おにぎり
休日なのでゆっくり、とも思ったのですが昨日話に出たダンジョンも気になるので、今は目標に向かってあれやこれやとやることもあるのでさっさと起きることに。
顔を洗って、小銭をポケットに入れて。
数日振りのランニングは自分のペースで楽しむことが出来ます。
道中でおばちゃんからサンドウィッチを二つ買って、コレはこの後の朝ごはん。
家に帰って、水浴びをするのもここ最近は楽しみです。
温かいお湯を先に作って、全身浴びたらもう一つ少しぬるめの温度に。
汗もしっかりと流せて、朝から気分もいい感じ。
「おはようございますぅ」
精霊が起きたようで、少し眠そうな声で出てきました。
「おはよう。サンドウィッチ買ってきたよ。食べられる?」
「食べます」
自分の席に座る様に定位置へふわりと止まります。
お皿に自分の分と精霊の分を置いて「いただきます」と声を出して食べ始めます。
精霊は相変わらず少しずつ削れるように食べていきます。
途中飲み物が欲しくなったので、自分のコーヒーを淹れることに。
「コーヒー淹れるけど、いる?」
「お願いしますー」
二人分のコーヒーを淹れて、席に戻ると精霊のサンドウィッチは殆ど食べ終わっている状態。
「朝からお腹いっぱいです」
別段大きさが変わることも無く、太りも痩せもしないその見た目は少し羨ましいと思えるほど。
「それは良かった」
言える言葉もそれぐらい。食後のコーヒーをゆっくりと楽しんでいると、
「今日はどのような予定で?」
精霊が聞いてきます。
「一応今日は、昨日の続きともう一本出来るかもしれないから木刀制作かな」
「お昼はどうします?」
場所が場所なのですぐにご飯とならないのは分かっていますが、気にするのはやはりご飯の事。
「んー、外で食べるとなると、おにぎりでも作る?」
「おにぎり?……ほほぅ。この三角のですか。色はそれほどですが、面白そうですね」
知らなかったようで、すぐに検索をしたのか。白と黒のおにぎりでも見たのでしょう。
「何入れるかな」
作る身としては具材を考えないといけません。
が、ここは不思議な冷蔵庫があります。自分の心配も杞憂。
「とりあえず、鮭かなぁ。明太子もいいな。あとは冷蔵庫と相談かな」
ご飯を炊くところからですが、今からやれば一時間もかからないはず。
ご飯は水に浸す事もせず、洗ってすぐに炊飯器へ。
鮭にするつもりだったのですが、今日は母の知恵を借りることに。
焼いてからほぐして、骨を抜いてと鮭だと少しだけ手間がかかるので、使うのはトラウトサーモン。
そのままソテーなどで食べられる状態のパックに入っているモノを少量の油を敷いたフライパンで焼くだけ。
焼くときに少量のお酒を掛けて、殆ど気にならない魚の臭みも一応飛ばしておきます。
焼きあがったら、皿の上でほぐします。わざと少し大きい形で残すとコンビニのちょっとお値段の高い焼きハラミのような食感にもなるので、ほぐし方は適当に。
焼くときに酒だけなので、味は入れていないのでここへ塩と白ごまを。一緒に掛けて一つ目の具材、鮭もどきの完成。
トラウトサーモンは確かニジマスだった気がするので、鮭ではないのですが食べる人としてはそこまで気にすることも無く。まぁ、いつもの様にお昼にお客さんが来るとなれば流石に鮭を使うべきですが、自分だけのお昼なので問題なし。
二つ目の具材は、明太子。
そのままでも、焼いてもいいのですがまだご飯が炊けていないので、ちょっと焼くことに。
周りは焼けてパリっとしていて中はプチプチと。
そして辛味がピリッとくるのでこれ一つでご飯がどんどん進みます。
最後の一つは、普通の家には無いハズの物。
「多分、この辺りに……あった」
何でもある冷蔵庫なので、ここにもあるだろうと思っていましたがしっかりと出てきたのは、わさびの葉の醤油漬け。
家の冷蔵庫とお店の冷蔵庫になぜかいつもあった、不思議な食材の一つ。
わさびのツーンと来る鼻を抜ける香り、甘めの醤油の味。
コレだけでご飯が一膳簡単に食べられるのですが、蕎麦やうどんにちょっと添えるだけでも十分美味しいので、冷蔵庫にあると本当に便利。
具材はこの三つでいいでしょう。
ご飯が炊けたら、後は握るだけ。
運ぶことも考えると、ラップで包んでおくのが一番楽なので今日は簡単に作ることに。
先にラップを敷いて、そこへ塩を。
その上にご飯を置いて、真ん中に具材を置きます。同じ量のご飯を大体で乗せたら、あとは包むだけ。
ぎゅっと握りおにぎりの形に整えたいのはやまやまですが、この押していないのが逆に後で美味しく柔らかいおにぎりのままに。
「形が違うようですが、いいのですか?」
「うん。ふわっとした食感の方がイイでしょう?」
「それは、そうですね。あとあの黒いのも無いようですが?」
海苔は今付けてしまうとパリっとしなくなるので、後で食べる時に。
「それも食べる時にね」
「なるほど。かなりシンプルですね?」
「まぁね。飲み物は麦茶にしようか」
やかんで作るパックをそのまま。今は水出しの物があるのでそれですぐに作れるはず。
こうなってくると、結構な荷物の量なので、欲しいものが出てきます。
「リュックとか、袋、あったかなぁ」
来た時は着の身着のまま。
かなり快適な生活をさせてもらっているので、必要な物もあまり出ることなく。
替えの服はいつの間にか部屋のタンスに入っていたので、もしかしたらという思いで一度自分の部屋へ。
「えーっと、タンスの一番下の右側の……、あった」
そこには数枚の布。
かなり大きめの風呂敷です。
「って事は、コレまんま僕の部屋のタンス、だよな」
小さい頃からずっと使っている風呂敷が見つかります。家族での旅行や学校行事などでも念の為で持っていき、色々な場面で使っていました。そう考えてみると長い付き合いの風呂敷です。
タンスの中身が一緒という事は色々と考えることは出来そうですが、今は魔法の練習が先。
それをもって厨房へ戻って、出来立てのおにぎりを二枚の風呂敷を使って綺麗に包みます。
折角なので大きめの水筒を用意して、そこへさっき用意しておいた麦茶のパックを入れて水と氷も。
「後は、昨日の作りかけともう一本材料持って」
さながらピクニックの感じで準備完了。
休日をゆっくりするとしますか。
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