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シーフードクリームシチュー

「ん?あれ、えっと……」

 目が覚めてすぐ。なにか結構面白かった感じだけを覚えている夢を見たのですが、思い出すことが出来ません。

 結構自分の好きな夢を見ることは出来るタイプなので、夢の中で空を飛んだ事もあるぐらいなのですが、今日はふわっと消えてしまいました。

「んー、ちょっと寝すぎたのか眠い……」

 この間までは顔を洗っていたのですが、折角お湯が自分で出せるようになったので、今日は朝シャンをしてみることに。

 お湯を想像して、自分の体がすっぽりと入る位の形で想像。

 言葉で確定をさせて、裸になってそこへ体を入れる感じ。


 両手でお湯を顔に掛けても、お湯はそのまま元のお湯の中へ残るので最初の頃はどうなのだろうと思っていたのですが、その話を精霊にしたところ、

「お湯やお水、魔力で作ったものは基本的に汚れる事はありません。魔力が循環をしているので、他のモノが入る余地はありません」

 そんな感じに言っていました。

 意味がよく分からなかったので、詳しく聞いてみたのですがやっぱりよくわからないと伝えると、中々に大胆な行動を精霊が指示しました。

「お風呂が終ったあとでいいので、そこへ少し勿体ないですが、それをかけてみてください」

 精霊が持って来たのは醤油。

 何をと思っていたのですが、まぁ風呂も終わっていたので数滴たらしてみることに。

 そこで起きたのは不思議な現象。

 水に醤油が溶けると思っていたのですが、そんなことは無く醤油が雫のような形のままゆっくりと水の中を流れます。そしてそのまま下へ。

「どういう事?」

「そういう事です」

 ん?

 首を横にかしげたのですが、どうやらさっきの説明の通り。

 魔力で作った水を魔力で温めたお湯は魔力がある程度入っているので、他を寄せ付けないというのです。

「じゃあ、汚れも落ちてないって事?」

「いえ、汚れはそのまま下へ。先程の醤油と変わりありません」

 何となくわかったような、何となくわからない様な。

 不思議な水を自分で作っているという事は分かったような気がします。

 一言で纏めれば、魔法で作った水やお湯は清潔を保つには最適という事。


 朝シャンを終えて、かなり目も覚めてきたのでいつもの様に自家製のコーンフレークを食べて、思考の時間。


「今日、なにつくろう」


 今週は自分的には結構頑張った一週間。

 ソレ単体でも十分美味しいものもある程度作った自負もあります。

 その週の締めくくり。

「昨日と今日が反対の方が格好、ついたかな……」

 自分としても昨日のお子様ランチはかなり頑張ったので、今日もアレを越える事を考えるとかなりハードルが上がります。

 ただ、無理をするところでもないので今自分が出来る事をした方がいいハズ。

 色々と考えていると、パッと一つ思い付いたものが。

「給食とか、ランチっぽいかな?」

 頭に浮かんだのは何かの映画で見たシーンの一つ。

 銀色のトレー(おぼん)に結構な量のクリームシチューとコッペパンにフルーツ。

 頭に浮かんだ通りに作ろうと思って、当たった壁はコッペパン。

「あー、マスターもパン屋さんにお願いしていたな」

 何度か作り方を習ってはいるので作れない事はなさそうですが、パンは発酵も必要なので今からすぐに作ってもお昼に間に合うかは微妙。

 こっちの世界のサンドウィッチもなかなかおいしかった思い出もあるので、パン屋さんもあるとは思うのですが、伝手はありません。

 すこしだけ悩んで、一応確認してみるかという感じで呼ぶのは精霊。

「精霊、居る?」

 何処で寝ているのか、何処にいるのかも知らないのですが、呼べばこの通り。

「はい。どうかしましたか?」

 寝ていた感じも無く普通に返事が返ってきました。

「パン屋さんにパンをお願いすることとかできる?」

「パン屋さんですか?」

「うん。ランチにちょっと欲しくてね」

 ランチにというだけで、動きが少し良くなった気がします。

「少々お待ちください」

 そう言うと、いつもの検索状態のような感じでふよふよと厨房を浮いています。

 この時間はただ待つしかないのでゆっくり。

 焦っても仕方がないのと、こういう時はコーヒーを飲んでいた事を思い出して、お湯を沸かすところから。

 お湯が沸いたら、先が細いケトルにお湯を入れ替えてペーパードリップのコーヒーをセット。昔は大変だったというマスターの言葉を思い出しながらセットした粉に少量のお湯を丁寧に回し掛けます。

 三十秒程挽いた豆を蒸らして、嵩を確認しながらお湯を注いで、減ったら注いでと繰り返し作業。

 ちょうど一杯分のコーヒーが淹れ終わったところで、

「確認が取れました」

 精霊が言います。

「確認?」

「はい。ガーさんに連絡を取ってみました」

「え、そ、あー、ありがとう?」

「いえいえ。パン屋さんに心当たりがあるそうです。連絡を繋ぎますね」

「ん?」

 どうやら通話中のような状態だったみたいで、

「おはよう。精霊から聞いたよ。パンが必要なの?」

 精霊からガーさんの声が。

「あ、おはようございます。今日のランチにコッペパンがあったらいいかなーって」

「ん。了解。なかなか面白そうだけど、挟む感じ?」

「いえ、そのままシンプルに行こうかと」

 隠す必要も無いのでそのままだと伝えます。

「じゃあ、ランチの時に渡すぐらいでも大丈夫?」

「大丈夫ですけど、持ってきてもらっていいのですか?」

「うん。全然かまわないよ。本数は人数分?」

「そうですね。あ、自分や精霊の分も欲しいです」

「分かったよ。じゃあ後で持っていくよ。とりあえずはそれぐらい?」

「はい、朝からすいません」

「いいの、いいの。気にしない。毎日おいしいもの作ってもらっているし、今回初めて連絡くれたのも嬉しいよ?」

 そういえば、初日に教えてもらったのに連絡は初めて。

 こんな事で連絡をしていいのかと思ったのですが、

「コレからも必要な物や事や何かあったら気軽に言ってね?こういう事待っていたから」

 ガーさんは気にしないでと言ってくれます。

「ありがとうございます」

「うん、じゃあまた後で」

 その声で連絡が切れたのか、次の言葉は精霊の声に。

「今日のランチは何なのでしょう?」

 食いしん坊が興味を持ったようです。

「今日のランチは、シーフード入りのクリームシチューだよ」

 パンが決まったら、あとはメインを作ればいいので頭で手順を考えて、あとは食材を確認して、作るだけ。淹れたてのいい香りのコーヒーをゆっくりと堪能して、気合を入れたら調理開始。

 とりあえず一番のメインにもなるベシャメルソースから作ることに。

 使う材料は単純で、バター、小麦粉、牛乳、塩。

 雪平鍋にバターを落として弱火に掛けてバターを溶かします。バターは焦げやすいので強火は禁止。

 バターが溶けたら、小麦粉をふるいに掛けながら入れて木べらなどでしっかりとバターと小麦粉を混ぜ合わせます。ある程度混ぜていくとペタペタと粉っぽさがなくなって来るので、そこまでいけばオッケー。

 牛乳を数回に分けながらバターと小麦粉を溶かす様に入れていってしっかりと塊が溶け切ればベシャメルソースは完成です。

 しっかりと溶け切ってから塩で味を調えましょう。(具材が野菜と鶏肉などシンプルな場合は塩だけだと味が足りないので、コンソメなどを入れた方がいいかもしれません)


「これ作ると思い出すなぁ……」

 ふと、思い出したのは母親。

母親は何でもできる人なのですが、雑なところがたまにあってベシャメルソースを作るときに結構ダマが出来てしまう事が多いのですが、その理由は牛乳を数回に分けずドバっといつも入れるから。

 そしてダマが出来ると決まって母は「こういうのはリカバリーが大事なの」そういって木べらをマッシャーに持ち替えるとダマを潰すのです。

 それをお店のマスターに「あんなことしていいの?」と小さい頃に聞いたのですが「イイリカバリーですね。お店などでどうしても気にする場合は濾す事もありますから」そういって、母を褒めていました。


 まあ、僕は手順通りキッチリやるタイプなので今日も問題なくベシャメルソースが完成。

 次は具材の準備。

 タマネギは皮を剥いてみじん切り、じゃがいもは皮を剥いて芽を取ってこちらも食べやすく賽の目に、ニンジンも皮を剥いて食べやすくジャガイモと同じぐらいの大きさに。

 イカ、小エビ、アサリなどのシーフード。冷凍庫にあるシーフードミックスを使いたいところでしたが、量があまりないので一つずつ今日は調理する必要が。

 イカはワタを抜いたものがあったので、食べやすく切りそろえます。

 エビも昨日と一緒の普通の物なので、頭を取って殻を剥いて尾っぽも今日は取って背中を開いて背ワタを抜いて、ジャガイモと同じぐらい小さく切りそろえます。

 アサリも悪くないのですがホタテのむき身があったので、こちらを代用。

 この三つを鍋に入れて、白ワインを入れて酒精を飛ばしながら火にかけます。

 旨味もしっかりこれで出るので、これをメインの鍋に。

 フライパンに油を敷いて、タマネギ、ジャガイモ、ニンジンと野菜も火にかけて、こちらは全体的にしんなりする程度まで。

 火がある程度通ったら、シーフードの方に入れて水を入れて沸騰させます。

 最初にある程度灰汁が出るので、それを掬ったら二十分程度火を通します。

 最後にここへ先に作った、ベシャメルソースを溶かしてあげればシーフードホワイトシチューの出来上がり。

 真っ白な色合いで少し他の色が欲しいので、別口で小さく切ったブロッコリーを塩ゆでしてあとでシチューに乗せるつもりです。

「美味しそうですね」

 出来上がった頃に精霊はふわりとまた姿を現しました。

「味見、する?」

「はい」

 少しだけ取り分けた分を食べてもらうと、

「魚介の旨味がクリーミーで、パンを合わせるのもいいですがご飯でもいいですね?」

「あ、ご飯、炊いてないや」

 時計を見るとまだもう少し時間がありそう。

 急いでご飯も炊かないと。





今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります


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― 新着の感想 ―
[一言] お湯を想像して、自分の体がすっぽりと入る位…… なんて素敵な魔法でしょう。 入ってみたい! あゝ欲しい!
[良い点] シチューも、ソースからつくるんですねェ〜。シチューの素しか使った事が無い身としては新鮮な感じです。ソースは諦めても具材ぐらいは真似をして作ってみたい出来上がりですね。精霊では無いけどーーパ…
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