鯵の甘酢あんかけ
ここ数日、朝は早起きしていなかったので走る為にも目覚ましを少し早い時間に。
目覚めはいつも通り。ただ気合が入っている分少しだけスッキリしている気がします。
起きてすぐ、体を起こして少しだけキョロキョロと。精霊はどうやらいない様なので、顔を洗いに移動します。
顔を洗って、歯も磨いたら軽くストレッチ。体を軽く動かすと目が覚めていくのがよくわかります。
「よっし、走るか」
気合を入れなおして、家を出ようとすると、
「雅、何処かへ行くのです?」
「ん、ああ。精霊おはよう。ちょっと走ってこようかと思ってね」
「ふぁああ。そふでふか。いふもの朝ごはんのパンもおねがいしまふ」
大きなあくびをしながらなので少し聴きとりづらいですが、意味は何となく分かるので、
「分かった。じゃあ行ってくるね」
「いってらっしゃい」
頷いて、挨拶をして走ることに。
日本よりもオーストラリアなどの朝と似ていて、ジメッとしておらず空気はパリッとしている感じ。その分喉が渇きそうですが、ある程度走った後の水分補給が楽しくなるのでそれもまたちょっとしたプラス作用。
「多分、父さんはビールだろうなぁ」
頭の中に父が出てきて、軽く走った後の様で、腰に手を当ててビールを呷りプハーとかカーっと美味しそうにビールをおかわりしている姿が浮かびます。
するといつの間にか母もちょこちょこと付いて来て、その手には透明な炭酸水。父の真似をするように腰に手を当てて、同じように飲んでプハーっと父の真似。
それを少しだけ離れた所から自分が見ている絵が浮かんだのですが、両親が手招きをしてきます。急いで首をぶるぶると振ってその想像を振り払って、走ることに集中します。
道中でいつものおばちゃんの所へ行って、サンドウィッチを一つ買って、少しだけペースを落として、戻してと繰り返しながら家に戻れば、朝ごはん。
その前に魔力消費の少ないお湯玉で水浴びをして、さっぱりしたら朝食です。
「精霊、朝ご飯だよー」
昨日作ったグラノーラ。ソレだけでも結構おいしそうですが、ヨーグルトフレークの時にもつかったドライフルーツがあるので、それもある程度混ぜて市販品に近づけて、牛乳をかけて食べてみることに。
「ん、思っていたよりはいいな。甘さが無いからいいのかな?」
はちみつ程度しか入っていないので甘さも自然。悪く言えば殆どないので、逆に砂糖が欲しいぐらい。その砂糖の部分をドライフルーツが補ってくれるため、今は丁度いい塩梅。
「おや、雅?美味しそうなものを食べていますね?」
「ああ、起きたの?」
「まだ眠いですけど、お腹も減って来たので起きました」
朝からお腹が減るとは流石精霊。
「コレ、昨日作ったグラノーラ。あとパンも買って来てあるから、後で半分にするけど?」
「十分です。早速、いただきます」
ご飯があると精霊も静か。そのうち芸を仕込む飼育員さんのようにポケットにお菓子のような何かを仕込んで、五月蝿くなるとひょいっとそれを渡して静かにするようなことにならない事を願って、パンを半分に。
「やっぱりここのサンドウィッチは美味しいですね」
「うんうん。サラダの代わりにもなるし、ハムもいい味だよね」
ゆっくりとした朝ごはんを終えて、さて。
「今日、なにつくろう」
お昼までは時間がありますが、まずは方向性を決める所から。
「お肉が多かったし、肉以外だと魚かな?」
魚料理か。
煮魚も悪くないけど、ピンとこないしなぁ。あとは、フライ?悪くないけど、ちょっと油っぽいかなぁ?
「そうなると、間を取ってみるかな?」
間を取ってみると少し揚げて、さっぱりする方向へ。
思い付くのは魚の甘酢あんかけ。
これならば結構美味しそう。ここまで決まれば後は魚。
普通にいくなら白身魚。他に考えるとすれば鯵辺りかな?
こういう決めかねた時は、うちの食いしん坊に相談が一番。
「精霊?お昼を魚の甘酢あんかけにしようと思ったんだけど、白身魚と青魚で迷っているんだけど、どっちがいい?」
精霊に聞いてみると、すぐに返事が。
「でしたら、青魚で。響きだけで決めてみましたが」
「うん。それで十分」
青魚と決まったら、鯵でいいので迷いなく。
「いや、大丈夫か。んー、しっかり念じてみるか」
そこで一瞬不安がよぎります。時間的に調理は問題が無いと思うのですが、それは魚が捌かれた状態であるという前提が。
鯵は比較的簡単に三枚おろしも出来るので、あまり時間はかからない予定ですがそれでも結構な時間を取られるので無いに越したことはありません。
しっかりと頭の中で鯵の三枚おろしを想像して、ガバッと冷蔵庫を開けると……。
「よかった」
そこには三枚おろしにされている鯵。
これならば調理はすぐに始められます。
その前にまずはご飯の準備。いつもの様にさっと洗って水に浸してタイマーをセット。後で時間になったら炊飯器に入れればまずはオッケー。
メインも決まったので、後はお味噌汁。
冷蔵庫になにかいいのは、あった。
丁度いい感じに見つかったのはしじみ。煮出してしじみの旨味と味噌でお味噌汁も決定。
後は調理を進めましょう。
メインの鯵は食べやすい大きさに切りそろえて、まずは塩を振って臭み飛ばし。
少し経つと水分が出るのでそれを綺麗にキッチンペーパーなどで拭って、今度は味付けの塩コショウを。そして片栗粉を振ってコーティング。
後はこれを揚げて、とその前に甘酢あんかけの具材の野菜の準備。
野菜はタマネギ、パプリカ、ピーマン、ニンジンなどでタマネギは食感を楽しめる程度にある程度大きめに。パプリカとピーマンはヘタを取って種を抜いて千切りに。ニンジンもパプリカ等に合わせた大きさに。
少量の油を敷いて、野菜を全て一気に入れてまずは炒めます。
全体的に野菜がしんなりしてきたら、お酢、醤油、みりん、酒、砂糖、ケチャップを入れて少し水分量が少なければ水を足してから水溶き片栗粉でとろみをつけたら餡の完成。
後は先程の鯵を油で揚げてそれに餡をかけるだけ。
「おー。今日のランチも美味しそうですね」
餡の香りにつられてか、精霊が来たようです。
「今食べる?後にする?」
一応聞いてみると、
「今がイイです。お昼は忙しそうですからね」
「ん、分かった。じゃ早速作ろうかな」
鯵を六枚程度揚げて、揚げている間に餡を温めなおします。
揚げたてを一度バットに置いて油を切ったらお皿に。熱々の餡をかけるといい音が。
「おおぉぉ。ちょっと酸っぱい香りがイイですね」
人の分を見てつい自分のお腹も減ってきているのですが、コレは精霊の分。
「では、いただきます」
ご飯やお味噌汁が無くてもかなり美味しいようで、精霊のいい食べっぷりはちょっと見もの。
もうすぐお昼。来る前に準備をすませておきますかね。
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