★ダンジョン128
「聞いている感じでいうと、倒さないでいいって事?」
「まあ、そういう選択肢もありだと思います」
路地裏のような階の時は殆ど倒さなかったこともあるので、何でもかんでも倒せばいいというわけでもないのは分かっているつもり。
一応馬の性格は何となく知っている部分があるので、あまり変な感じに刺激を与えなければそこまで危ない状況にもならないはず。
「因みにマップは?」
「多分いつもと違うと思います」
「多分って言うのは、聞いただけだから?」
「ですね。まあ違うと言われて思い出すのは二十五階の草原みたいな感じですし、あれと同じような感じだとおもってはいるのですが降りてみない事には何とも」
「なるほどね」
聞ける話はこれで一通り聞けた感じ。
後は覚悟を決めて進むべきでしょう。
「よっし、じゃあ行こうか。休憩しても魔力がグンと回復するわけじゃないからね」
「ですね」
さっき休憩したばかりなのであまり長く休むとやる気も減ってしまうのでその前にと、自分の中の勢いも大切にしたいところ。
リュックを背負って腰の刀と木刀を確認。
一度見まわして水筒などもしっかりとリュックに入れているのを確認して出発。
「いこう」
「ええ」
階段を降りると、そこは一面草原の様なフィールド……なのですが、二十五階と似ているかと言われるとかなり違います。
二十五階の時は生い茂る若々しい草で高さもそれほどない感じだったのですが、今回の色は見てすぐにわかるような枯草色。
「一瞬お米の畑かと思ったけど、違うね」
「お米ってこんな感じなのです?」
「いや、もっと黄金色で綺麗だけど遠目で見る分にはすこし似ている感じに見えたり見えなかったり?」
「へー、それはそれでちょっと気になりますね」
そんな感じで雑談を少ししているのですが、吹く風も気持ちよく良い感じ。
「いい風だね」
「ですねぇ」
え?
あれ?
いい風?
「精霊、魔法は?」
「え、あ、クーラーはまだ使っていません」
フロアが変わってすぐ毎回かけてもらっていたので、魔法がかかっていない事は分かっています。という事はこの階はある意味魔法が無くても大丈夫?
と、思っていると少し離れた位置に火が見えます。
「もしかして、アレ?」
「ですね」
かなり離れた位置から鼻をスンスンとまるで犬の様に間抜け面で匂いをかぎ取っているようで警戒されているのがよくわかります。
「本当に火の馬なんだね」
「あー、名前としてはレッドヘアホースですけどね」
「ってことは、赤毛なの?」
「近くで見れば分かりやすいのですが、近づくと危ないですけどね」
「なるほど」
結構な距離があるのでまだ武器を抜くには早すぎる状態。
でもいつでも戦えないと危ない気がするので、
「抜いていた方がいいかな?」
精霊に聞いてみます。
「出来れば武器は持たない方がいいと思いますね」
「だよねぇ」
武器に手を掛けようと素振りは自分でも見せたのですが、止めることに。
そのまま両手を軽く上げて一応敵意が無い事を示す様にしてみます。
「見えているかな?」
「どうでしょうね?」
馬の視力がどうだったかは思い出せませんが、見えていると思ってとりあえず両手を軽く上げたまま進みます。
歩いてみると中々ふわふわとした踏み心地のいいフィールドで、足に負担も少なそう。
少しだけ歩いてみたのですが、二十五階の時と違い全然壁に当たる感じがしません。
「かなり広い?」
「どうでしょう?ただ、何処かに階段はあるはずです」
「この広い場所のどこか……ね」
軽く見まわしても地平線が見えそうな感じで終わりが見えそうにありません。
この広さでレッドヘアホースに気をつけながら階段を探すのはかなり大変でしょう。
「この階も一筋縄じゃいかないっぽいね」
「でしょう?」
視線を感じるまま攻撃の意志を見せずに歩き続けること十分。やっと壁にあたります。
「やっと壁だ。思っていた以上に広いなぁ」
「倒せばすぐに階段があるとかだったらすぐに倒しましょうって言いたいですけど、そういうわけでもないですからねぇ」
「見られているし、見ているぞって感じでここまで歩くだけで結構疲れるね。気を張っていないといけないって思っているよりもキツイわ」
「まあこのペースで行けばそのうち階段は見つかりそうですけど、なんというかさっきから少しずつこの部屋熱くなってきていませんか?」
言われてみると最初の頃は風があっていい感じだと思っていたはずの気温は少しずつ上がっているような感じも。歩いていたので汗をかいているのかと思ったのですが、精霊も言うというのであればそうでもないのでしょう。
「少し熱いよね?」
「一応魔法かけておきましょう」
クーラーの魔法を掛けてもらって、壁に手が当たったので前回同様に左手の法則よろしく、左手を壁についたまま歩き進めて四隅を探しに行きましょう。
魔法を掛けてもらってから同じ調子でまた歩いているのですが、壁に今回もすぐに当たらずに延々と歩かされています。
「階段が四隅にないとコレは厳しいかもしれないね」
「ですね。というかダンジョンの構造的にこんなに広いのっておかしい気がしません?」
「そんな事言ったらモンスターがいるのもおかしいし、一応下がっているとはいえ階段を降りている感覚もよくわからないって事になるよ?」
「ですかぁ」
ダンジョンの不思議に触れているので現在進行形でどうしたらいいかという状態。
そしてこれを延々と続けるのも結構厳しいと思っていると、ダンジョンに変化が。
「なんか焦げ臭い気がしない?」
「雅も感じましたか?」
「だよね?」
精霊と頷き合って、左手は壁についたままなので右側を見回してみます。
するとさっき歩いていた辺りから火の粉が飛んでいる状態。
明らかに燃えているのが分かります。
「……コレってヤバくない?」
「早く階段を見つけないとやばいのでは?」
気が付いたら結構なピンチ?
急に時間制限が付いた気がします。
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




