★ダンジョン132
目の前がぐらりと揺れてゆっくりとその姿を現してきたレッドクラブですが、
「なんですかコレー」
「凄くデカいね」
喋っている間にもレッドクラブは攻撃をしてきます。
姿を現したと同時にしてきた攻撃は遅いながらもそのハサミをつかった攻撃。
こちらの倍以上ある大きさのカニのハサミの攻撃。
遅いのが幸いですが、もし胴体や首周りに当たったら一発で真っ二つになること間違いなし。
「下がっていて正解だね」
「ですね」
ハサミが通路に当たってこちらが回避行動を殆どせずに何とかなったので良かったのですが、かなり焦るところ。
「こんなに大きいなんて聞いていません」
「情報になかった感じ?」
「です」
話している間もほじくるような動きでハサミを奥に入れようと通路にレッドクラブが攻撃と言うか行動を起こしていますが、距離的に大丈夫そうなので会話が出来る感じ。
「これじゃあ前に進めないね」
「下がるしかないですかね」
話している間にもつかめない事が分かって諦めたのか爪を下げて少しそのまま後ろに下がります。
「横移動じゃなく縦移動も出来るの?」
「みたいですね」
普通のカニとはやっぱり違うようですが、諦めたのであればよかったと思いたい。
そんな事を考えていたのですが、下がったレッドクラブはギョロリとその両目でこちらを窺ってきます。
かなり大きな体のレッドクラブが足をまげて腰を下げて通路の中を覗き込むように目を向けてきます。
「明らかに弱点って感じに見えるけど、コレはもしかしてチャンス?」
「多分?」
精霊も仕入れてきている情報がそこまで正しくないと思っているようで、自信を持って言えない様子。
通路から少し離れた位置に今は目があって、自分は刀を抜いた状態。
少し駆けて突きをすればダメージは与えられそう。
ここまで来て引くよりはという事で行動開始。
「戦うよっ!」
地面を蹴ってレッドクラブの目を狙って刀による突き。
レッドクラブはビックリしたみたいですが、防げる状態でもなかったようでしっかりと一撃が右目にヒット。
ブクブクと泡を吹き痛がっているのがよくわかります。
やられた方と反対の目も痛がっていてつぶっている状態なのでそのまま狙ってもう一撃を狙おうとしたのですが、右の爪をブンブンと振り始めて結構な大きさの爪なので当たっただけでも十分痛そうに見えるので振っていない左の方へ横移動。
爪の範囲もそこまで広くないのか攻撃がここならばあたらない感じ。
追撃はもう一つの左目を狙いたいのですが、ジタバタと暴れていて少し狙いづらい所。
暴れるのが少しだけ落ち着いてきたのでタイミングを見計らってもう一撃を構えると、
「攻撃が来ますっ」
かなり焦った様な精霊の声。
慌ててそれに反応して左の爪の方に逃げると、同時。
レッドクラブの口からビームの様な火の熱線による攻撃が。その一撃はかなり強かったみたいで通路が所々焦げて見えます。
「マジかよ」
あのまま通路にいたらと思うと冷や汗もの。
ただかなりの威力もありましたがその分反動も凄い様子。ぐったりと少し疲れた感じで前のめりのような状態に。
頭が下がったので左目も近い位置に。
ぐっと刀を握りなおして勢いをつけて左目も狙ってもう一撃を当てます。
「かなり効いていますね」
「後狙えるのは何処だ」
攻撃をもう少し加えれば倒せそうな気はするのですが、両目をやられて目が見えないからなのかかなり暴れて危ない状態。
手が付けられなくなってしまった感じに。
ただ、さっきの攻撃を見てしまったので通路でどうにかやりくりしたいとは思えないのでここまで来てしまったら倒してしまった方がいいでしょう。
そんな事をこちらが考えている間もずっと両方の爪をブンブンと振りまわしてかなり動き回っているので結構な怖さ。
ハサミを使う時と同じなのでそこまでの速さは無いのですが、それでもあの大きさのハサミは当ればひとたまりも無いでしょう。
「そうか、ハサミ」
狙える場所が無いのであれば自分が安全になるようにすればいいと思い付いたので、やることは単純。
ハサミを落とせば安全になるはず。
ブンブンと振りまわしているハサミを狙う事に。
勿論ハサミを狙うと言っても狙うのはその根元。関節部分は甲羅より柔らかそうに見えています。
無秩序な動きながらも、ある程度同じような動きを繰り返しているように見えるので感じとしては大縄跳びに入る時と似た感じ。
「いち……に、……いち……に、………いち……に、……いちっ!」
大振りの左のハサミがブゥンと目の前を通り過ぎると同時に距離を一気に近づけてそのまま関節を貫くように狙ったのですが、すんなりと刀が入ります。そのまま動かされないように刺さった流れのまま刀を振りぬくと左の爪はプラーンと完全に沈黙。
そのダメージがかなりあったのか、反対の右の爪の動きが電池が切れたおもちゃの様に動きをゆっくりとしていき、最終的に止まると同時に煙になって魔石を落とします。
「倒せたかな?」
「ですね。というか、アイテムもありますし、レッドスライムも後ろにいますね」
「回収される前に魔石を拾っておこう」
倒したレッドクラブの魔石は中。そしてギリギリ落とせた爪も中の魔石を落としていたのですぐに回収。
「爪も落とすんだね」
「全然情報にない事ばかりなのであまり役に立てずすみません」
「いや、口からのビームみたいな攻撃は予備動作が殆ど無かったから凄く助かったよ?」
「でしたらいいのですが、色々と焦りました」
とりあえず何とかレッドクラブを倒せて一段落。
レッドスライムもやる気はないみたいでこちらを素通りすると焦げた通路にペタッと修理をするような動き。
大きく息を吐いて四十五階の探索に戻ります。
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