★ダンジョン126
アイテム回収も終わって考えるのは大量のレッドハンドゴーレムの倒し方。
「範囲魔法でドーンってできないよねぇ」
「ドーンという擬音で考える感じは火属性ですよね?多分あまり効かないと思いますね」
「だよねぇ」
それだったらと次に思い浮かぶのは風の魔法。
スパッと切れたら爽快かもしれないと思ったのですが、
「風も効きは悪いですからね?」
「あー、そうなの?」
「属性的にって、属性の話は前にしましたよね?」
「結構前だと思うからあまり覚えていないけど?」
「火には水が効いて、水には土が効いて、土には風が効いて、風には火が効きます。なのでその逆は効きが悪い感じです。それ以外にも光と闇があって光と闇はお互いに効きます」
言われてみると何となく覚えているような、覚えていない様な。
ゲームの知識とほとんど変わりなさそうなので何とかなりそうなのが助かるところ。
「って事はこの特殊階層は火だから効きがいいのは全体的に水って事だね?」
「ですね。まあ他の階層だとあえて一種類の魔法で攻略出来ない様に属性違いがいるというのも聞いていますが、まだ下の階なのでそんな事も無いと思いますよ」
中々意地悪な事もありそうですが、とりあえず今回の探索では大丈夫そう。
となると水の範囲魔法を考えないといけないのですが、
「水で範囲魔法って何かいいのあるかな?」
「水をどばーっととかではいけないのです?」
「水の量が増えると魔力消費も増えるからあまりそれは良くないね」
「水の量は少なく、でも範囲を攻撃したいって事ですか?」
「そうなるね」
何かいい方法が無いかと少し考えながら次の部屋へ向かいます。
大量の水を使わずに、でも範囲を広く。
右を見ながら左も見ないといけない様な美味しい所だけを取る様な事をしないといけないのでそんなにすぐ思い付くことも無く。
「考えながらだと、危ないから考えるのは一回止めて進もうか」
「そうですね。まあさっきの様な部屋も場合によっては攻略しないといけないので出来るだけ早めに考えて方がいいですけどね」
「だねぇ」
なにかチラッと思い付きそうな気はしたのですが、一度振り払ってしまったモノは戻せず。
さっきの部屋からの通路は二本ほどあったのですが選ぶ手間を省いてそのまま近くの通路へ。ぴちゃんと水のような音がして一瞬構えたのですが、ノンアクティブのレッドスライムだったみたいで敵対の意志を感じることなく横を素通り。
「お、階段発見」
「敵はいますが、距離的にそのまま階段に入れそうですね」
「だね。そのまま階段に入ろう」
アイテムっぽいものも見えましたが、すべて無視してそのまま階段に。
「丁度休憩が欲しかったので良かったです」
そういうと同時に精霊が魔法を解いたので、まずはと水分補給から。
「カステラも食べてみませんか?」
「そうしようか」
ちょっと長い休憩を。
水分補給とカステラを食べる事に。
「しっかりと私の魔法が効いていますね」
「そうだね。ここまで冷たくなるのは想定外だったけど、冷えていて逆に美味しいぐらいだ」
嬉しい誤算で、カステラは冷蔵庫に仕舞っておいた時のままの温度。
常温でのふわっとしたのもいいのですが、少しだけ硬くて甘さがギュッと凝縮したようになっているのはガツンと甘みが来てとても美味しく感じます。
「凝縮かぁ」
「凝縮、ですか?」
「ああ、カステラの甘さがこう凝縮したような感じで美味しいなって」
「あー、ふわっとしているのもいいですけど、こういうのもいいですよね」
「そそ。そういう意味での凝縮」
「てっきり魔法を考えているのかと思いましたよ」
「あー、魔法ね」
水を凝縮しても硬くなるのかな?凍らせると硬いけど、水はそれほど硬くないんだっけ?どうだったかな……。
そんな事をぽわぽわと考えながらカステラと水分補給を済ませたので、大きく伸びをしながら、
「次の階はどんな感じ?」
四十三階の事を聞くことに。
「ほぼ変わりなしですが、スケルトンが出ますね」
スケルトンが出て来るとなると、結構こっちが思っているよりも厄介な事が多そう。
と言うのもたしかスケルトンは自分の骨を分けて武器にさせていたことがあった記憶があります。
「かなり厄介?」
「かもしれないですけど、あまりレッドハンドゴーレムに知恵は無いみたいですから、その辺りは戦ってみないと正確なところは分からないかと」
「着いてからのお楽しみって感じか」
なおの事範囲の魔法があった方がよさそうな感じなのでここは階段でゆっくりできるのもあって考え事もしっかりできます。
「何か浮かびそうですか?」
「さっきの凝縮って言っているときにもチラッと浮かぶナニカはあったけど、コレと今すぐにはまだかな」
「今までの戦いを思い出してみるのとかはどうです?」
「今までの戦い?」
言われて思い出してみても基本的には木刀で。たまに魔法を使いますが、最近多かったのは木刀に纏わせた風をそのまま放つ攻撃。
アレを水でと言うのは考えましたが、どうにも範囲を拡大させるのは難しそう。
「悪くなさそうなんだけど、イマイチ足りないんだよねぇ」
「それはどういうのです?」
「刀に魔法を纏ってそのままスパっと。場合によっては風の時と一緒で飛ばす感じ」
「何が足りないのです?」
「飛ばすイメージだと威力が落ちそうで」
「でしたら飛ばさなければいいのでは?」
「飛ばさない?」
言われて思い出すのはこの前戦ったスリーテイルズフォックスの戦い。
あの時のとどめは魔力刀を伸ばし、切ったのですがアレに属性を乗せることは可能です。そして長くなっても魔法なので重さが増える事は無く。
長さを伸ばせるので範囲という意味でもクリア。
「いい感じの範囲魔法になっているかも」
「私のおかげですね!」
「……そうだね」
認めたくないような気はしますが、精霊の言う通り。
後は次の階でコレをやってみるとしましょう。
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