も含めて、パクリと一口。
「ん、いいね」
ぼそりといったつもりですが、
「私が苦戦している横で、何かしていると思ったらまた美味しそうなものを作っていたのですね?」
精霊がこちらを認識したようで声を掛けてきます。
「さんま残したら勿体ないでしょ?それで、食べられない人用だよ」
「私も結構残っているので、それにして欲しいです」
そう言う精霊のさんまはほとんど手つかず。
「食べなかったの?」
確認してみると、
「箸がまだうまく使えず。かなり食べるのが難しいのです」
ある程度は食べた形跡がありますが、まだ箸を使うのは難しい模様。
「いつも通りに食べてもいいけど?」
「今更あの食べ方に戻るのもちょっと……」
よくわかりませんが、何かを見たのでしょうか?まあ精霊の分も同じおにぎりにするとして、さんまを焼きながら、ご飯を作ると結構時間はすぐに過ぎてしまうモノ。
「とりあえず、今ある分を渡してくるからそのままにしておいて」
精霊にはそれだけ伝えて、今出来た分だけをもって客席へ。
「お待たせしてすみません。どうぞ」
握ったおにぎりをそのままに渡すわけにもいかないので小さめの紙袋に入れて渡します。
渡す僕の行動を男性陣はうらやましそうにジーっと見ています。
「あれ?私のは?」
女性陣を先に準備したので、がーさんの分はまだ。
「順番につくりますからもうちょっと待っていてください」
それを言って、もしかしたらと足を止めて、
「あの、もしよかったら意見を聞かせてほしいのですが……」
精霊の箸の件を聞いてみる事に。
「あ、聞いていて申し訳ないのですがちょっと火を付けたままなので一度厨房に戻りますね」
質問をしておいて申し訳ないのは分かっているのですが、さんまが黒焦げになってしまうほうが困るので、厨房に戻ってさっきの作業を再開。
がーさんの分をつくって、自分の食べる予定だった分と焼きたてのさんまをぱぱっとほぐしてさっきと同じ作業でおにぎりを作ります。
ぱぱっとやってとりあえず一人二つずつの量に。
女性の残したもので作ったのでは一つ分にしかならなかったのもあったので、これでとりあえず全員にわたる分は作れました。
「はい、どうぞ」
がーさんに先に渡して、女性陣の方には足りなかった人の所におにぎりを一つずつ。
そして男性陣にふたつずつのお土産という形でおにぎりを。
「え、あれ?俺達にも?」
飛び上がるほどに喜んでくれたのは闇の人。
「アレだけ女性陣をジーっと見ていたら、流石に悪いので」
ガッツポーズをして喜ばれるほどだと嬉しさもありますが、同じぐらいに恥ずかしくもあります。
「さっきの話だけど、意見はバラバラだね」
最初に言ってきたのはがーさん。
「バラバラですか」
そんな気はしていましたが、仕方ないでしょう。
「という事で分かりやすく一つの意見に纏めておいたよ」
予想の斜め上の言葉。
「え?」
「結論で言うと、美味しく食べるために覚えるといいという教育はどうかな?って感じ」
美味しく食べる為に覚える、か。
「それ、いいですね!」
「だろ?」
僕も思わず喜んでしまいました。
今回も読んでいただきありがとうございます
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改めてありがとうございます
多分、そろそろダンジョンに入れる気がするので(70話近く過ぎてやっと)ダンジョンをお待ちの方はもう少々お待ちください
毎日投稿頑張ります




