★シャワー
キラキラ肉は滅茶苦茶美味しくて、すぐに食べおわる事に。
「もう少し食べたいです」
「いや、もうないから今日は終わりだよ」
「お肉ぅぅぅ」
「明日の朝、別の形にして一緒にまた食べよう?それでいいでしょ?」
僕の言葉に凄い勢いで頷きました。
「明日ですね。朝ですよ!しっかり聞きましたからねっ!!」
言質は取った!と鬼の首を討ち取ったかのような勢いで言っていますが、明日の朝ごはん程度の話です。そんなにならなくてもいいのにとは思いましたが、精霊にとっては大事なのだと諦めることに。
そんなやり取りをしていたのですが、少し時間が経てば精霊も冷静に。
「そう言えば、先週の明石焼きを調べた時にシャワーヘッドもついでに調べたのですが、アレは面白いですね」
「そういえば、そんな話もしたかもね」
「ええ。動画?というのですか?アレで見ることが出来たので、噴水と同じようなものと思っていたのですが、色々と違いがあって勉強になりました」
こっちに来てから水浴びは水の玉で。最近はお湯の玉なのでぬくぬくとしていてサッパリ出来るのもあって、シャワーがいいという事も無くなっています。
「もしよければ、アドバイスが出来そうですがどうしましょう?」
出来ることが増えるのは嬉しいのと、今日はまだ魔法をほとんど使っていないので、教えてもらう事に。
「もし、アレを魔法で作るとしたら、水と風を合わせる方法が一つ。あとは固定放出を覚えるといいかもしれません」
聞いていて何となく水と風を合わせるのは理解できます。ですがもう一つがいまいちわかりません。
「固定放出って、なに?」
「読んで字のごとく、何かを出し続けるという事です」
「それって、かなり魔力は使わない?」
「勿論使います。ですが、多分大丈夫です」
「ふーん。それって例えばどういう使い方しているの?」
折角なので使用例の確認をしてみると、
「噴水の水、この家の中だと水道の水やあとは厨房の火もそうですね。あ、家や噴水などの魔力は空気中からのモノを使っているので、勿論無害ですよ」
家の厨房、水道という事は家の電気なども多分これを利用している様子。
人が使えるかどうかも少し心配ではありますが、そこまで酷い事を精霊がいう事は無いというのが分かるぐらいには仲良くなっています。
「って事は、水やお湯を固定放出して風で出力調整みたいな感じ?」
「そうですね。ただ放出中ずっと魔力も減るので結構大変かもしれません」
頭で想像してみると、なかなか面白い構造が浮かびます。
魔力でお湯か水を作り、それを固定放出で出し続けます。
そこに風で作る網を当てて、威力を調整。何かのマンガで見た修行を思い出すような感じで、右を見ながら左を見ろと言われて分身して……。そんなことは僕にはできません。
「というか、固定放出だけでも十分シャワーじゃないか?」
「え?そうなのですか?」
「うん。シャワーヘッドによっては打たせ湯タイプもあるし」
威力によってですが、アレは中々気持ちのいいマッサージにもなるので個人的には好きな部類。
「因みにやり方ってどうなるの?」
「それは簡単です。いつもの様に水を作って、固定させたらそこへ魔力を注ぎ続けて放出し続けさせるだけです」
いつもやっている事にちょっとやることが増えるだけかな?
とりあえず、やってみるかなと風呂場へ直行。
お湯を作るのはいつもの事なので、パパッと。
「湯の玉」
バランスボールほどの大きさのお湯の玉が自分の斜め上に出来上がり。
「お湯の玉は出来たけど、どうするの?」
「魔力は繋がったままだと思うので、それを太く長いものに置き換えてぎゅるんと魔力を流してみてください」
ぎゅるんと?
感覚派な精霊の言葉に従うように、繋がりをまずは感じます。
今、自分とお湯の玉は細いケーブル程度のモノでつながっている感覚。コレを、ホースやもう少し太いモノに置き換える感じ?
太くて、長くて流せる。
消防ホース?辺りを想像してみると、一気に魔力が湯の玉へ流れます。
「え、え?」
魔力がかなりの勢いで体から流れるのがよくわかります。その魔力が湯の玉に当たった様な気がした瞬間。
どっぱー
湯の玉から一本、滝の様に流れ始めました。
「出来たけど、コレは……」
結構な勢いでお湯は流れていますが、その流れる勢いと同じ速さで魔力が無くなっていくのが分かります。
今日は殆ど使っていなかったので、たっぷりあったハズですが多分半分はもう無くなった感じ。
「コレ、出力調整ってどうしたら、いいの?」
「魔力線の細さで出来るはずです」
という事は、消防ホースを家にあるホース程度にぎゅっと細くして……って、これ細くするのは結構大変だな。
出力が出ているからなのか、弱めようとしても太く戻り上手い事行きません。
「コレ、いつもみたいにぷちっと切ったらどうなる?」
「それはいつも通りです。落ちるだけです」
練習なのでこれで終わりとなるのも困るので、とりあえずぷちっと切る前にお湯の玉を湯船の上に移動して……。ヨシ。
ぷちっと魔力を切ったら、お湯はそのまま湯船に。
七割ぐらい使ってしまった気がしますが、打たせ湯のシャワーが出来ました。
「かなりこれは、クるね」
「でも、出来ましたね」
「うん。これでシャワーというか色々な魔法の幅も広がるよ」
最初に思い付いたのは、火を固定放出出来た場合。
いわゆる火炎放射器と同じことが出来ます。水と同じ感覚でそれも出来るので、上手い事火を操作が出来ればほかにも色々やれそうです。
次に思い付いたのは風。
微風から強風までというよりは、夏のお馴染みの扇風機。
今後寝苦しい夜があったらと思ったのですが、今の魔力量では数分が限度。もっと魔法を使って地力を上げることが必要そう。
「それで、明日の朝はどういう風にアレを食べるつもりですか?」
精霊ももう僕が今日は魔法の練習はきついのが分かっているようで聞いてきます。
「牛丼にしようかなって」
「牛丼。良い響きですね。丼ぶりそして牛。早く明日になりませんかね?」
「コレからまずは寝るんだからね?」
「では早く起きてくださいね?」
「いや、いつも通りだと思うよ?」
「そんなぁ」
精霊の我儘を聞く必要はないと思うので、とりあえず寝ましょうか。
明日の朝は牛丼を作って、お昼は何にするのか考えないといけませんね。
っと、寝る前にご飯のセットだけしておきます。
休日はこんな感じに終わって、また一週間が始まります。
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




