ドリア
結論から言うと、自分の分のコッペパン二本以外のすべては揚げパンに。
そして一本も残る事は無く、皆さんが美味しく食べてくれました。
「食後は紅茶ですかね?」
「よろしく頼むよ」
流石に口の周りを砂糖まみれにしたまま帰るわけにもいかず、食後のティーブレイク。
コーヒーも悪くないと思ったのですが、結構たっぷりの砂糖だったので、苦すぎるのもつらいかという感じで提案をしてみました。
「いやぁ、今日も美味しかったよ、ねぇ?」
ガーさんの言葉に、六人共頷いてくれます。
「魔法も結構頑張っているようだし、もう少ししたらダンジョンにも挑戦するのかい?」
「挑戦はしてみたいのですが、まだ勝手が分かっていないのでそんなにすぐには……」
「うん、若いけどいい判断だね。生き急ぐことはないからね」
一人がそう言うと同じ意見の様で皆さんがこちらもまた頷きます。
「少しだけ慣れてきて、昔の習慣も取り戻し始めてもいるので数ヵ月から半年後ぐらいですかね。ダンジョンに行くのは」
僕の展望をそのまま伝えます。
「そう言えば、魔力操作はその後どうだい?」
「まだそれほどうまく出来ていませんが、こんな感じですね」
数歩下がって周りを確認して、作るのは六属性の玉。
それを見て、皆さんが怪訝な顔をします。
「え、あれ?違いましたか?」
僕の言葉に、皆さんは口をつぐんだまま。
その沈黙を破るのは精霊。
「ふふん、うちの雅は凄いでしょ?」
パッと現れてそう一言。確か皆さんには見えないはずなので、視線を僕もガーさんの方へ投げたのですが、ガーさんは苦笑い。
「えーっと、どうして六属性なんだい?」
「精霊にコツを聞きまして、それで真似をしてみたら出来ました」
「コツを聞いて、真似をしたのか……」
後から来た二人の内の一人の男性がポツリと言います。
「真似で?」
同じく後から組の女性も言います。
「雅君、いつの間に光と闇の魔法が使えるようになったんだい?」
「え、あー……。そうですね?コレの練習で使えるようになったみたいですね?」
自分としてもいつと聞かれても分からない話。
コレの練習で精霊の真似をしたらできたので、出来るものとして理解してしまっていたので理由は分かっていません。
「闇の属性は、簡単ではないんだよ……」
男性の方が、重たい口を開くようにぽつぽつと喋ってくれます。
「光の属性も同じくね」
呼応するように女性も言います。
「私の真似をしたのでこの位は当然です」
精霊は浮いているだけなのですが、胸を張っているようにいいます。
ガーさんが何かをしたのか、精霊は皆さんにもみえているようです。
ただあまりにも話がかみ合っていない感じがするので、一つ質問が出来るかを確認してみます。
「凄く今更なのですが、あの、皆さんの事をきいてもいいのです?」
魔法をこの前は教えてもらったこともあり、ガーさんの知り合いというのもあったので一応で聞いてみてもいいかの確認を。
すると、ガーさんが笑って「大丈夫」と言ってくれます。
「僕が説明した方がイイかな?」
ガーさんが言うと、皆さんが頷きます。
「えっと、各属性の精霊契約者なんだ。自己紹介は今度でいいよね?」
一気に名前を言われてもと思っていたのでありがたい話なので僕も頷きます。
「そこの四人が火、水、風、土。でさっきの二人がそのまま闇と光」
ガーさんは手と属性を合わせて簡易的に紹介をしてくれます。
「あー、なるほど。凄いです、かね?」
「その辺りもダンジョンに行く頃には説明をするよ。まあ、魔法に関して詳しいっていうのはそういうのもあってなんだ。まあ、時間があるときにゆっくりね」
僕は頷いて、玉を上の方にゆっくり上げて魔力を細く玉を小さくと考えながら操作します。玉が天井近くまで上がったので、後は魔力をぷつんと切るだけ。
玉はどんどん小さくなりながら地面に当たる前に消えてなくなりました。
「ふぅ」
話の流れで作った玉でしたが、室内でやったのは初めてだったので少し緊張しましたが何ともないまま消すことも出来ました。
その作業を皆さんはジーっと見ていた気がしますが、気にしない事に。
「まぁ、こんな感じです」
誤魔化すわけではありませんが、言える言葉はそれぐらい。
「なんというか、私に対して冷たくないです?」
精霊がぽつりと一言。どうやら皆さんにも見えているようですが、目線をそらしているのは分かります。
そんな流れもあったのか、皆さんは紅茶を飲み終えると帰り支度をし始めました。
「ご馳走様です」
「お粗末様です」
少しだけ視線が痛かった気がしますが、その程度。なんてことはありません。
さて、少し遅いお昼にしますかね。
折角美味しいシーフードクリームシチューがあるので、みなさん同様にこのままというのもいいのですが、気分は少しご飯寄り。
たった数分で済むので、ドリアにすることに。
「精霊もいる?」
「勿論下さい。たっぷりでいいです」
精霊も食べる様なので二人分。
耐熱容器にバターを塗って残ったバターは真ん中に。バターにかぶせるようにご飯をよそってシチューもたっぷり具材も一緒に掛けます。
勿論ここにブロッコリーも添えて、チーズをたっぷりかけます。
後はオーブンで焼くだけなのですが、少しだけ焦げも欲しいのでチーズの上にパン粉も少々。この焦げがいい香りで食欲をそそるので僕としては大事なところ。
目安はチーズの溶け具合だけ。全部火は通っているので、それだけで大丈夫。
「さ、出来たよー」
オーブンで温めたので器もかなり熱いので、ミトンをつかってお皿の上へ。
スプーンとフォークで迷いましたが、気分はスプーン。
がっつりと行きたい気分です。
「いただきます」
精霊の分も横に置いて、パクリと一口。
「あっつぅ」
かなり熱いのですが、口いっぱいに広がる魚介の旨味。下にそのまま残したバターはいい感じに溶けて、バターライスにもなっていて、クリームとの相性もバツグン。
ただ、滅茶苦茶熱いので口の中は火傷しないか心配なほど。
「これはいいですねぇ。ご飯も食べられて、シチューも。でも先程の揚げパンの方が私は好きですね」
「好き嫌いというよりは、あっちの方が好きって事かな?」
「そうですね。雅の作る料理で嫌いなモノは今のところないので、好きの度合いが違う程度ですね。これも悪くはありません。というか美味しいです」
「それは良かった」
とりあえず、今週も無事終わったかな?
週末をどうしようか、ゆっくり考えて休みを満喫しようと思います。
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




